【願いを叶えるお茶】
初めまして、エイランドと申します。
こうして作品をサイトに投稿することが初めてで、投稿する瞬間にすごくドキドキしていました!!
誤字脱字が多く拙い文章だと思うのですが、最後まで見ていってください!!
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放課後の教室からヒソヒソとした話し声が聞こえた。
「“願いを叶えてくれる”喫茶店って知ってる?」
そんな根も葉もないどこにでもあるような噂話だった。
「いきなりねミキ…都市伝説とか?」
でも、その時の私は根拠なんかどうでもよくて、その噂に釘付けになった。
「マイあったり―!!でもね、そのお店は実在するんだって!!」
当時の私は、どうしても叶えてほしい願いがあったからだ。
「へぇ、どこにあるのその喫茶店。」
「それはねぇ________。」
誰もいなくなった教室はひどく静かで、日が沈みだして暗くなる。
私はその喫茶店を探しに行動を開始した。
私の願いを叶えるために。
初めまして!!小鳥山高校2年、鈴山スズメです!!
私はこれからバイトで、今は開店準備をしているところ。
「ふぅ…お店の掃除もあらかた済ませたし、そろそろ看板を立ててこようかな?」
開店時間も近くなってきたので看板などを外に出そうとした時だった。
ふと、どこからか視線を感じた。
辺りを見渡しても、人影はない。
人どころか猫や犬、鳥ですらどこにも姿なくて、私は急に不安になった。
「早くお店に戻ろう…」
看板を通行人に見やすい位置へ出し、私はお店の方へ振り返った。
そこには見知らぬ女性が立っていて、思わず
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!?」
と悲鳴をあげた。
「あっ…あの、私は景無可憐って言います。さっきはごめんなさい…」
静かな店内に、少しどもった彼女はそう自己紹介した。
あの後に店長が慌てて外に出てきて、腰を抜かしている私と怯えた様子のカレンさんを宥めてくれた。
とりあえずお店にカレンさんと私をお店に入れ、彼女の話を聞くことになった。
店長は「怖かったら僕だけで話を聞こうか?」と言ってくれたのだが、それはなんだか負けた気分になるからと同席させてもらうことにした。
今は彼女…カレンさんは気まずそうにお水を啜って、私と店長はカレンさんとカウンターを挟んだ形で彼女の話を聞いている。
「それで、景無さんは何をしていたのかな?」
優しい口調で店長は問いかけた。
すると彼女はバツが悪そうにカレンさんは答えた。
「………友達が欲しくて。」
「「は?」」
その回答に私たちは間の抜けた声が出た。
「私、友達が欲しいんです!!だから“願いを叶えてくれる喫茶店”の情報が必要で…。」
話を聞くと、カレンさんは中学からこっちに越してきて、今の学校に馴染めないらしい。
小学校からの友達と離れ離れになり、新しい環境に対して不安な時、この店の噂を聞いたのだそうだ。
曰く、この喫茶店は“願いを叶えてくれる”のだと。
そんな話を聞いて、私はピンときた。
「あ、店長。きっと“アレ”のことじゃないですか?ほら、最近品書きに入れた…。」
店長は不思議そうな顔をしていたが、すぐに私の言いたいことを理解して「あぁ、そういうことか」とお湯を沸かし始めた。
私と店長が納得する中、話に取り残されたカレンさんが「え?…あっ…アレって?」と困惑している。
そんな彼女に私は「ちょっと待っててね」とウインクした。
そんな様子にカレンさんは目を白黒させた。
彼女がどんな反応をするのかすごく楽しみだ。
「お待たせしました。こちら“願いを叶えてくれるお茶”になります。」
私はエプロンに着替え、店長が入れてくれた“お茶”をカレンさんの元へと運んだ。
「あの…私こんなの注文してない…です…。」
テーブルには“お茶”という割に青い飲み物が出された。
「サービスだから、一口飲んでみてよ」
私がそう言うと、彼女は恐る恐るといった具合に一口啜った。
「…!!これ凄くおいしいです!!」
そんな無邪気な笑顔に店長と私は微笑んでしまう。
その様子に彼女は気恥ずかしそうに俯いた。
その様子に頬がまた緩んでしまう。
「店長、そろそろ…」
「そうだね…景無さん、少し良いかな?」
店長に耳打ちすると店長は頷いて、カレンさんに話しかける。
「あ…はい…」
何を言われるのか心配そうに固まる彼女に、店長は笑いかける。
「よければこの“お茶”に魔法をかけてもいいかな?」
そんな言葉に彼女はキョトンとした顔になる。
状況が理解できていない様子の彼女をよそに「やっちゃえ!!」と言わんばかりに私は親指を突き出す。
そんな私に店長は親指を突き返してくる。そして、店長はあるものを取り出すと“お茶”の中へ投入した。
「…え?!どうして!!?」
彼女は驚いていた。
勝手に何かを入れられたことにではなく、青色から紫色に変色する“お茶”にだ。
「どうして?」とつぶやく彼女の眼は輝いていて、年相応の可愛らしさを感じた。
彼女が“お茶”に夢中になっているのをチャンスだと感じ、私もあるものを投下する。
「当店特性【お星さま】でございます」
当店オリジナルの【飲み物に浮かぶコンペイトウ】と【ミニサイズのレモン】をトッピングすることで、“願いを叶えてくれるお茶”が完成する。
【紫色に変色した“お茶”】と【飲み物に浮かぶコンペイトウ】と【ミニサイズのレモン】で完成するのは、コーヒーカップに浮かぶ満天の星空。
カレンさんが見入っているのを眺めしばらくした頃、私は彼女に告げた。
「願い事、今なら言えるんじゃない?」
ハッとした彼女は3回「友達が欲しい」と言った。
その後、カレンさんは“お茶”を満足そうに飲み干した。
お代について聞いてきた彼女だったが、店長が
「お代はいいよ。その代わり今度は友達をたくさん連れてきてね。」
と笑顔で言っていた。
帰り際に「必ずまた来ます」とカレンさんに「次は驚かせないでね」と冗談めかして言うと、慌てていたのが面白かった。
チャイムの鐘が放課後を知らせた。
私はみんな帰った後の教室に残っていた。
理由は一つ…
「あ…あのっ!!ミキさん!!」
思わず声が裏返った。恥ずかしいよぉ…
「えっと…景無さん…っだっけ?…どうしたの?」
いきなり話しかけられて驚いた様子だ。
それはそうか、今まで話したことがない人だもんね…でも、私は構わずに続けた。
「えっと…前に喫茶店の噂話をしてるのを聞いてて…それで…」
どうしよう…どんどん私を見る目が険しくなってる…
話せば話すほど怖がられてない…?
「それで、景無さんの用事って何?」
業を煮やしたのか、少し強めに問われた。
「あの…何が言いたいかって言いうと___」
そこまで言った時、どうしてか私は昨日飲んだ“お茶”の味を思い出した。
レモンの酸味そして、コンペイトウの甘さが口いっぱいに広がる錯覚に少し気持ちが落ち着く。
『願い事、今なら言えるんじゃない?』
「___っ、私と友達になってほしいの!!」
その言葉に驚いたのか、ミキさんは口を開けたままポカンとした。
「あ…失敗しちゃったのかな…」と思っていたら
「アハハハッ」
急に笑い出した。
せっかく勇気を出していったのにヒドイ!!
「いいよ…フフッ…今日から友達ね」
そもそも、人の頑張りを笑うなんて人としt…
「え…?今なんて言ったの?」
プンプンしていたせいで話を聞きそびれてしまった。
「だーかーらー。友達になるって言ったの」
_____その言葉が信じられなくて、でもすごく嬉しくて思わず涙が出てきた。
「ちょっ!?泣かないでよ」
「ご…ごめ……なんでだろう。」
あわあわするミキさんに申し訳なく思ってても、涙があふれて止まらなくなった。
私が泣き止むまでミキさんをはそばにいてくれた。
「見苦しいところをお見せしました…」
おそらく、目元を真っ赤にして私はそう謝った。
「ホントよ」とミキさんは少し呆れてた。
本当に申し訳ない…
「そういえば、噂の喫茶店がなんとかって言ってたけど、あれはどうしたの?」
そう聞いてきたので、私はもう一つ言おうとしていたことを思い出した。
「その喫茶店に前行ってきて…」
そこまで言うと。
「えっ!!?あのお店行ったんだ!!」
と、すごい食いついてきた。
「う…うん…だから次は一緒に行ってくれないかな?…なんて…」
少し濁した言い方をしてしまった…
本当はもっとはっきり言うつもりだったんだけど。
「あ、だったらマイも誘っていい?」
そうミキさんが提案してきた。
それがすごく嬉しくて私は即答した。
「もちろん!!みんなで行こう!!」
夕日に照らされた教室は楽しそうな声が響いていた。
「店長~。今月の収益は大丈夫なんですか?」
そう私が聞くと、店長は難しい顔をして「うーん」と唸った。本当に大丈夫かこの店?
「ま、昨日の分は僕が内職を頑張れば何とかなるでしょ。」
そんなことを平然と言う店長に私は呆れてしまう。
店長は世界中のコーヒーや紅茶などを趣味で収集、製造をしていたそうなのだが、それを色んな人に広めたい一心で店を建てたのだ。
そのため、店長はお金にあまり執着しない。
元はすごいお金持ちだったらしいが、こんな人だから家を追い出されたそう。
お金も当然すぐに使い切ってしまい日々(ひび)、内職で稼いだお金で食いつないでいる。
だけど、その顔はいつも晴れやかだ。
どうしてか聞いてたら
「世界中のお茶を誰かと共有するのが僕の幸せだからだよ!!」
と、熱弁してくれた。理解できない。
まぁ…本人がいいならそれでいいかと理解することを放棄した。
「そういえば、バタフライティーを品書きに入れたのは正解でしたね。」
今回カレンさんに提供した“お茶”の名前を言うと、
「そうだね。僕的にはコピ・ルアクとか出したいんだけどねぇ…600円ぐらいで」
そういう店長に私はキレてしまった。
「バカなんですか!!?あんな高級品を600円なんかで売ろうとしないでください!!あと、原料を聞いたら興味のある人以外は食欲なくすわ!!」
そう言ってキレ散らかす私に店長は「うぅ……おいしいのに…」と泣きべそをかいた。
そんな二人の声だけが店内に響き渡る。
今日の営業はここまで、またのご来店をお待ちしています。
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最後まで見ていただいて、本当にありがとうございます!!
僕自身が今まで小説などを書ききったことがないため、本当に書けるかな?大丈夫かな?
何て不安を抱えて書いていました。
だからこそ、予想に反して書ききれたことがなんだかうれしくなりました。
また、この作品に関わったすべての人に感謝を
皆さんのおかげで何とか書き上げることが出来ました。
本当にありがとうございます!!