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SNSが結ぶ恋  作者: TERU
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第6話「出会い!?」

漁業就業者フェアの仕事をやり遂げた正樹は近くのカフェで休憩をすることにした。そこで見た真咲のインスタグラムには、少し前に同じカフェで真咲が写真を載せていた。

果たして、正樹は真咲と出会う事が出来るのか!?

第6話「出会い!?」


「お疲れ様でした~!」レンガ風のオシャレな店内に大きな声がこだまする。

「大成功でしたね。」後輩の大久保が、真咲の隣の席を確保して話しかける。

「私達スタッフの力よ。決してエコヒイキ女のデザインがよかった訳ではないから。」目が据わった真咲の圧力に屈して、弱気な九州男児大久保が席を離れようとするのを同僚の美佳が助ける。

「後輩に圧力かけちゃダメよ。皆が頑張ったから成功したんだから。それより『カナダ産メープルシロップをふんだんにかけた、ふわふわパンケーキ』食べるの?食べないの?」

「い・た・だ・き・ます!美佳様!」真咲は目を輝かせて、胸元で両手を合わせて美佳に擦り寄る。

「分かった~分かったから!近い近いよ!」今にもヨダレがタレ落ちそうな真咲を引き剥がして『パンケーキ』を2つ注文した。


「お待たせいたしました。当店お薦めの『カナダ産メープルシロップをふんだんにかけた、ふわふわパンケーキ』を2つお持ちいたしました。」お洒落なカフェにお似合いの可愛らしい制服姿の店員に、一同萌えに萌える。これの感覚は男女共通らしい。

「それじゃ~ご褒美だから沢山食べていいからね。」パンケーキと萌え萌え店員に、すっかり機嫌がよくなった真咲は、美佳の話し声が聞こえる前に食べようとしていた。

「はっ!ダメダメ!インスタ用に写真撮らなきゃ!」今にも食べそうな勢いの真咲は、寸前のところで我に返りナイフとフォークを止めた。

「美佳、写真撮って!」早く食べたい真咲は慌てて美佳にスマホを渡す。

「も~私はカメラマンじゃないからね。」

「後で一緒に撮ろうよ♪1枚だけね。お願い!」

「仕方ないわね。こっち向いて。」カメラアプリを立ち上げて、スマホの画面越しにパンケーキと真咲をフレームに入れる。

「相変わらず綺麗ね。」美佳は小さく呟く。普段は明るく天然の真咲はムードメーカー的な存在であるが、本人は気付いているのかいないのか分からないが、間違いなくスーパーモデル並の美人である。

「またインスタに乗せるの?」何枚か写真を撮って真咲にスマホを渡す。

「そうだよ~この想いを誰かに伝えたくて!一人では勿体無いよ~!」嬉しそうにパンケーキを食べだす。

「まったく真咲には困ったものね。私が言った通りにインスタのセキュリティを強化したの?ネットには怪しい男どもがうようよいるんだから。」

「したよ~!しないと怪しいDMが一杯くるんだもん。」美佳が心配しているのも無理はない。真咲は超機械音痴である。今時スマホアプリで写真加工も出来ないくらいである。なのに、インスタの人気はうなぎのぼり、今ではフォロワー数10万人を越えているのである。何度かインスタグラマーとして有名ファッションブランドからオファーが来ているらしいが、『ランチの写真撮っているだけですから~。と言って断っているらしい。』世のインスタグラマー達からみたら羨ましいかぎりだが、真咲にとってはいい迷惑なのである。

「美佳さん、美味しいよ~!ありがとう~!」涙目になって黙々食べている真咲を母親のように見守る美佳であったが、一つ思い出す。

「真咲!さっき一緒に写真撮ろうって言ったわよね。何で先に食べているの!?」

「あっ・・・・」やはり天然である。



「皆さん、お疲れ様でした。そろそろ撤収致しますよ。」正樹は就業者フェアの片付けを終えて漁業組合『長老衆』を集める。

「正樹ちゃん、帰るのはまだ早いだろ?」

「えっ?」

「少し話し合ったのだが、せっかく東京に来たんだし、少し自由時間にしようよ。」

「いや、今4時半ですよ。電車の時間が・・・。」

「2時間位いいだろ。せっかくだし頼むよ。」この人達は本当に何しに来たんだろ?

「分かりました。6時半にJR秋葉原西口前に集合です。」

「ありがとう、正樹ちゃんも少し羽伸ばしなよ。」といいながら大量の荷物を残し去っていった。

「ここは巣鴨じゃないんだぞ!」と言いながら仕方なく大量の荷物を運びだした。



【トゥルルルン~只今2番線、上野・池袋方面行きがまいります。危ないですから黄色い線の内側に下がってお待ち下さい。】

「早く上がって来なさい。電車が来ちゃうじゃない。」JR秋葉原駅山の手線ホームに着いた真咲は、殆どの荷物を持たせている後輩の大久保に声をかける。

「この荷物でこの階段は走れないですよ~!そこのエレベーターで行きます。」

「軟弱者!それでも男なの!」

「真咲、大久保君に厳しわよ。少し持ってあげなさい。」アニメ張りのセリフを言う真咲にフォローする美佳。

「先輩としての愛の鞭です。」

「愛の鞭って、都合のいい言葉ね・・・。」呆れる美佳であった。



「ふ~~~!やっと座れた~!」ついつい独り言が漏れる。

「いらっしゃいませ、ご注文が決まりましたらお呼び下さい。」

「あ~注文いいですか?ホットコーヒーが1つと、この『カナダ産メープルシロップをふんだんにかけた、ふわふわパンケーキ』を1つお願い致します。」

「かしこまりました。注文を繰り返させて頂きます。ホットコーヒーがお1つ、『カナダ産メープルシロップをふんだんにかけた、ふわふわパンケーキ』がお1つですね。お伺い致しました。ずいぶんお疲れのようですね。ゆっくり休んで行って下さいね。」このレンガ風の店内に似合う制服姿の店員さんの優しい声が、『長老衆』の相手をして疲れ果てた正樹にとっては、優しい天使の声に聞こえてきて心に染みる。

『ググってよかった~!』と心の中で叫ぶ。自由行動となった後、仕方なく荷物を整理して、駅に向かおうとしたが、時間があるためどうせ休むのであればいいところに入ろうと近くの検索ランキング上位のお店に入ったのである。

「お待たせ致しました。先にホットコーヒーをお持ち致しました。」優しい店員さんの笑顔に癒されながらコーヒーを一口のみ、時間潰しにインスタグラムのアプリを開く。

「あれ?ここの店じゃない!?」インスタグラムのアプリを開いてみると『カナダ産メープルシロップをふんだんにかけた、ふわふわパンケーキ』と一緒に写真を撮っている綺麗な女性がいた。以前正樹と同じ名前で気になった女性である。投稿は30分前であった。

凄い偶然!もしかしたらまだここの店にいるかも?っと周りを見渡すがそれらしき女性は見当たらなかった。

「『カナダ産メープルシロップをふんだんにかけた、ふわふわパンケーキ』をお持ちいたしました。」店員さんが笑顔でパンケーキを運んでくれた。

「すみません。こんな女性の方来ていましたか?」インスタの写真を店員さんに見せる。

「あー先程までここの席に座っていらした綺麗な方ですよね。女優さんかと思ってスタッフ皆で騒いでいたんですよ。お友達なんですか?」

「いや、たまたまフォローしていた人がここのお店をアップしていたのでビックリしたんです。」

「そうなんですか?あんなに綺麗な方とお知り合いなんて羨ましいです。」そう言ってカウンターに戻っていったが、そのまま他の店員に話しかけているので、このインスタの彼女の話題でもしているのだろう。

「そんなに綺麗なんだ?」確かに綺麗な女性だが、インスタ用に加工して誤魔化しているんだろうと思っていたふしがあったので、かなり興味が沸いてきた。タッチの差で会えなかったのが少し悔しく思った。

「せっかく来たんだし、俺もアップしよっと。」彼女のように撮れないが、パンケーキだけを撮って、インスタに載せる事にした。

「彼女は気が付いてくれるかな?」少し淡い期待を込めて送信ボタンを押した。


【トゥルルルン~只今2番線、上野・池袋方面行きがまいります。危ないですから黄色い線の内側に下がってお待ち下さい。】結局、後輩・大久保がエレベーターに乗ってホームに上がったため、1本遅らせて電車に乗ることになった。

「結構込んでいるわね。まあ週末の夕方だから仕方ないか。」ホームに入ってくる電車の車内を美佳は観察して呟く。ホームで待っている真咲は暇つぶしにインスタグラムを見ているようだった。

「大久保君突っ込んで道をあけて。」

「え~僕がですか!?」自動ドアが開いて、下車する人達が降りた瞬間、美佳は荷物を抱えた大久保の背中を押して、満員電車の人を押しのけて車内に入っていく。

「真咲も早く乗ったら。」美佳は後ろを振り返ると携帯を見ながらたたずむ真咲を見てビックリする。

「何してるの早く乗らないと閉まるよ。大久保君の頑張りが無駄になるよ。」背中を押されて泣きそうな大久保は今にも窒息しそうである。

「ラプンツェル」

「えっ?えっなに?」

「ラプンツェルのお兄さんがいるの!?悪いけど先に帰っていて!」そう言って真咲は駆け出した。

「ラプンツェル!?えっ何?」あっけにとられる美佳の目の前で自動ドアが閉まり、大久保のうめき声が止んだ。



「すみません!あのここに男性の方いらっしゃいましたか?」カフェに駆け込んだ真咲は店員に話しかける。

「えっ!男性の方ですか?」店員が店内を見渡す。確かに殆どのお客は女性だが、男性客もチラホラいるので誰だか見分けが付かない。

「あっ!あの知っている方がさっき来ていたハズなんですけど・・・。」インスタグラムのフォロワーなんて、友達と言っていいものかどうかもなやむ。

「あれもしかしてインスタのお友達さんですか?」別の店員が話しかけてくる。

「さっき、お姉さんの写真を嬉しそうに見せてくれてくれましたよ。」

「本当ですか!?」心が躍る。やっぱり私向けの投稿だったんだと思うと嬉しくなる。

「その方いつ帰りましたか?」

「今から10分位前ですよ。」

「ありがとうございます。」深く頭を下げて店内を飛び出した。

『駅の方に向かってみよう。』

『でも私、顔を知らない!?どうしよう。どう見つけるの!!』重大な事に気がつく。

『そもそもなんで私この人が気になるんだろう!?』駅に向かいながらもう一つの疑問に気がつく。

『自分の事なのに冷静に考えるとおかしくない?』顔も見たことも無い、素敵な動画を見せられただけで、こんなに心がざわつくのか?自分でも理解出来ないようだ。

『もう一度、彼の動画を見てみよう。』駅の周りを探しながらインスタグラムを開き『MASAKI27』を確認する。

駅の入口付近でスマホを見ながら歩いていると視界の端におじさん達の団体が集まっているのを感じて、無意識に幅を空けて歩き去った。スマホに集中していて真咲は気が付かなかったが、真咲が歩きさった後方で「皆さん集まりましか~!帰りますよ~!」「正樹ちゃん、初めてメイド喫茶に入ってみたよ~!」っという会話がなされていた。


『そうかこの人の文章にも惹かれたんだ!?』真咲は『MASAKI27』の投稿を見ながら気が付く。

『なんて完結で、分かりやすく、優しい文章なんだろう!』文章だけで引き込まれるのは、小説以外で始めての経験だった。


そして今日の投稿・・・。

「今、ここにいます。」


ただこれだけの文章に、自分に宛てたメッセージだとスグに分かり駆け出したしまった。


「会いたかったな・・・。」真咲は呟いて、山手線のホームに上がって行った。

結局2人はこの日、出会うことが出来なかった・・・。




次回、第7話「DM」に続く・・・。




正樹は真咲にDMを送る事にしたが、そこから恋の発展はあるのか?

次回第7話「DM」をお楽しみ下さい。

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