家
私はシャルロットと言う名を持つ15歳の少女。私は大きな国の人の賑わう街に住んでいる。それとは対象的に私には友達がいないし、高校にも入学しなかった。世間は私のことを引きこもりだと言う。そうだ私は中学を卒業してからは、ずっと外に出てない生活をもう1ヶ月も続いている。
「ねえ、中学の時にいたシャルロットあれからずっと引きこもりみたいよ。」
「そうなんだ。お父さんとお母さん大変だね。早く社会的に復帰できると良いね。」
ある少女達は私の話をしている。私のことを同情してるのか、見下しているのかも分からないけど、別に今更見下されても気にならない。どうせ友達にはなれないだろうから。
私が引きこもりだと言う噂はあっという間に広まったが、しばらくすると誰も私のことを話題にしなくなる。もうどうでも良いのだろう。私がいようがいなかろうが気にならないだろう。私も同じように噂してる人達が殺されようが、異世界で迷い込もうが、社会的に成功しようがどうでも良い。所詮自分には関係ない人間なのだから。私は心を閉ざした冷徹な人間なのだろう。
私は中学時代いじめられていた。私は性格が明るくなく、暗くて近寄りたくないと思う女の子が何人かいてクラスメートのほとんどから無視されたり、物を隠されたりした。
「痛い。」
わざと足を引っかけて転ばしたり、色々といじめをして来た。あの中学校には誰も私を必要とする人はいなかった。時々自殺なんかも考えることもあった。私が死んでも誰も悲しむ人なんていないだろうと考えることもあった。だけどいつもそれを実行できずに終わっていた。
家に帰っても、母親とはまともに会話なんてしなかった。私の存在なんてどうでも良いんだろう。私が何やってもどうでも良いんだろう。そう思うことがたくさんあった。世の中には過干渉な親もいるが、私の場合は反対のケース。放任主義だ。今の父親は義理の父親だ。本当の父親を私は見たことない。時々考えることもあるが、その父親が私を子供として扱ってくれる保証なんてどこにもない。
世間は私達の年齢に対して、悩む時期だけど若くて何でも出来て、可能性に満ち溢れていると言う。確かにそう言う人達もいる。でも私は暗い行き先が真っ暗な闇の中をさまよっている。こんな私に希望なんてあるのだろうか。希望なんて産まれたときから無かったのかもしれない。
「シャルロット、私投票と買い物行ってくるから、留守番宜しく。」
私の国では大統領選が行われている。母親は極右政党だけには入れないと口に出して言ってる。私には選挙権がないから、どうすることも出来ない。
母親がいない家ではテレビがずっと流れていた。ニュース番組が放映されていた。国内のニュースだけではなく、海外のニュースも放映されていた。私は引きこもりなので、世界がどのようになっているかどうでも良いと思っていた。「自分」と言う国があったら良いのにと日々思う。この世界には私の居場所はどこにもない。今のこの国や世界に対して心を閉ざしているようだけど、まだ私の居場所は見つかっていない。
チャンネルを変えると恋愛ドラマが流れていた。どこか少し複雑な関係を描いたドラマだった。もちろん私には彼氏はいない。
「おい、イザベル。シャルロットが1ヶ月も引きこもってるけど、大丈夫か?この前外に出なかったら一生社会に出れない大人になるんだぞ。」
「ジェラール。今そう言う時期なのよ。しばらくあのままにしておけば良い。それともあんな娘持って恥ずかしい?」
「そうとは言ってないだろ。」
「そう。」
母は私のような娘を持って内心恥ずかしいのだろう。
「とにかく今度心療内科に連れて行こう。このまま放置すればどんどん良くない方向へ行く。下手したら精神科に入院せざるをえなくなる。」
「そうしましょう。」
母は無気力に義理の父に答える。父は母より私のことを気にかけてくれるが、それでも私は部屋から出なかった。部屋を出るのはトイレに行ったり、シャワーを浴びるときだけ。
「シャルロット、部屋から出てきなさい。これからお母さんと病院行くわよ。」
「病院なんか行かない。私はどこも悪くないから。」
「もう知らないわ。勝手にしなさい。」
母はねばることもなく、すぐに私の部屋の前を立ち去った。
「シャルロット、お父さんだ。今度3人でアルザスで旅行しよう。」
「旅行なんて行かない。私はここにいる。」
「きっと行ったら楽しいよ。どうか心を閉ざさないで。」
「あなた、無駄よ。私が何言ってもあんな感じだったんだから。」
母は父を止めてそのまま二人の寝室に行った。
今の父と母が再婚したのはちょうど私が中学を入学をした時だった。3度目の再婚だった。結婚してはしばらくするとそりが合わなくなるのが何回もあった。1度目の再婚の時、その時の義父は小さかったので覚えていない。実父のように名前すら分からない。私の生きてきた世界は親に振り回される連続だった。
「私の居場所はどこなの?教えてよ。」
私は壁に話かけていてた。しばらくすると眠りについた。