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【書籍・漫画化】魔道具師リゼ、開業します~姉の代わりに魔道具を作っていたわたし、倒れたところを氷の公爵さまに保護されました~【七章進行中】  作者: くまだ乙夜
六章 女神のオルゴール編

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207 リゼ、悪ふざけをおすすめされる


◇◇◇


 その日の夜。


 クルミさんはわたしのおしゃべりに、難色を示した。


「わたくしはご主人様に雇用されておりますので、あまりそういった悪ふざけをオススメするわけには参りませんが……」


 ほらね。


 やっぱりクルミさんは良心的だ。


 やっていいことと悪いこと、ちゃんと判断してくれる。


「……わたくし個人の印象ですと、ご主人様はとてもお喜びになるかと存じます」


 なので、わたしはびっくりしたなんてもんじゃなかった。


「く、クルミさんもそう思うんですか?」

「ご主人様は無邪気な生き物がお好きなので、犬が飛びつくように、軽く、こう、ぎゅっと抱きついてみてはいかがでしょうか?」


 えぇ……


「別に、抱きつくくらいは全然いいんですけどぉ……気まずくなったりしませんかぁ……?」


 アニエスさんが唆してくることは信用しちゃいけないって、こないだ学びました。


「リゼ様。ご主人様は積極的には交流を求める方ではございませんが、仲間はずれにされるのは少し悲しいと思っておいでのようです」

「それは分かります」


 よくもの悲しげにしているのはわたしも見かけていた。


 やっぱりあれって寂しかったんだなぁ。


「特に、リゼ様がフェリルスとばかり仲よくしているときのお背中には、悲壮感が漂っていらっしゃいます」

「仲間はずれにされてると思っちゃうってことですか?」

「フェリルスにするのと同じぐらい、ご主人様にも愛情を注いでさしあげてくださいませ」


 そっかぁ、寂しくさせてるなら可哀想だなぁ。


「クルミさんがそう言うなら……」

「はい。本当はこのようなことを申し上げるのは大変な背信行為でございますので、わたくしとしても気は引けますが、あえておすすめいたします」


 クルミさんに熱心に推してもらったので、わたしはもう少し考えてみることにした。


◇◇◇

## ピエール


 でもなぁ。


 ディオール様は呆れるような気がするんだよねぇ。


 特に根拠はない。わたしがそう思うだけ。


 でも、クルミさんがそう言うなら、そうでもないのかなぁ。


 ディオール様は平気でわたしにべたべた触ってくるので、触れること自体には抵抗がないんだと思う。


 おでこにちゅーとかはパーティ会場でいっぱいされた。


 そっちがするんなら、わたしがしてもいいのかも?


 ディオール様が面倒ごとを避けたくてやっているのは知ってるので、そういう意味だったら全然わたしも気にならない。


 ディオール様はわたしのことをフェリルスさんの子分だと思っているところがあるので、そういう意味でもわたしは気にしない。


 でもねー……


 クルミさんの言うことは疑いたくないけど、アニエスさんの言うことはちょっと怪しい。


 そしたらもうひとり聞いてみるのがいいかも。


 わたしは念のため、ディオール様と一番仲良しのピエールくんに相談することにした。


 アニエスさんとクルミさんの意見、そしてわたしの意見を思いつく限り喋って、聞いてみる。


「どう思いますか? ピエールくん」


 ピエールくんはあたりを気にしながら、わたしにずずいっと近寄った。


「たいへんよいアイデアでございます、リゼ様!」


 ピエールくんは小声で力強く言い切った。


「ご主人様は顔に出しませんが、実はフェリルスのことを羨ましく思っておいででございます。リゼ様と楽しげになさっているところに、ご主人様はプライドが邪魔をして割って入れないのです」


 寂しそうなときがあるのは分かる。


 クルミさんも言ってたし、やっぱり誰が見てもあれって寂しそうなんだね。


「そこでリゼ様がすかさずフェリルスと同じように輪に入れてさしあげれば、きっと次の日にはケーキ屋を店ごとリゼ様にお買い与えになることでしょう」

「権利書とかは……管理がたいへんなのでいらないんですけど……」


 お店を経営するってとっても大変なのだ。


 わたしは自分のところで手一杯。


「ではお店の商品をすべて買い上げてくださるとしたら……?」

「そ、そんなカッコいいことができるんですか!?」


 お店の棚の端から端までケーキを買い占めてくれる……?


 そんな貴族のお遊戯みたいなことが……?


「もちろんでございます」

「分かりました! 挑戦してみます!」


 ピエールくんにも激しくおすすめしてもらったので、わたしは決行することにした。


 そういえば、最近会えてないけど、ディオール様、元気かなぁ。


 次はいつ帰ってくるんだろう。


◇◇◇


 なかなか会えないなぁ、なんて思いながらさらに数日。


 お夕飯の時間に食堂へ行ったら、ディオール様がいた。


「おひさしぶりです!」


 何日ぶり? ハーヴェイさんの腕の治療が終わったあとからずっと会えていなかったので、半月は過ぎた。


 ディオール様どうしてるのかなって思ってたところだったんだよね。


「お仕事終わったんですか?」

「多少はな」


 相変わらず一瞬で会話を終わらせられてしまう。


 それだけだとわたしは寂しいんだけど、ディオール様はどうなんだろう。


 何を考えてるのか分からない、と思うのは、きっとお話が足りないせいだ。


 今までは何だか怖いイメージがあったのと、お話を切られてしまうと続けていいのかどうか分からなくなっちゃうのとで、そこで終わってた。


 でも!


 この間ディオール様には『諦めない』って宣言しました!


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