転エリ
今日から暇を見つけて書いていきたいと思います。宜しくお願いします。
まだ始まりに過ぎませんが重ねて宜しくお願いします。
みんな平等で幸せに
そんな歯の浮くような言葉には反吐が出る。
人には明確な差があり上と下が存在する。
故に人は上に行くために踠き蹴落とし合う、そんなことが当たり前の現代。俺はそんな中で…
最上位に居た! 会社では若干28歳でプロジェクトマネージャーと部署副統括を兼任、将来は社長の椅子すら約束された俺の人生はまさに薔薇色だった。
小さな頃から天才と言われ高校大学は首席卒業、
他の連中は遊び呆けていたが俺は俺に集中し続けた。
今や俺は勝利者だ!
そのはずだった
ある日俺は会社に向かうためタクシーに乗っていた。
あんな雑踏の中をおしくらまんじゅうしてまで電車に乗るのはごめんだ、まあ俺ならそのうち会社から送迎車をあてがわれるのも時間の問題だろう。
そんなことを考えながら静かな朝を優雅に移動していたその時突然の急ブレーキに襲われた。おい!ちゃんと安全運転しろよ!と文句を言う暇もなく強烈な衝撃が訪れ俺の意識は虚空へと消えた。
…何が起きた? 考える間もなく虚ろな精神の中自分の体が冷たくなるのを感じた。嘘だろ…?俺が…死ぬ?ふざけるな!ここまで必死に積み上げたものを失う…?どれだけ冷酷と蔑まれてもつまらない男だと笑われても俺は今日まで走ってきた。そんな俺の人生がこんなところで終わっていいはずがない!こんな場所で死ぬような…男じゃ…ない………
考えることすら出来なくなった。どうやら正面から逆走した車に巻き込まれたらしい、必死に登った階段が何の前触れもなく崩れ落ちた瞬間だった。
俺は植物状態になった。いつ意識が戻るか分からないらしい。もう2度光を見る事は叶わない、このまま一生死んだように眠り続けるしかない。
これなら死んだ方がマシだ、こんな精神ごときれいに吹き飛ばしてくれた方が清々する。
人生をやり直したい、転生をしてもう1度這い上がってみせる。だから1度殺せ 死ななければ天国に行けないだろうが
そんな絵空事を書きながら俺は深淵に落ちた。
強烈な光が目に照りつけた、深淵の中、光を求めて俺は藻搔いた。光はどんどん強くなる、神は俺を見放さなかった、そう信じ光へと歩み寄る。
遂に光に手が届いた、そして俺は水を得た魚のごとく急激に意識を取り戻した。
だが目の前にあったのは病院の天井でも様子を見にきた医者でもなく
見たこともないほど青い空だった。