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殺人サイト.com  作者: Toshi
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6. 休日



つんと鼻をつまみたくなる様な臭いに目覚めたのは昼の13時頃だった。

その臭いは自分の嘔吐物によるものだと気づく。

ズキンと痛む頭を起こし、冷蔵庫にある昨日買った牛乳を飲みに行く。

一歩一歩歩く場所には茶碗の破片や自分の嘔吐物があり、歩く事すら困難な状態だ。

俺は決して几帳面な方じゃない。

むしろ会社では大雑把だ!なんてよく言われる。というのも書類などを仕上げる際につい署名を自分の名にしてしまったり(人のを代わりにしているとよくある)、間違えて渡してしまうことがあるからだ。

いずれも自分のせいなのかはいつも疑問に思う。

こんな状態を父や母に見られたら…考えるのはよそう。意味も無い。


冷蔵庫にようやくたどり着き牛乳をグッと飲み干す。

いくらか体が楽になったように感じる。

それから大きなビニール袋と掃除機と雑巾を持って掃除を始めた。

それは一心不乱に。何も考えないように。

一度し始めるとなかなか終われないもので、あらかた掃除が終わった頃はまだ夕方の4時ごろだったがそれから掃除している時に気になった場所を徹底して始める。

窓の縁に埃があればよく父に叩かれたものだ。

おっと考えるのはやめよう。



自分が納得いくまで終わった頃には時計は18時を指していた。

もう晩御飯の時間だ。

1日とはなんとあっという間なんだろう。

昔より早く感じる。

充実感と爽快感を感じながら、晩のおかずの買い物に出かけた。


そして料理をしながら、つい昨日のメールの事を思い出してしまう。

「メールアドレスは入力した記憶がないがどうして俺のアドレスがわかったんだ?」

「2日〜1ヶ月で最短で殺しが終わるのも変な話だ。やはり事前に計画していたのではないか。」


俺は昨日よりずっと冷静だった。

それは掃除という作業をしたからなのか、1日ぐっすりと眠れたからなのかはわからない。思いを巡らせればするほど疑問が次々と浮かんできて、段々と罪の意識が薄れていったからだ。


夕食を簡単に済ませた後、パリっとしたシーツに薄緑色の枕カバーをつけた枕のシワを伸ばした後バタンと横になる。グッと伸びをしてパソコンの置いてある机に座った。


パソコンは起動されたままで昨日のメールの画面だった。

俺はあえてあのURLは見ずにサイト自体のURLを探した。が、探す間も無く見つかった。と言うのも例のURLのすぐ下の方にあったからだ。

昨日はあったかなぁ?まぁ冷静では無かった為覚えてなくても仕方ない。


サイトにアクセスすると相変わらずドロドロとした雰囲気のあるホームページが画面を覆い尽くす。

俺は自分の仮説が正しいかどうかを証明したかった。

その為にはまず、このサイトを知る事だ。

まだ見ていないところがある。

利用規約だ。

俺はいつものように見ずに登録してしまったから利用規約を読んでいない。きっと何かヒントがあるはずだ。

そう思い必死に探した。


例の殺人表と殺人ボタン。これしかない。

利用規約は登録の時にしか見れないのか?

このサイトはやっぱりまともじゃあない。


仕方なく一度ページを閉じ、コーヒーを入れて、俺は頭を悩ませた。

ほとんど何もヒントを得られなかったからだ。

仕方なく俺はもう一度あのURLサイトに目を通す。見るに耐え難い写真が続く中にヒントは隠されていた。


そこにはヒロセ コウイチの家がうつっている。まずはヒロセ コウイチの家に行ってみよう。俺はコーヒーを飲み干し、シャワーを浴びるとそのまま眠りについた。

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