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「ペシ、ペシ」

 頬に柔らかい感触が。

「ペシ!」

「……おはよう、ライカ……」

 ちょっと今のは威力が強いと思うよ。


 よし、本日は七階層攻略目指すぞ! 起きてすぐに今日の目標を確認した。

 部屋から出て階段を降りていくとカウンターにおばあさんがいた。

「おはようさん、今日の午後には家を使えるようにしておくからねぇ。帰ってきたら引越しをお願いね。そうそう、家具は古いけど使えるものだから遠慮なく使っていいから」

「何から何までありがとうございます。朝から迷宮に潜るのでご飯の準備ができるかまだわかりません。五日間くらい朝、夕のご飯はこちらでお願いしてもいいですか?」

「あら、そうなの。なら、銀貨1枚をお願いねぇ」

 銀貨1枚を手渡し、お礼を言ってダンジョンへ。


「ご飯なら私がお作りしますが」

 クオンはそういうが。

「とりあえず、明日の朝に作ってもらおうかな。それをアイテムボックスに入れれば冷えないし、悪くならない。それをお昼ご飯にしよう。

 夜はダンジョン探索後だから疲れているかもだし、慣れてきてできそうだったでいいんじゃないかな」

 あとは何が必要になるんだ? 布団とかもいるよな。でも、布団はベッドの大きさを確認してからだな。

 あ、食器セットもいるか。一応野営用のはあるんだけどそれを使うのは味気ない。

 うーん、あとはタオルとか日用品か。

 よし、予想外に色々と買わないといけないことがわかった。

 お昼までになんとか七階層攻略できないかな? とりあえずチャレンジだな。


 朝練を終えて、朝ご飯を摂り、ミカちゃんや女将さんに日用品などを買える場所を聞いておく。

 さて、ダンジョン攻略といきますか。

 六階の蜘蛛を避けながら、進路にいた場合は排除し進む。

 五匹倒したところで階段を見つけた。

「リンカ、ライカ次の敵は倒しやすいかもしれない。けど調子に乗って倒しに行っちゃダメだよ。みんなから離れないでね」

 リンカとライカが頷くのを確認してからおりた。


 少し様子がおかしい、いつもならそんなに探さなくてもすぐに敵が見つかるのに動き回っているにもかかわらず見つからないのだ。

 ミオの方を見ると、首を横に振った。ミオの方でも見つからないか。

 これはいったいどうしたことかと首を傾げていると

「ま、マスター、大変です!」

 ミオが叫んだ。

「凄い数の敵が人を囲んでいるみたいです! どんどんと生命力が減っています!」

「ミオダッシュ!」

 ミオを先頭にみんなで走る!

「一人、気配がなくなりました……」

 ここまでくれば俺にもわかる。ただ、俺にはその一人の気配がまだ残って感じられる。

 全力で走り、もう少し。

「マスター、もう……」

 走る、俺には感じられるんだ!


 気配の元にたどり着いた俺たちが見たものは、黒い何かが無数に蠢く塊だった。

「ウワァァァ〜〜‼︎」

 無意識に叫び、威圧を発動していた。

「きゅー‼︎」

「ウウォン‼︎」

 二人も俺に合わせて威圧を発動してくれた。三人の威圧を怖れたのか、黒い何か、鼠が三つの塊から後ろに下がった。

 そして見える……赤黒いぐちゃくぢゃしたもの、所々白いものも見える……。そしてそれが空気中に溶けるように消えた……。

 あああああぁぁぁぁぁ……!

 自分が何をしたいのか、何を言っているのかもわからないままに俺は鼠の群れに突っ込んだ。

「ダメ! マスター!」

 みんなが何かを言っている気がする、が脳自体が受け入れを拒否しているのか意味がわからない。

 何か黒いものに思考が塗り潰されていく。

「ダメーー‼︎」

 これはリュミスの声だとどこかが認識した瞬間に凄まじい衝撃を受け、俺の身体が宙を舞った。

 どこか他人事のように見えていた光景が戻ってくる……。


 イッテ! 痛い‼︎ 殴られた脇腹と壁にぶつかった左半身が痛い!

 なんとか立ち上がって見ると泣いているリュミスが見えた。

「よがっだ、もどっでごれだマズダー!」

 泣きながら抱きつかれてよくわからず混乱してしまうが状況は?

「マスター、早く! 逃げます!」

 駆けつけたミオと泣きながらのリュミスに支えられながら走る!

 俺たちの後ろでクオン、リオ、リンカ、ライカが殿をしてくれて、追ってくる鼠を倒しながら走る。


 くそ、なんて数だ! 数百はいるぞ!

 キュアを自分にかけながら走る。徐々にスピードが増し、なんとか階段までたどり着き、振り切ることができた。

 理由は不明だがモンスターは出現する階から移動することができない。


 逃げ切れたが蜘蛛に警戒してまた角に陣取った。

 キュアを自分にかけて、え、眩し! 何? リオがめっちゃ光ってる! リオの姿が全く見えないんだけど!

 光が収まるとリオが一回り成長し、身長が120㎝ほどに伸びていた。

 これが進化か、初めて見た。

「リオ、進化おめでとう」

 みんなも俺が言ったからおめでとうと言うが俺を心配そうに見ている。

「あるじサマだいじょぶなの?」

「うん、治ってきてる」

「マスターこれを」

 ミオから手渡されたのは三枚のステータスカードだった。何も言わずアイテムボックスに収納した。


「……俺は……さっきどうなったんだ?」

 みんなに聞くとミオがおずおずと話し始めた。

「あの、三人の方の遺体を見た瞬間、叫びだして身体中から黒いモヤのようなものを出していました。そして鼠に突撃していきました、すぐにリュミスがマスターを殴ったらモヤは消えました」

 なるほど、ありがとうミオ。そして黙ったままのリュミスを見る。

 俺の視線を受けてビクッとした。

「リュミスは何か知っているの?」

「……たぶん……」

 言いにくそうだ、なら今は聞かない方がいいのかな?

 とりあえずある程度回復したのでダンジョンを出ることにした。


 ダンジョンから出て、落ち着いた場所で休む。しばらく休み、治ったところで改めてリオを見てみる。

 うん、本当に進化したみたいで成長している。髪も少し伸びてボーイッシュな感じだった容姿も、少し女性らしさが感じられるようになった。最近細かいステータスしか見てなかったから変わったのを見せてと念じる。



『ステータス』


 名前 ユー(長谷川佑衣斗)

 種族 ヒト♂ Lv6

 称号 (異世界人)


 HP 1144

 MP 723


 攻撃 102

 防御 85

 速さ 117

 知識 88

 精神 79

 器用 102

 運  31


 スキル

 中級鑑定 剣術Ⅳ 全状態異常耐性Ⅳ 忍び足Ⅱ 刀術Ⅱ 二刀流Ⅱ 格闘Ⅱ

 魔法 火Ⅱ 水Ⅱ 黒Ⅲ 風Ⅱ 闇Ⅰ


 {眷族(6/6)}

 (ミオ リュミス リオ クオン リンカ ライカ)


 名前 ミオ(水緒)

 種族 ヒト{隠密スライム(中忍)}♀ Lv15

 称号 忠臣 (癒し系 抱き枕)


 HP 2250

 MP 375


 攻撃 75

 防御 150

 速さ 225

 知識 75

 精神 75

 器用 150

 運  45

 忠誠 100


 スキル

 格闘Ⅰ


 名前 リュミス

 種族 ヒト{ダークドラゴン(小)}♀ Lv4

 称号 (龍種)


 HP 4000

 MP 4000


 攻撃 400

 防御 400

 速さ 400

 知識 400

 精神 400

 器用 400

 運  80

 忠誠 100


 名前 リオ(莉緒)

 種族 獣人 (ブラックウェアウルフ)♀ Lv1

 称号 (亜種)


 HP 660

 MP 880


 攻撃 88

 防御 44

 速さ 88

 知識 132

 精神 44

 器用 44

 運  40

 忠誠 100


 (種族スキル)

 獣化


 (ユニークスキル)

 (人化)


 スキル

 闇魔法Ⅲ 忍び足Ⅲ 拳闘Ⅲ 威圧Ⅲ 格闘Ⅱ 再生Ⅰ


 名前 クオン(紅音)

 種族 ヒト{魔族(未覚醒魔王)}♀ Lv24

 称号 {憤怒の化身(未解放)} 元奴隷


 HP 2940

 MP 1260


 攻撃 294

 防御 126

 速さ 294

 知識 126

 精神 126

 器用 294

 運  15

 忠誠 100


 名前 リンカ (燐火)

 種族 猫♀ Lv10

 称号 なし


 HP 300

 MP 400


 攻撃 20

 防御 20

 速さ 40

 知識 40

 精神 40

 器用 20

 運  19

 忠誠 90


 名前 ライカ (雷火)

 種族 猫♀ Lv10

 称号 なし


 HP 400

 MP 300


 攻撃 60

 防御 20

 速さ 40

 知識 20

 精神 20

 器用 20

 運  19

 忠誠 80


 こうすれば、スキルは増えたり成長したものだけを見れるのか。あ、魔法は最近ごちゃごちゃして見えづらいからなんとかして、って思ったからか。

 そして、リオはスキルが増えている。特に気になるのは再生。鑑定結果はこれ。



 再生


 魔力の消費で回復する


 うーん、もっと詳しく知りたいんだが……。まあ小説とかだとチートだから覚えることにしよう。

 色々とあり、感情的に納得できないこともあるがしなければならないことがあるので、立ち上がった。

 とりあえずみんなの意見を聞きつつ、日用品を買い、隠れてアイテムボックスに突っ込んだ。


 あんまり行きたくないが、引き延ばすのも遺族の方、いるかはわからないが、に悪いから行くとするかギルドへ。ステータスカードを見たときもそうだが、あの光景を思い出して気分が滅入る。

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