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日刊ランキング2位ありがとうございます。

 この部屋の角に陣取り休憩することに。壁に背を預け、リンカとライカを膝に乗せる。

 他のみんなが警戒してくれているので安心して休めた。

 休憩中に近寄ってきた蜘蛛はミオに意識を引かれた瞬間、クオンの火魔法で焼き尽くされた。俺たちが毒になったことで心境の変化があったのだろう、全く蜘蛛を怖がることがなくなった。

 俺も蜘蛛の体液を飛び散らせないようにする討伐の仕方を少し考える。まあリンカとライカは直接攻撃しか無いから参加させられないな。いや蜘蛛に張り付かせれば継続ダメージ? まあ危険だからやらせないけど。

 体液を自分が浴びないようにするには風の加護(ウインドプロビデンス)でいけるか、うーむ、あとは刀の方ならそこまで飛び散らずに済むか。

 倒すだけじゃなく、最善の倒し方が求められる敵がいるのだな、と学んだ。

 休憩を終え、右手に刀を顕現させて戦ってみた。魔力を流すときと流さないときでは、斬れ味が全く違う。なんだろう、漫画とかで見る魔剣、刀だから魔刀? いや妖刀か? まあその類いなんだろうか? そんなに魔力を消費した感覚もないから、戦闘中は常時魔力を流していても大丈夫かな。

 蜘蛛相手でも魔力を流すと全くと言っていいほど抵抗を感じさせずに断ち斬れた。

 これは良い。そういえば、ミスリルは魔力の通りが良いとかよく聞くから雷魔法を覚えたら剣に流し、雷剣(らいけん)とかできるのかな? ちょっとワクワクしてきた。

 こういうのを厨二心が疼くと言うのだろうか? そんな考えを振り払い、注意しながら進んだ。


 ある程度対応可能になったのだが、次の階層ではリンカとライカを戦わせたい、というかおそらく戦闘の中心となる。レベルを確認すると9レベル、5レベル差か、少し厳しいかもしれないと思い、一先ず戻った。

 そして入り口から再度進入、俺たちは何もせず、リンカとライカに全て任せてみる。

 もちろん何かあれば動けるようにお姉ちゃんたちが見張っている。

 その間に俺は剣道になかった動き、斬り上げと高校から習うものなので教えを受けていない突きの練習をする。

 今の俺の斬り上げはなんちゃってで技というには程遠い。突きは部活仲間の動きを見ていたのでまだ形になっている。その為、実戦でも使えているものの納得のいくものではない。

 なんで部活仲間が突きを習っていたかというとこいつらは小学校のときから道場で剣道を習っていたからだったりする。

 俺以外みんな経験者しかも小学校で全国大会出場を果たしていると知って、場違いかと思ったりもしたが、練習相手に恵まれたこともあり、段取得までいけたのだから結果的には良かったのだろう。そして、その経験がここで活きているのだから。

 ただ、あの頃にこの心眼があったらな、なんて考えてしまうのは贅沢なのはわかっているが……。まああってもフェイントばかりの剣道では練習でしか使えないだろうが。それでも練習の質が段違いになるのだから凄い効果だろう。あぁ、あいつらを一度くらい驚かせてみたかったな。


 しばらく練習しつつ、リンカたちの戦いを見る。

 今、鴉がライカを襲おうとしたのを魔力を高め、雷の威力を高め反撃した。ライカに触れようとした鴉は雷によって痺れたのか落下した。そこにリンカがトドメを刺した。

 なかなか良いコンビネーションじゃないか。


 次は、リンカが狙われたか。ライカの真似をしたのか、火の威力を高め反撃した。雷のように痺れたりはしなかったが熱さで敵が怯む。そこにライカが飛びかかり首を一噛み。

 うん、飛ぶ相手への対処はできている。どうしてもカウンターになってしまうのは今はまだ仕方がない。


 しばらく狩りを見守りつつ、たまに火にも怯まず攻撃してきた鴉によって傷付いたリンカを回復したりして過ごした。

 これなら明日は七階層で戦ってもきっと大丈夫だろう。

 一つだけ心配なことがあるとすれば群れに突っ込み過ぎることだが、それもクオンやリュミスが助けられるだろうし、そのとき注意しよう。一応戦闘前にも注意するが、子どもは一度失敗してから学ぶものだと個人的には考えている。なので突っ込んでいったときのフォローをできる準備をしておこう。


 こんなところで今日は帰ることにした。リンカとライカのレベルも9、七階層で戦闘を行えばきっと人化を覚えるだろう。その準備もしてあげないとな。

 そういうことで早めではあるが宿に帰った。

 晩ご飯も摂り、風呂にも入った、若干リンカが逃げようとした気もするが知らない。ライカ? ライカはなんだろう、悟ったような目をしていたのが印象的だった。


 あとは寝るだけとなったところで明日必要になるであろう装備を準備していく。そして、使わなくなった革のドレス二着をアイテムボックスに収納しようとした時にミオとリュミスに袖を引かれた。

「私たちの着ぐるみの一着をりんちゃん、らいちゃんにプレゼントしてもよろしいですか?」

「うん、うん」

「いいよ、どうして俺に聞いたの?」

「それは、マスターからプレゼントしていただいた品だからです」

「普通わかるよね?」

 はい、そんな気はしていたのですが、その言葉を聞きたかったので質問してしまいました。

 だってプレゼントしたものを質屋へとか聞いたことがあったからさぁ……。大切にしてくれていることを確認したくなったんだよね。

 ごめんなさい。


 ミオから熊、リュミスから白熊の着ぐるみを受け取り、リンカとライカに見せる。

「リンカ、ライカお姉ちゃんたちからプレゼントをもらったよ。お礼を言ってね、それとどっちがいい?」

 そう言ってもわからないのか首を傾げている。

 それを見て着ぐるみをアイテムボックスに収納した。やはり人化してからじゃないとわからないか。これ以外の装備もやはり本人に聞いてからの方がいいな。今日はダンジョン探索、鍛錬を早めに終えたので買いに行こうかとも考えたんだけど、やめて正解だったか。

 苦笑しているミオとリュミスに視線を向け笑いかけ、リンカとライカを抱き上げベッドへ。

「人化スキルを覚えてくれよ。今の話も人化したらわかるさ。それにみんなとお話しできるようになるんだよ」

 わかっているのか、いないのか、わからないけど真面目に話し、寝ることにした。

 リンカとライカはもぞもぞと布団に入っていき、俺の胸と腹に乗った。いや、寝にくいんですけど。そんな俺に構わず右にミオ、左にリュミス、足元にクオンとリオ。前から思ってたけど、足元は寝にくくないのかね? みんな定位置についた。

 まあ、いいけどね。みんなの温もりを感じつつ寝ることにした。

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