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この三日間は本当に疲れた。クリスマスイベントは特に。でも経験値的には美味しかったみたいだ。
そんな俺たちの成長はこちら。
『ステータス』
名前 ユー(長谷川佑衣斗)
種族 ヒト♂ Lv5
称号 (異世界人)
HP 821
MP 575
攻撃 71
防御 63
速さ 83
知識 63
精神 57
器用 74
運 26
スキル省略
{眷族(4/5)}
(ミオ リュミス リオ クオン)
名前 ミオ(水緒)
種族 ヒト{隠密スライム(中忍)}♀ Lv10
称号 忠臣 (癒し系 抱き枕)
HP 1800
MP 300
攻撃 60
防御 120
速さ 180
知識 60
精神 60
器用 120
運 39
忠誠 100
スキル省略
名前 リュミス
種族 ヒト{ダークドラゴン(小)}♀ Lv3
称号 (龍種)
HP 3000
MP 3000
攻撃 300
防御 300
速さ 300
知識 300
精神 300
器用 300
運 80
忠誠 100
スキル省略
名前 リオ(莉緒)
種族 獣人 (ブラックウルフ)♀ Lv24
称号 (亜種)
HP 510
MP 680
攻撃 68
防御 34
速さ 68
知識 102
精神 34
器用 34
運 33
忠誠 90
スキル省略
名前 クオン(紅音)
種族 ヒト{魔族(未覚醒魔王)}♀ Lv19
称号 {憤怒の化身(未開放)} 元奴隷
HP 1960
MP 840
攻撃 196
防御 84
速さ 196
知識 84
精神 84
器用 196
運 15
忠誠 100
スキル省略
こうなってくると一般人のステータスが気になる。でも人に聞けないし、駄目元でギルドで聞いてみるか。レベルアップで眷族が増やせるようになったからモンスターカードを買える場所なんかも聞いてみたいし。
でもあのギルマスに目をつけられてる気がするから少し落ち着いてからにしよう。
起きていたみんなを見てみる。もう昨日枕元に置いたプレゼントを着ているみたいだ。あのプレゼントの中身は着ぐるみしかないんだな。
なになに、熊、白熊、大熊猫、タスマニアデビル⁉︎ いや熊と違いがわからないよ! あ、腹に袋がある! なるほど。
あれ、でも袋はカンガルーみたいなのだけど、本物ってカンガルーとは違うって聞いたことがあるんだけど……まぁどう違うのか知らないからまあいいか。
喜んでいるみんなを見て癒され、また抱きついて四人とも抱き上げる。そんな風にワチャワチャしてから朝練に向かった。
慣れたものでたまに現れる鴉にも十分対応できている。
さて朝ご飯も摂り、準備も整えてやっとダンジョンをもっと降りて行こうと思う。ダンジョンには何度も突入しているのに未だ戦ったのは一階だけって意味わからないよね、俺にも意味がわからない。白刃やクリスマスイベントに邪魔されてだから仕方がないのかもしれないが不甲斐ない結果だよな。よくこんなのでみんな文句を言わないものだ。言った文句もリオが大熊猫の格好でダンジョンに潜りたいと言ったことぐらいだ。
何も考えず止めたけど、あれ地味に魔法がかかっていてサイズを合わせてくれていたよな。ということはあれ装備品なのか? 防具なのか? 帰ったら鑑定することにしよう。イベント限定装備って意外と強いこともあるからな。
そんなことを考えながらダンジョンに突入した。一階はもう慣れたものなので省略。すぐに階段を降りた。
降りてすぐに気配察知に反応があった。だが、襲ってくる様子はない。何か変な音がする……さわっさわっといった音だ。
しばらく聞いていたが突然襲い掛かってきた! 先頭にいたミオに飛びかかってきたがすれ違いざまに短剣で真っ二つにされた。どうやらイタチのような動物みたいだ。
ドロップアイテムは袋だ、中身を見ると小豆が入っていた。食料を落とすタイプの敵みたいだ。
隠れながら素早い動きと音で撹乱しながら奇襲する敵が二階層にいるなんて、気配察知がなかったらこんなに簡単に対応できなかっただろう。現に鑑定ができていない。
ただ、一階層と同じで力のあるタイプではないから少しは痛い目にあうかもしれないが死ぬことはないだろう。ここのダンジョンは冒険者を育てるには良いと思われた。流石神への反逆の為の施設ということか。
気配察知に頼りきりでいいのか考えさせられるが倒していく。あ、ドロップアイテムの袋がさっきと違う。こ、これは米だ! ということはこの敵が宿の女将に聞いた小豆イタチか!
見つけたら見敵必殺! とか調子に乗ってたけどレベルアップの為にもっと奥に行きたいんだよな。
まぁ適当に狩りますか。そういえばこのイタチたぶん元は小豆洗いかな? なんか小豆洗いの正体はイタチとか聞いたことがあったし。
レベルアップも大切だがせっかく強くなれるように設計してくれているんだから利用しようということで俺の気配察知は切った。ミオはもしものときの保険で残した。もしもってのは他の冒険者とかね。
ミオを真ん中に俺先頭、右クオン、左リュミス、後ろリオで戦う。耳が良いリュミスにイタチの誤魔化しは効かず、素早いクオンは近づかれた後でも楽に対応、リオは鼻で捉えていた。俺は気配察知を切ったら心眼が使えなくなり散々でした。心眼に頼りきりだったことが判明。まあ便利だったしな。人間と違いフェイントなどをしてこない単純な魔物ばかりではないかもしれない。弱点があるのだからそれをフォローする何かを身につけなければいけないと感じた。
ただ、やはり二階層、敵ではないので階段を見つけて降りた。
階段を降りても特に変わったことがなく、歩き出そうとしたとき
「あるじさま、てきはむれでくる。きをつけて」
珍しくリオが忠告してきた。
「何かわかったの?」
「うん、このにおいは……」
その先を言おうとしたところで気配察知が近づくものを捉えた。
「マスター、三匹来ます!」
来たか! それは薄暗いダンジョンと同じ色をした犬だった。
『鑑定』
種族 犬♂ Lv6
種族 犬♀ Lv7
種族 犬♂ Lv6
なんのひねりもなく犬だった。リオが臭いでわかったのは自分に近い存在だったからか。ミオを見ると頷いたので警戒していたリオに言う。
「リオ、チェンジ! 一人でいけるな」
「ウォーン!」
人化を解きながら一吼えして子狼となったリオは突っ込んでいった。
犬たちは最初の一吼えで格の違いを思い知ったのか怖気づいている。しかしリオがさらに近づくと自らを励ますように吠えてリオに向かった。
だがリオに躱され、首を噛まれてビクビクしながら消えた。腰が引け気味な犬に爪を突き立て、噛みつき、犬は消えていった。
……たまには狼形態の戦闘でもなんて思ったが、犬と戦わせるんじゃなかった……。戦闘ではなく、上位種によるただの虐殺だった。
子狼のまま俺の胸に飛び込んできたリオを迎える。
「リオお疲れ様」
そう言うと嬉しそうに俺の胸に頭を擦り付けてきた。あれ、俺って犬派とか猫派より爬虫類派だったんだけど心が揺れ動いてる……。
いやこれはリオだから可愛いんだな、さっきの犬は怖かったし。一頻りリオを撫でていたらみんなも撫でたかったのか俺の背後に並んでいた。とりあえず俺のすぐ後ろのミオに手渡して俺が周囲の警戒を始める。
「わぁ、ありがとうございます、マスター!」
揉みくちゃになっているリオからの救援依頼が来ている気がするが気のせいだ、うん。
警戒中に襲ってきた四匹の犬を囲まれないように注意しながら斬り倒した。
幼少期お前らに追いかけられた恐怖は忘れていない、倒させていただきます。
それから幾つかの群れを撃破したがやはりリオの言ったように全ての敵は群れていた。最低三、最高で五。
一階が飛行敵、二階が奇襲敵、三階が群れ、いやらしいラインナップだがやはり戦闘に慣れさせることが考えられている配置だと思った。




