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説明が終わるとクオンが何やら羨ましそうにみんなを見ていた。何が羨ましいのかわからなかったが何かを決めたような顔をしていた。話を聞こうとしたが
「マスター私にも抱かせて欲しいのです‼︎」
「きゅー! 私も私も‼︎」
と言う二人に阻まれてしまった。二人に子狼を手渡すと、自己紹介を始めた。
「ご主人様、あの子の名前を決めてあげませんと」
盛り上がっている二人を尻目に名前を考えることにする。
『ステータス』『隠蔽』
名前 ユー(長谷川佑衣斗)
種族 ヒト♂ Lv3
称号 (異世界人)
HP 313
MP 226
攻撃 24
防御 27
速さ 31
知識 24
精神 23
器用 27
運 21
(エクストラスキル)
(眷族化 ダンジョン作製 不老)
(ユニークスキル)
{異世界言語 異世界文字 異世界武術(剣道)}
スキル
下級鑑定 (アイテムボックス小) (隠蔽Ⅲ) 気配察知Ⅲ 危機察知Ⅱ 剣術Ⅲ 全状態異常耐性Ⅰ 水魔法Ⅰ 黒魔法Ⅰ 風魔法Ⅰ
{眷族(3/3)}
(ミオ リュミス ブラックウルフ)
奴隷
クオン
名前 ミオ(水緒)
種族 ヒト{隠密スライム(中忍)}♀ Lv2
称号 忠臣 (癒し系 抱き枕)
HP 1080
MP 180
攻撃 36
防御 72
速さ 108
知識 36
精神 36
器用 72
運 31
忠誠 100
(種族スキル)
(スライムボディ中)
(ユニークスキル)
{人化(特) 忍術}
スキル
(隠蔽Ⅷ) 気配察知Ⅵ 投擲Ⅳ 短剣Ⅳ 全状態異常耐性Ⅳ
名前 リュミス
種族 ヒト{ダークドラゴン(小)}♀ Lv1
称号 (龍種)
HP 1000
MP 1000
攻撃 100
防御 100
速さ 100
知識 100
精神 100
器用 100
運 80
忠誠 97
(種族スキル)
(ブレス弱 龍鱗中 龍爪牙中)
(ユニークスキル)
(小型化 人化)
スキル
黒魔法Ⅱ 水魔法Ⅱ 風魔法Ⅱ 威圧Ⅱ 拳闘Ⅱ 防具顕現Ⅰ
名前 なし
種族 狼 (ブラックウルフ)♀ Lv1
称号 (亜種)
HP 165
MP 220
攻撃 22
防御 11
速さ 22
知識 33
精神 11
器用 11
運 10
忠誠 50
(種族スキル)
(黒狼爪牙 黒体)
(ユニークスキル)
(シャドールーク)
スキル
闇魔法Ⅰ 忍び足Ⅰ
名前 クオン(紅音)
種族 ヒト{魔族(未覚醒魔王)}♀ Lv11
称号 {憤怒の化身(未解放)} 奴隷
HP 840
MP 360
攻撃 84
防御 36
速さ 84
知識 36
精神 36
器用 84
運 15
忠誠 65
種族スキル
魔力吸収(弱) 魔力操作(弱) 魔力解放(弱)
(エキストラスキル)
(未解放)
(ユニークスキル)
(未解放)
スキル
火魔法Ⅱ 木魔法Ⅰ 武器顕現Ⅱ 拳闘Ⅰ 家事Ⅴ
進化など気になる情報があったのでみんなのステータスも見てみたが、どれも一回り成長している。特に、ミオの忍術、リュミスのブレスと防具顕現など気になるものも多い。
ブラックウルフはメスだったので、どんな名前がいいだろうか……。俺のネーミングセンスは信頼できないので今までと同じように参考となるものを思い出していく。狼、狼男、いや女、うむうむ……。
「よし、決めた。君の名前は莉緒だ!」
ニコラとも悩んだがやはり男の名前のイメージがあるから莉緒にした。
「りーちゃんよろしくです!」
「リオ、うん、よろしくね」
「リオ様ですね、クオンと申します。よろしくお願い致します」
クオンが丁寧にリオに自己紹介しているが、端から見ると人が狼にペコペコしている不思議な光景。
「俺はユー、リオ名前は気に入った?」
と聞くと、みんなの腕から逃げて、俺に飛びついてきた。ちゃんと受け止めることに成功した。
名前を気に入ってくれたようでよかった。
「あー、マスターの元に行っちゃいました……」
「やっぱりマスターには敵わないみたいだね」
「流石です、ご主人様」
抱きついてきたリオをみんなで囲む。
「リオも頑張って人化を覚えてね」
「あのマスター、りゅーちゃんはドラゴンだったので早く覚えることが出来たのだと思いますよ」
「え、そうなの?」
「うーん、どうかな? ミオ姉の人化スキルは特殊だからなんとかなっちゃう気もするんだよね」
よくわからないが期待しよう。
「人化スキル覚えたらご馳走食べようね」
と前回と同じようなことを言って頭を撫でた。
「あの、すいません。人化スキルを覚えるとはどういうことですか?」
「ああ、ミオが持ってる人化(特)スキルは、他の眷族が人化したいと願うと劣化スキルを与えることが出来るみたいなんだ。だから、リオに人化スキルを欲しがってもらいたくてね」
「なるほど、ありがとうございました」
やはりまだクオンは硬いなぁ……、まあ時間がなんとかしてくれるかな?
さて、現実逃避していたけど、本当にどうしようか……。リオは犬で通せないことはないと思うんだけど。なんて悩んでいたら伝わってしまったのだろう、リオが悲しそうに頭を垂れた。
「違うんだよ、リオ! 街の人になんて説明したらいいか考えていただけなんだ」
と言ったら俺の腕から出て、俺の影を踏んだ。すると、リオの身体が影に沈んでいった。
え、もしかしてこれがユニークスキルのシャドールークか。ミオの気配察知にも反応しにくかったのはブラックウルフが皆これを使っていたんだな。
リオに出てきていいよと念じると出て来て誇らしげにしている。抱き上げて頭を撫でる。
さて、リオは問題なくなったな。あ、リュミスには小型化のスキルがあった。
リュミスに使ってもらうと一回り小さくなることに成功した。あとはミオだが、新しく覚えた忍術を試してもらうが、撹乱用スキルだったため、諦めて隠蔽を軽くかけて誤魔化すことにした。
リオには俺の影に隠れてもらい街に戻った。
お昼を食べていなかったので買った食料はリオの夜ご飯に回して、みんなで屋台で買って食べることにする。リオを影から出して見晴らしの良い場所に移動して食べた。
その後、またリオに隠れてもらいギルドに向かった。
いつもの受付嬢がいた。
「こんにちは 受けていた依頼での報告がある」
「こんにちは はい、なんでしょうか?」
「今日、レベルの高いブラックウルフに遭った。そいつは他のものより大きく、強かった。あとなぜか一匹で行動していて、隠れていたくせに奇襲せず、こちらの準備が整うのを待っていた節もある」
「え? 元ボスを倒されたんですか?」
「元ボス?」
「ええ、そのような行動をとったのでしたら元ボスだと思われます。気配を消すことに長けた群れを成すモンスターは、年老いてボスの座を譲るか落とされた場合、群れを離れます。そして自分を見つけられる強者との戦いの中で死のうとします。なぜそんな習性なのか分かっておりませんが多く報告されています」
なるほど、俺たちを殺す目的ではなかったから奇襲などしなかったのか。
「あ、それとブラックウルフは影の中に入ることができた。これがなかなか見つからなかった理由だと思う」
「なるほど、ありがとうございました。どちらも重要な情報です、ギルドマスターにこの話を伝えてからになりますが、追加報酬があると思われます」
「そんな重要な情報だったの?」
「はい、間違いなく。ボスが変わったことで群れの行動が変わります。ウルフを見かけるようになったのもそのためでしょう。またその特殊な行動の報告は、これからの冒険者の命を救うでしょう」
へぇ、なるほどなぁ。
「この辺でブラックウルフより強いモンスターって出る?」
「申し訳ないのですが、ここはご存知辺境で魔力も少ないです。あまり強いモンスターは出ないです。もっと強いモンスターと戦いたい場合は、北西にある迷宮都市アルヘムに向かってはどうでしょうか?
ダンジョンが有り、階層を降りる毎にモンスターが強くなりますのでご希望の強さのモンスターも出ると思われます」
迷宮都市、ダンジョンかぁ、俺もダンジョンについてのスキルを持つから見ておきたいな。
「ありがとう、機会があれば向かうよ」
「ここからなら馬車が出ています、二日も揺られれば着きますよ」
そんな会話をしてギルドを出た。
とりあえず宿屋に払った分だけこの街に滞在しレベル上げかな。それで有る程度上がっていたら迷宮都市に行くことにしよう。
心配しているだろう家族には悪いが、帰る手段が見つかるまで待ってほしい。こっちの家族も連れて行くから。だからロリコンとか絶対言わないでくれよな。
一章終わり
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