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 隣の防具屋に入る。

「そういえば、リュミスはその身体だとどんな戦い方をするの?」

 そう、そこをまず知らなければ。

「きゅ、爪に風魔法を纏わせて振るのが基本かな? ブレスも使えないし」

 無手の格闘家タイプかな?

「じゃあ防具はどんなのがいい?」

「革のドレスがいい!」

 またそんな不思議なものをとも思ったがスカートで足の動きを阻害しないし、いいのかも。

 頭には何がいいかな? と探しているとティアラと簪を見つけた。

 リュミスにティアラをミオに簪をつけた。うん、よく似合っている。やはりドレスにはティアラ、くノ一には簪だよね。

 あと革の靴を買うことにする。


 カウンターに持っていく

「いらっしゃいませ あ、今朝のお兄さん。革鎧はどうですか?」

「使い勝手はいいよ。だからもう一人の妹の装備を買いにきた」

「ありがとうございます。では、全部で銀貨七枚になります」

 うん、俺の装備より高い。

「あれ? 俺の装備より高いの?」

「はい、こちらのティアラと簪は弱いですが、魔法がかかっていて防御力を上げてくれます。なのでお高めで銀貨3枚となります」

 そうなんだ。見た目からなんで防具屋にあるの? とも思ったがそういう理由だったのか。

「なるほどね、じゃあこれで」

 銀貨7枚を手渡す。

「ちょうどですね。ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」

 見送りを受けつつ店を出る。


 うむ、どんどん金が減っていく。必要経費だが、仲間がこれからも増えると考えるとできるだけ貯めとかないといけないし。よし、クエストを受けることにしよう。

 そんなことを考えているとミオとリュミスにチラチラ見られていた。どうした? 視線を向けると、はにかみながら

「ありがとうございました、ますたーにあってますか?」

「ありがとうマスター! 私はどう似合ってる?」

 と聞かれた。もちろん

「似合ってるぞ、二人とも!」

 ミオもリュミスも気に入ってくれたようだ。嬉しく思い、二人を撫でながらギルドに向かう。


 ギルドの中に入り、昨日の受付嬢を見つけたので近寄った。

「あ、ユーさんこんにちは 昨日ギルドカードの説明だけしてギルドの説明を忘れてしまいました。申し訳ありません。お時間があれば、今から説明してもいいですか?」

 こちらに気がつき、すぐに話し出した。

「時間はありますが、先にこの娘のギルドカードをお願いします。これ身分証と銅貨5枚です」

 身分証と銅貨を手渡す。

「あら、もう一人妹さんがいらしたんですね。わかりました。ギルドカードを作成します」

 席を立ち、近くの人と話し戻ってきた。

「ギルドカードができるまでギルドの説明をしてもよろしいですか?」

「はい、お願いします」

「では、まず冒険者にはランクが存在します。E、D、C、B、B+、A、A+、Sの八種類でユーさんたちは登録したばかりなのでEランクです。クエストを複数成功して、実力があると判断された場合、ランクアップが認められます。またCランクに上がるときに試験があります。これに合格しなければCランク以上には上がれません」

 Cランクから一人前の冒険者ということかな。


「クエストですが、現在のランクの一つ上のものまでしか受けることができません。ユーさんたちはDランクのクエストまでですね。クエストは基本成功報酬、失敗の場合違約金有りです。違約金は成功報酬の三割となっていますのでクエストは、考えてお選び下さい」


「ここまでで何か質問はございますか?」

「いや、わかりやすかった。ありがとう」

「では、何かクエストを受けられますか?」

「まず討伐金の受け取りをお願い、東の林で散歩してたらウルフの群れに襲われてね」

「それは大変でしたね、東の林はあまりモンスターが出ないのですけどね、ではギルドカードをお願いします」

「はい」

 ギルドカードを手渡す。

 また例の機械っぽいのに通した。

「ウルフが八匹ですね。銅貨80枚になります、お受け取り下さい」

 ギルドカードと銅貨を受け取る。

 一匹銅貨10枚か、群れ一つ倒すと宿屋代は稼げるけど増えていかないな。やはり、クエストか。


「ありがとう、まだ時間かかるかな?」

「もう少しですね」

「なら先にドロップアイテムを売ってくるよ」

「はい、了解しました」


 ということでウルフの爪8個を売った。銅貨40枚なり。1個銅貨5枚か。

 どんどんアイテムボックスを銅貨が攻めてくる。両替とかできないかな?


 受付嬢の所に戻るとギルドカードが出来ていた。リュミスが受け取り、魔力を流して渡した。

「何か良いクエストある?」

「Eランクですと、街の雑用、薬草の採集、ゴブリンの討伐が基本です」

「薬草の採集ってこれを集めるの?」

 昼食兼非常食として集めていた薬草を渡す。

「はい、これです。薬草20本の納品でクエストクリア、成功報酬は銅貨40枚。期限は一週間です」

 ふむふむ

「薬草採集のクエストを複数受けることってできるの?」

「一つ受けて、複数回分採集された場合は、複数回成功扱いになります」

 なるほどね

「じゃあ、そのクエストを受けるよ」

「わかりました」

 何かをギルドカードに打ち込んでいる。

「で、これが薬草」

 薬草を180本取り出し、渡す。

「え? しょ、少々お待ち下さい!」

 慌てている。ちょっとイタズラ心が……。


「状態も良い薬草です。よくこんなに見つけましたね。クエスト九回成功として、銀貨3枚、銅貨60枚のお渡しです」

 礼を言い、受け取る。

「あと一つ討伐系のクエストクリアでランクDに昇格となりますが、どうしますか?」

 早くもランクアップチャンスが

「討伐系のオススメは? ゴブリン以外で」

 ゴブリンはモンスターカードを落としたとしても嬉しくないしな。


「ゴブリン以外となりますと、スライムかDランクのクエストですがウルフ討伐くらいですね」

 スライム……ミオをチラッと見る。あまり気にした様子はない。でも俺がスライムを倒せるのか。そこが問題だ。

「ウルフでお願い」

 いや、逃げた訳じゃない。スライムはミオがいるからモンスターカードも必要じゃないからなんだ。うん、そうなんだよ?

「もう倒されたことのあるモンスターなので大丈夫でしょう。では、ウルフ十匹の討伐、場所は北の草原、成功報酬は銀貨2枚、期間は二週間。よろしいですか?」

「うん、大丈夫」

 ギルドカードを返してもらい、リュミスのカードも一緒に収納した。


 ギルドを出て宿屋に戻る。

「おかえり、大丈夫だったかい?」

 おかみさんだ。

「はい、今日は散策だけだったので」

「そうなのかい。あら、小さいけど綺麗なお嬢さんが増えてるね、どうしたんだい?」

 怪しまれてはいないな。

「妹のリュミスです。例の件で先に逃がしていたんです。街には居なかったようなので、事前に話していた東の林で合流したんです」

「そうなのかい、大変だったね」

 おかみさんがリュミスを撫でる。リュミスは撫でられるままになっている。あれ、意外と人見知り?

「今日からリュミスもお世話になります」

「部屋はもっと大きな部屋に変える?」

 部屋は大丈夫だけど風呂が小さいかな。

「部屋の大きさはいいんですけど、風呂がもう少し大きな部屋ってありますか?」

「ああ、そうだね。みんなで入るだろうし、うん、四階の401に移ってもらえる? そこなら大きいお風呂もあるよ」

「じゃあその部屋でお願いします」

「はい、じゃあリュミスちゃんの料金は、銀貨3枚でいいよ」

 銀貨3枚を渡し、部屋に向かった。荷物も置いてなかったので部屋移動は楽だった。



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