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 気がつくと頭に柔らかい感触がした。目を開けるとミオと目が合う、泣きそうな表情をしていたが一転笑顔に変わった。

「ますたー! だいじょうぶですか? おからだにいじょうはありませんか?」

「うん、大丈夫だよ」

 と言って立ち上がろうとするが

「まだだめですますたー、おきたばかりなのでちゃんとやすむのです」

 と頭を抑えられた。


 そこで気がついたがどうやら膝枕されているらしい。

「俺の頭は重くないか? 疲れてたら言うんだぞ」

 と言うが

「だいじょうぶですますたー、すらいむなので」

 なんか最近なんでもスライムなので、で説明されてる気がする。

「というか、ミオこそ大丈夫なのか? 短剣で刺されていただろう⁉︎」

 思い出し少し慌てて聞く。

「はいです、ひとならあぶなかったですがすらいむなので、すこしたいりょくがへったくらいです」

 確かに人なら危ない場所を刺されていた。だが大丈夫そうでよかった。


「今回は悪かったな、ミオ。完全に足手まといになってしまった」

 項垂れながら告げる。

「こちらこそもうしわけありませんでした、ますたー。つよくなってじぶんのちからをかしんしていました。そのけっかますたーをきけんなめにあわせるなど……。あってはならないことです」

 ミオも項垂れながら謝ってきた。なので

「お互い反省点があったってことでいいかな? これでゴブリン退治も終わったことだし、次の街に行こうか!」


 次の街、村長の話では、北に徒歩で三日、馬車で一日のところにあるらしい。

 宿屋商店などもある立派な街らしいので、ミオにお礼の品を買ってあげなければ。

 ミオの柔らかい膝の感触を惜しみつつ、立ち上がり、ドロップアイテムを集めていく。肉も意外と落ちていた。

 ゴブリンリーダーの剣が気になり



『鑑定』


 鋼の剣−


 説明 手入れのされていない切れ味の鈍った剣


 街に行ったら鍛冶屋に持っていこう。銅の剣より明らかに上物だし。

 そんなこんなで、ドロップアイテムの収納が終わり洞窟の中を探索することにする。


 そういえば、戦闘中に何度もレベルアップ音を聞いた気がする。探索前に確かめてみる、そろそろお願いします。



『ステータス』


 名前 ユー(長谷川佑衣斗)

 種族 ヒト♂ Lv2

 称号 (異世界人)


 HP 163

 MP 110


 攻撃 12

 防御 14

 速さ 16

 知識 12

 精神 12

 器用 14

 運  12


 スキル省略


 {眷族(1/2)}

 (ミオ)


 遂に俺のレベルが上がった! 能力値も増えてるが嫌な予感がビシビシきてる……。うん、ミオのステータス次第だよね。


 名前 ミオ(水緒)

 種族 隠密スライム(下忍)♀ Lv11

 称号 忠臣 癒し系 抱き枕


 HP 630

 MP 105


 攻撃 21

 防御 42

 速さ 63

 知識 21

 精神 21

 器用 42

 運  20

 忠誠 100


 スキル省略


 はい、俺の能力値増えてません! なんでだよ⁉︎ レベルアップ遅すぎるくらい遅くて能力値が増えない⁉︎ どんなバグだよ……。


 てか強い、ミオが凄く強い。まだ他の人の能力値見たことないけど多分HPは飛び抜けてると思う。

 短剣で刺されても大丈夫だったし。


 諦めきれず、ミオのステータスから自分のステータスに目を向ける。じっくり見る。

 何か、何か変わってないか! お願いだから変わってて!


 下に目を向ける。

{眷族(1/2)} ……、2になってる⁉︎

 これは、これは、仲間が増やせる?

「よっしゃーーー‼︎」

 突然の咆哮にミオが驚いているが気にならない。とりあえずミオを抱き上げくるくると踊り始める。

「ミオ喜べ! 弟か妹ができるぞ! レベルアップしたら眷族が増やせるようになったぞ‼︎」

 最初は、驚きに目を瞬かせていたが、状況を理解し、一緒になって喜び始めた。

「わたし、おねえさんになれるんですね! ありがとうございます、ますたー!」


 二人でくるくると回り、喜びを表現した後、アイテムボックスからまず、魔力石を取り出し、それをポケットに入れる。次にモンスターカードを取り出し、念じていく。


『眷族化』すると、モンスターカードが消え去り、体長15cm、体高5cmくらいの小さな黒色のドラゴンが手のひらに現れた。ちっちぇーー! マジか、ドラゴンって大きくないの? ホンットにこの世界は、俺の予想を裏切っていく……。

 ってか、手のひらに乗れるって、手乗りドラゴンか! 手のひらに頭を擦り付けてくる。

 かっ可愛い!

「ますたー、わたしにも! わたしにもさわらせてほしいのです!」

 ミオもドラゴンの可愛らしさにやられていた。

「ますたー、このこは、おとうとですか? いもうとですか?」

 ぱっと見わからない。こんなときは、とりあえずステータスだ。



『ステータス』


 名前 ユー(長谷川佑衣斗)

 種族 ヒト♂ Lv2

 称号 (異世界人)


 HP 171

 MP 118


 攻撃 12

 防御 15

 速さ 17

 知識 12

 精神 12

 器用 15

 運  18


 スキル省略


 {眷族(2/2)}

 (ミオ)

 ダークドラゴン


 ダークドラゴンなのか、詳しく


 名前 なし

 種族 ダークドラゴン(幼)♀ Lv1

 称号 龍種


 HP 100

 MP 100


 攻撃 10

 防御 10

 速さ 10

 知識 10

 精神 10

 器用 10

 運  75

 忠誠 80


 種族スキル

 ブレス0 龍鱗弱 龍爪牙弱


 ユニークスキル

 小型化


 スキル

 黒魔法Ⅰ 水魔法Ⅰ 風魔法Ⅰ 威圧Ⅰ


 また忠誠高いー⁉︎ なんで最初から高いの?

 それと能力値が意外と普通。運は高いけど。

 とりあえず

「ミオ、その子は妹だ。名前はドラみだ」

「ますたー、それは……」

「きゅ、きゅ……」

 二人から悲しい気持ちが流れ込んでくる……。ドラみもダメなのか。どうなっているんだ、この世界は……。


 少し考え、ドラゴンの頭を撫でながら

「わかった、お前の名前はリュミスだ。それでどうだ?」

「りゅみす、りゅーちゃんよろしくね」

「きゅ、きゅーー!」

 今度は二人から嬉しい気持ちが流れ込んできた。よかったーー! もう俺のネーミングセンスなど信じない。

「俺はユー、こっちはミオ、これからよろしくな、リュミス」

「きゅー!」


 戯れている二人を横目にステータスを見ていく。どうやら俺の能力値は、眷族を増やしていくことで伸びるようだ。レベルアップで眷族数が増える、忠誠度10毎に眷族の能力値の1%を加算かな? たぶん正解だろう。

 ならどんどん仲間を増やしていけばチートと呼ばれるまでに強くなるだろう。


 ただ、確かにこのスキルは、序盤が鬼門過ぎる。ミオがいなければすぐに殺されていただろう。ゴブリン70匹以上倒してもモンスターカードが出ないのだから。しかもレベルアップが遠く、上がっても能力値は、変わらない。

 心が折れるわ。


 とりあえず、ミオに感謝して手を合わせておく。ミオはなに? って顔してるので、頭を撫でる。


 さて、リュミスのスキルを見ると、ブレスが種族スキルになっている。ブレス放ってみたかったな……。でも0になってるし、今は放てないようだ。

 ユニークスキルは、小型化ってさらに小さくなるの? 今でも翼があるトカゲだよ⁉︎ きっとこれは大きくなってから使うんや、きっとそうや。


 エセ関西弁になってしまったが、スキルに注目! 魔法です、遂に魔法の登場です!

 これはリュミスに教えてもらわねば。

 今はとりあえず、洞窟の探索をすることにした。


 ゴブリンが隠していたと思われる財宝? ゴミかもしれない、とお金を少し見つけた。

 ここには囚われた女性などは居なかったようで安心した。ミオたちの教育にも悪いし、俺も正気を保てる自信がないからだ。


 探索が終わり、アイテムボックスに戦利品を収納して村に帰ることにした。

誤字脱字ありましたら報告していただけると嬉しいです。

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