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ゴブリン探索で気がついたことがある。北西の方角でよく見つけるのである。北西と他の方角では3対1くらいの割合だ。
なので今日は北西に進んでみることにする。
しばらく歩くとゴブリン3体の群れを発見した。
『鑑定』
種族 ゴブリン♂ Lv2
種族 ゴブリン♂ Lv3
種族 ゴブリン♂ Lv3
レベル4はいないので、ミオに最初の奇襲でレベル2を倒してもらって、その後は、一対一で相手をすることにした。
ミオが隠蔽を使い、駆け出した。そして、首に一撃。悲鳴もなく、倒れていく。だんだん暗殺者になってない?
俺も隠蔽を使い、追いかける。ミオが2体目に接近、悲鳴も出させなかった為か敵はまだ気がついていない。
2体目にも首に一撃。こちらの方がレベルが高いため、一撃では死ななかった。
「グギャー! ギッギー! ギー‼︎」
叫び、もう1体も戦闘状態になる。
攻撃を受けて怒っているゴブリンは、ミオしか見ていない。その為、背後からミオがつけた傷口目掛け剣を振り下ろした。
ゴブリンの首を断ち斬ることに成功した。首だけとなったゴブリンは不思議そうな顔をしている。一瞬気分が悪くなった。
その隙を突く、ゴブリンの攻撃を俺は避けなかった。
ミオが左の短剣で相手の短剣を逸らし、内側に潜り込み、右の短剣で心臓を一突きした。
『ポーン♪』
レベルアップ音が響いた。どんどんレベルアップの周期が遅くなっている。そろそろゴブリンじゃ厳しいのか?
そして、俺のステータスまで出す必要あるか? と思いつつも諦めない。
『ステータス』
名前 ユー(長谷川佑衣斗)
種族 ヒト♂ Lv1
称号 (異世界人)
HP 145
MP 107
攻撃 11
防御 13
速さ 14
知識 11
精神 11
器用 13
運 11
スキル省略
{眷族(1/1)}
(ミオ)
グフッ……。でもミオのおかげで能力値は徐々に増えてきている。動きが変化したのを体感できるほどだ。
名前 ミオ(水緒)
種族 隠密スライム(下忍)♀ Lv5
称号 忠臣 癒し系 抱き枕
HP 450
MP 75
攻撃 15
防御 30
速さ 45
知識 15
精神 15
器用 30
運 14
忠誠 100
スキル省略
ミオはどんどん素早くなっていくな。本気で走られると全然追いつけない。
「ミオまた強くなったね、予定とは異なったけどさっきの敵はどうだった?」
「とくにもんだい なかったとおもいます。ますたーのおかげで かこまれることもないので けがもなくたおせます」
うん、こっちとしては、ミオのおかげで楽ができるのだが。
「そうか、じゃあこのまま進もう。3体の群れは初めてだったし、集落が近いのかもしれない」
「わかりました、ますたー」
そのまま進むとすぐに別の群れに遭遇した。どうやらこれらの群れは探索というより、守っているように感じる。本当に集落が近いのだろう。
鑑定して、最高でもレベル4だったので奇襲からの流れで倒していく。三つの群れを倒したところで皮以外のドロップアイテムが出た。何かの肉のようだ。
『鑑定』
ゴブリンの肉
説明 硬くて臭いあまり食用に適さない肉
うーん、この使えない感じが……。まああの辺境だと肉は大切だろうし、一応残しておくか。とりあえずアイテムボックスに収納した。
お昼の時間がきたので、近くの水場に移動し、ご飯と水浴び、洗濯をした。そんなことをしていて、ふとアイテムボックスがどれだけ入れられるのか気になった。ゴブリンの肉などドロップアイテムが増えるとアイテムボックス小では、すぐにいっぱいになってしまうかもしれないからだ。
スキルは、イメージが大切だと経験でわかっている。なので目録が出るようにイメージをしっかりして
『アイテムボックス』
ゴブリンの腰ミノ 25
ゴブリンの皮 24
ゴブリンの肉 1
錆びた短剣 25
銅の短剣 1
銅の剣 2
薬草 99
薬草 13
ツキの実 83
モンスターカード
魔力石(S)
鉄貨 99
銅貨 99
銀貨 50
金貨 1
残り枠数15
と出た。食べてた草と実の名前を初めて知った。とりあえず、1枠99個までで30枠あるようだ。
お金の額はわからないが、金貨があるので多めにあるのではないだろうか?
それと全く知らないアイテムがある。魔力石だ。魔力石に触れてみる。
別の表示が現れた。
魔力石(S)
魔力を貯められる石。
魔力石のなかでは小さい方だが膨大な魔力を貯められる。またこの石の持ち主は、魔力を吸われることを防ぐことができる。
どうやらモンスターカードをアイテムボックスに入れても魔力を吸われなかったのはこの石のおかげらしい。
装備してたらモンスターカードを手に取った時でも魔力を吸われなかったかもしれない。
とりあえず、アイテムボックス小の性能もわかったし、画面を閉じた。
食休めを終えて、また進んでいく。
さらにゴブリンの群れを二つ発見し、倒した。
二つ目の群れを倒したときに
『ポーン♪』
と聞こえた。うん、もうミオのだけでいいよね……。
名前 ミオ(水緒)
種族 隠密スライム(下忍)♀ Lv6
称号 忠臣 癒し系 抱き枕
HP 480
MP 80
攻撃 16
防御 32
速さ 48
知識 16
精神 16
器用 32
運 15
忠誠 100
スキル省略
やっぱりミオのだけでよかったみたいだよ……。さらに奥に進んで行き、遂にゴブリンの集落を発見した。
そこには洞窟があり、ミオが言うには40体程のゴブリンが居るようだ。1体は、他のより大きく群れのボスらしいこと、あとは弱々しい反応も多く、子供や年寄り、レベル1のゴブリンなどがほとんどではないかということだった。
「どうしますか ますたー、ぼす いがいは かんたんに はいじょ できそうですが」
少し悩んで
「今日は帰ろう、村で準備をして明日戦うことにしよう」
そう告げて、帰ることにする。
村に帰り、武器の確認をして、村長に相談した。
「投擲用の武器などは、置いてないですか?」
「申し訳ないですが、倉庫にある分がこの村にある武器の全てになります」
少し、頭を下げつつそう言われた。
「なら倉庫にある短剣を全てお借りしてもよろしいですか?」
「そんなにたくさん必要なのですか?」
訝しみながら聞いてくる。
「実はゴブリンの集落を発見しまして、ある程度倒したので、居るのは40体ほどです。それらを退治するために使おうかと」
そう言うと驚いた表情をし
「お二人で、ですか⁉︎」
「はい、可能だと思われるので明日行ってきます」
淡々と言ったら、信じてくれたのだろう。使う許可が出たのでアイテムボックスに収納し、ご飯を食べて、早く寝ることにした。
寝る前に魔力石に魔力を入れてみることにした。疲れそうになる前にやめて、アイテムボックスに戻した。どういう意味があるかわからないがダンジョンを作るのか、維持するのに必要なのはわかる。その為に貰ったアイテムだし。
魔力を使っていい具合に眠気が襲ってきた。それに身を任せて眠ることにした。