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 爽やかな風が頬を撫でる。空も青く、快晴だ。深呼吸をしてみる。うん、現代日本ではあり得ないくらいに空気が美味い。

 意識を意図的にそちらに向けているとズボンを引かれた。そちらに顔を向けると

「ますたー、どうしたのですか?」

 五歳くらいの女の子にそう聞かれる。

 水色のワンピースを着ており、水色のショートカットの髪にとてもよく似合っている。瞳も水色で水色尽くしだった。ファンタジーでしかあり得ない配色をした、美幼女だった。

 そんな子に、『マスター』なんて呼ばれて、自分の事なのに凄い犯罪臭だな、なんてまた意識が別の所に行ってしまう。


 何故だ、何故こうなった……。思っていたのと違い過ぎて、意識が遠のく感覚を得ながらこれまでの経緯を思い出していた。




 あー、またデータが消えている……。何度目かもわからない、データ消失に心を折られ、ゲームの電源を落とした。


  仕事から帰ってきて、ご飯を作って、食べて、風呂に入って、やっと心休まる時間が訪れると思った矢先の出来事である。それは、心も折れるよ……。

 俺の好きなこのゲームは、3匹の魔物を連れ歩き冒険していく、育成RPGだ。またゲームデータが消失しやすく、いつでも新鮮な気持ちで再プレイ可能なのだ。

 しかし、髭の魔王とワタの精霊を配合してダークな魔神を作る手前でのデータ消失は、痛かった。


 しばらく再プレイする気になれず、パソコンに向かった。すると、このゲームのリメイクの情報がアップされていた。データ消失が嫌ならば、リメイクを買えばいいと言う人もいるだろう。しかし、俺は、機械兵と馬の配合で獣王ができるこちらが好きなのだ。あのドットが良いのだ。


 しばらくネットを徘徊していると、変なページに入ってしまった。



        異世界転移希望者へ



 貴方が異世界転移を希望するとき、何のスキルが必要ですか?

三つお選びください。

ただし、異世界言語、異世界文字、下級鑑定、アイテムボックス小は、基本スキルとして含まれております。



【   】

【   】

【   】




 カッコをクリックすると、もの凄い数のスキルが現れた。これはめんどくさい。しかし、何故かやる気になっていた。最近よく読んでいる転生ものと呼ばれる小説のせいかもしれない。

「よっしゃ、気合い入れて探すか!」

 声に出して気合いを入れ探し出した。


 スキル

 剣、拳、棒、短剣、双剣、弓、槍……と続いていて、流し読みしていく。なかなか見つからないのでよく見ると、検索欄があった。そこで、『モンスター』『仲間』と打ち込み、検索した。


 出てきたスキルで気になったのは、モンスターテイム、眷族化、契約魔法、統率だった。スキルの詳しい内容を知りたかったのだが、見れなかったので直感に従い眷族化を選んだ。なんか眷族って響きがいいよね。


 次に、『モンスター』『住処』と打ち込んだ。出てきたスキルは、空間魔法、土魔法、水魔法、火魔法などで多分住処を作製するのに使うのだろう。もっと探すと最後にダンジョン作製があった。ちょっと心惹かれ、ダンジョン作製を選択。


 最後のスキルには、『命』と打ち込む。やはり命を大事に、だよね。流石に不老不死は見つからなかったが、不老が見つかった。これを選択。


 三つ選び終わると、最後にこれでいいですか? と聞かれたので、『はい』を選択。画面に新たな表示が。



 ありがとうございました。準備が整い次第召喚いたしますので、心残りの無いようにお願いします。




 これで終了らしい。転生ものの小説かゲームに使うアンケートだったのだろうか?

 とりあえず、妙な満足感を得、寝ることにした。

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