表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

難民と厄介事





「お前はっ!なんでそう勝手に抜け出すんだ!しかも森方面に!!」





 真っ赤な瞳と同じで顔を赤く染めている怒り沸騰のアスナさん。いやん美人さんが台無し…ごめんなさい。


 どうやら結構な時間をくっていたらしく、戻ろうとした所で迎えに来たアスナと遭遇したのだ。そしてそのままお説教コースへ。

 アスナは共和国になった時に魔術長を辞めた。トストンの魔術長に全権を譲ることにしたらしい。代わりに神官長を両国兼任で勤めている。確かに魔術長に関しては嫌々兼任してたもんねぇ。


 そして弟子、もとい魔術長の後継者候補であったイオン君はこれ幸いに嬉々として神官見習いとなった。後任予定の魔術長はトストンにいるからそっちに譲る、と建前で。

 堂々と文献を読み漁れる立場となった彼は神殿に引きこもりっきりだ。アスナの姿は今みたいによく見るけど彼は最近見てないな。今度差し入れでも持って…




「聞いているのか?!」

「はい、モチロン!」

「ほぅ?なら私が先程言った言葉を復唱してみせろ」

「差し入れを持って行こう!」

「なんの話だ!」




 あれ?なんの話だっけ?


 え、えへ?と誤魔化し笑いを浮かべたが案の定誤魔化されてくれない彼はズベシッと私の頭にチョップをお見舞いした。痛いっ!






「ここの森は国境付近であり魔物も少なからず出没する!お前はもう二国の王の上に立つ人物なんだぞ?何かあってからでは遅い。自覚を持て自覚を!」






 自覚。うーん、未だにそこら辺はピンとこない。政治面では私が口出すのは最終肯定のみ。優秀なサポーターとして働いてくれている臣下やアドバイスをくれる陛下達。まぁ最近はノロケ自慢をするために建前アドバイスをしてるっぽいけど。

 食事面では忙しいけどね。和食食べたい。結局私のランチは無くなったわけだし…あ。




「そういえば難民らしき少年と出会ったよ?」

「なに?」

「なんかお腹が減って動けなくなってたみたいで。私がランチ持ってたからあげて事なきを得たんだけど…」

「………」

「最後になんか求婚されてさ、ビックリした」




 変な子だったなぁと思い返す。そういえばガリガリではあったけど、着ていた服は上等なものだった気がする。

 顔はイケメンだったね。この世界美人多すぎだ。




「何故求婚される結果になった?」

「私の優しさに惚れ込んで…うそ、嘘です。多分食べたことない料理に感動したんじゃないかな?美味しい美味しいって言ってたし。結婚すれば毎日食べれるしね。あれ?でもあの少年私が共和国の代表だって知ってて求婚したような…」

「…断ったんだろうな?」

「ビックリして逃げたよ。なんか厄介ごとになりそうな気がしたから」

「間違いなく厄介ごとだな。あそこの森は国境が近いだけあって市民は近寄れない。更に城の裏手だ。難民が倒れている自体がおかしいんだ」




 うん。厄介ごとですねー。


 しまった…見捨てればよかったのか。でもなぁ…お腹すかせた相手がいて食料があって自分が安全圏だったらあげちゃうよね。そこまで悪人になれません。




「その少年とやら、調べる必要があるな。特徴はあるか?」

「特徴…綺麗な薄紫色の髪をしてたよ」

「………まさかとは思うが、属性は“水”ではないだろうな?」

「水?ああ、確かに青のメッシュしてたね。瞳も深い綺麗な青で…」






 はて。


 何故アスナは今にも死にそうな顔で天を仰いでいるのでしょうか。






「…ハナ。異界に帰れ」

「え。な、なんで?この前来たばっかなのに。今回は長期にしてくれって」

「いいから帰れ!もしかするとお前が会った少年というのはウェルランタの――…」

「失礼しますっ!」




 いいタイミングで部屋に飛び込んできたな。見れば急いで来たのだろう。息を乱した麗しの女騎士、ミアさんだ。

 ラスナグが私の側近になって、空いた第二騎士隊長に就任したんだよね。新調した隊長服格好いい!


 腰まで伸びたフワリとした金髪がまた赤いマントに映える。隊長だけマントを羽織ることが許されるんだよねー女性のマントって意外と似合う。美人なミアさんだからこそかもだけど。まぁ就任式の時に散々誉めたので今は言わないけど。綺麗な茶色の瞳を潤ませ若干引かれたし。


 でもそんなに急いでどうしたんだろう?いつもならノックして入室の許可を貰ってから入ってくるのに。

 緊急事態と判断したのか、アスナも咎めず「どうした」と尋ねる。




「それが…っハナ様に客人がいらしたんですが…」

「私に?」




 私と顔見知りなんて数えるほどしかいない。しかも国内に限ってなのでミアさんも客人、とは括らないだろう。じゃあ代表にってことかな?






「…ウェルランタ国の国王陛下が、ハナ様に求婚の返事を頂きに来たと…」

「………は?」






 きゅうこん…キュウコンって、球根ではなく求婚だよね…?




「や、いやいや…そんな、確かウェルランタ国ってナビューラとトストンの真上、もといカレー共和国の真上にある大陸いちの大国でしょ?共和国の挨拶でも代理人しか来なくて、会ったこともないのに何で求婚の返事なんて」

「ウェルランタの王は見事な紫の髪を持つ少年王と言われている。恐らく…お前が先程難民と言った少年が国王だったのだろう」




 え。そんな、えぇ?



 嘘でしょう?!






短いですが場が変わるのでここまでにします。

早速お気に入り登録ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ