日常、崩壊。
こんにちは。初投稿です。何もかも初心者ですが、暖かい目で見てくれればなーと。
「エルシャ様!いつまで寝ているんですか!!いい加減起きないとぶっ殺しますよ!!!」
「いま起きるよぉ」
私はベットから飛び起き身支度を整える。
まったくシーラのやつ主人に向かって「ぶっ殺す」はどうなのよ、まぁ、いつものことだからいいけどね、私って寛容だわぁ。
食卓のために一階に降りようとすると階段の下でシーラとアンドレが待ってくれていた。二人とも私に昔から仕えてくれている側使だ。歳も近い。
「お前、エルシャ様に向かってなんて口聞いてんだ!いい加減言葉遣い直せよ!」
「はぁ?エルシャ様が起きないのが悪いんじゃん、別に私悪くないしー」
どうやら私のことで揉めてしまっているらしい。
しょうがないじゃん朝苦手なんだもん
階段を下りて二人のへ駆け寄る。
「ねー、ごめんねシーラ、そんなに怒らないでー」
「わっ、やっと起きたんですねエルシャ様。まったくもーいつになったら早寝早起きできるようになるんですか、しっかりしてください」
シーラが頬を膨らませながら言う。
「いえいえ、エルシャ様は悪くありません。そんなことより問題はこのシーラです。いつになっても言葉遣いを直さない。何とか言ってやってください!」
アンドレがシーラのことを呆れたような目で見ながら言う。
「そうねぇ、でも今回は私が悪いし……今度なんでもシーラのいうこと聞いてあげるから、ねっ」
「なんでもしていいんですか!」
「そうよ、なんでも」
「よっしゃー!見たかアンドレ、私の方がエルシャ様に気に入られているぞ」
シーラが勝ち誇ったように拳を突き上げる。一方、アンドレはシーラをたしなめるように言う。
「わかった、わかった、それでいいから早く食堂に行くぞ、朝から騒がしいんだお前は」
「あ?」
シーラがドスのきいた声で反論する。
昔からいつもこんな感じだった。シーラとアンドレが小競り合いをして私がそれを見守る構図。絵に描いたように仲が良いってわけじゃないけど私を含めて三人ともなんだかんだ言ってお互いを信用している。そんな関係が心地いい。
窓から街並みを眺めているとバルトサール先生に「なに、ぼーっとしているんですかエルシャ様。私の授業そんなに面白くないですか?」と言われた。ほのかに怒りの匂いがしたのは気のせいだろう。
「もちろんですよ、先生」
「じゃあ、大陸が完全統一されたのは共和国暦の何年ですか?」
先生は教卓をしきりにたたいている。
しまった、わからない。確か、生没年不詳の英雄がどこからともなく現れてあっという間に大陸を統一してしまいましたみたいな感じだった気がする。何年かはわからなけど。
「んんー、ごめんなさいわからないです……」
「はぁ……、ここら辺で復習したほうがよさそうですね」
そう言って先生はこの大陸の歴史を話し始めた。
「いいですか、まず共和国暦0年、この大陸北方に共和国が誕生します。ちなみにこれより前の時代の話は伝わっていません。おそらくすべて破棄されてしまったのでしょう。共和国暦170年、魔法が発見されます。発見した者の名前は伝わっていませんが各地にその伝承は残されてるらしいですよ。共和国暦298年、魔法を使える者と使えない者で共和国は分断されます。ここからは戦乱の時代、ここの時代は時間がかかりすぎるのでまた今度にしましょう。飛んで時代は共和国暦1193年ある一人の英雄が現れます。『シトゥフ・ペオラ』正確には彼が何をしたのかはよくわかっていません。一つわかることがあるとするならばそれは、長い間統一されていなかった大陸を完全に統一してことでしょう。それから小さな争いごとはありながらも平穏な時代が訪れて今があるのです」
一呼吸おいて先生は「ほんとにざっくりですけどね」といった。
私の父が治めているこのルパウ領も共和国の一部で、属国という扱いになる。とにかく今の共和国は強くて安定しているのだ。
「んーー」
長い座学で凝り固まった体をほぐすために伸びをする。
よっしっ、外の空気を吸ってこよう。今のうちに外出しておかないと。私は夜の外出は許可されていない。理由は単純で「いい貴族の娘が外に夜に一人でいたら危なくて仕方ありません」とお母様に禁止されているからだ。この領に悪い人なんかいないのにね。この前外出した時は、花屋のおばちゃんがただでヒソプの株をくれた。派手ではないけれどとっても良い色だ。
屋敷を出て、町の広場へと向かう。広場は中央に噴水があって、周りで子供が遊んでいる。だんだん日も落ちてきて、傾いた日差しが噴水のしぶきに反射して宝石みたい。きれい。
「あ、エルシャ様何されているんですか!」
背後から聞き覚えのある声。振り返るとシーラがそこには立っていた。沈みかけている太陽と重なってまぶしい。
「そっちこそ何してるのよ、あと、屋敷の外で様を付けて呼ぶのはやめて。せっかくの自由時間なんだから。」
そう言うとシーラは、「あ、そっか」と小声で言い、「エルシャー、ナニシテルノー」となれなさそうに言い直した。
「別にね、ただ、ちょっと外の空気を吸おうと町を散歩しに来ただけ」
「ソーナンダー、ジャアワタシトイッショニイコー」
まったく、今朝すごい威勢で「ぶっ殺す」とか言ってた子とは思えない。
まぁ、そこがいいんだけど。
シーラは昔からこんな子。自分の流れを作って、その上に人を乗せるのが得意。だからシーラの周りにはいつも人がいた。でも、こうやって流れを乱してあげるといつものシーラの勢いがなくなる。そんなところがかわいい。
シーラとともに街の中央市に来た。ここには、交易で仕入れた品々だったりこの領の特産品だったりがたくさん売っている。多分、この街で一番にぎわっていて、栄えている。そういえばヒソプの株をくれたおばちゃんの花屋もここらへんだった気がする。行ってみようかな。
シーラに聞いてみると「行くに決まってんだろ、エルシャと一緒だったらどこにでも行ってやるわ!」と言われた。どうやら流れを取り戻してきたらしい。
大通りをそれ小道を抜けて花屋の前にたどり着くと一つまた聞き覚えのある声に話しかけられた。
「あれ、エルシャ様、シーラ。こんなところで何してるんですか」
「はぁ?アンドレこそなんでこんなところにいるんだよ。せっかくエルシャと二人っきりだったのに。」
「ちょっ、シーラそれは言い過ぎ。でも、確かになんでアンドレがこんなとこに?」
「え?、いや、ただ花買おうとしただけなんですけど……」
「えー、なんでよ、珍しい」
「別にいいじゃないですか、僕、好きなんですよ花。心が癒される。ていうか、もうそろそろ日が落ちる時間ですよ。」
アンドレが店頭に出されている花々を鑑賞しながら言う。
なぜか、耳が赤みを帯びていた。
へー、アンドレが花を好きなんて知らなかった。幼いころからの長い付き合いなのにまだ知らないことがあったとはね。
「じゃあ、アンドレが花買うまで待ってあげるから。みんなで帰ロぅ」
次の瞬間だった。
ものすごい轟音とともに「何か」があちこちに降り注いだ。
着弾の衝撃で体が宙に浮く。
「ぐはッ!」
地面に叩きつけられた衝撃で息ができない。意識を保てない。頭が焼けるように生暖かい。怪我をしたのかも……。
みんなは……、アンドレたちは……。
かすんだ視界には赤色に染まった花びらが散らばっている。
だめ……いしき、たもてない……。
ここまで見てくれてありがとうございます。来年大学受験なので更新は不定期になるかもです。(なるべく毎日できるように努めますが……。)
あと、遅筆です。




