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老人と車  作者: 湖灯
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老人と車(Elderly people and cars)

 個人的な話なのですが4月5日土曜、私は会社で行けなかった健康診断のため、街の総合病院にある検診センターに行っていました。

 健康診断を終えて、家路へと向かう途中の道は大変な渋滞です。

 この道は、私が子供の時から渋滞するので有名な道。

 探せばおそらく迂回路もありそうな気もするのですが、知らない道を通るのは苦手ですし、その辺りは住宅地域なので知らない車が近道をするために入ってくるのは迷惑を掛けるだけだと思いますし、私は元々運転が下手なので冒険はしないでおとなしくナカナカ前に進まない渋滞の中で止まっていました。

 そのときドンと言う音がして、私の乗っている車が少し揺れました。


 何かが爆発した衝撃波なのかと思い、周囲をキョロキョロと見渡すと、バックミラーに異常なほど近くに居る黒色の車が見えました。

 “コレって、もしかして、ぶつけられたの??”

 でも後ろの車の運転手さんは、何事も無かったようにジッと前を向いているだけ。

 ぶつかったのなら普通は慌てるはず。

 違うのかな……とは思いながらも、気になります。

 車から降りて確かめたいけれど、前の車が動いたときに車から降りていたら変な目で見られそう。

 でも、まだ前の車は動いていない。

 どうしようかと迷いましたが、まだ向こうに見える信号も赤のままでしたので、思い切って車から降りて確かめて見ることにしました。

 “超恥ずかし”


 しかし車から降りてみると、後ろの車はピッタリと私の車にくっついていました。

 “あー、もう最悪!”


 とりあえず事故なので警察に連絡、110番でいいのかなと思いつつ、他の番号を知らないので電話してみました。

「事件ですか? 事故ですか?」

 通話は直ぐに繋がり、オペレーターの人が言いました。

「事故です」と、私が伝えると、場所を聞かれました。

 えーっと、この道ってなんていう道なの?

 国道ではないけど県道?市道?

 あまり出歩かないので地理的なものもチンプンカンプンで分からないので、とりあえず私が行った病院の近くであることや、見える範囲にあるスーパーマーケットやコンビニエンスストアの名前を教えました。


 通話を終えて後ろの車を見ると、運転席にいるお爺さんはジッと前を向いたまま私のことなんて気にする素振りもなく車はくっついたまま。

「すみません、車、当たっているのですが……」

 運転席の閉められたガラス窓に向かって呼びかけたのですが、応答する様子もなく目も合わせてくれない。


 怒られるかもしれないけれど、窓ガラスをコンコンと叩いて、もう一度同じことを繰り返して言った。

 すると窓が少し空き、お爺さんは私に言いました。

「当たってないから早く前に進んでくれ」と。

 “えっ、嘘⁉ 私の錯覚??”

 私が接触している部分を見に行くと、やはり当たっていて、それから何故か次第に隙間が空く。

 お爺さんは車を後ろに下げているのだ。

 “逃げちゃうのかな?”と、私は心配して携帯のカメラで隙間から見えたナンバーの写真を撮影していると、お爺さんは再び車を前進させて再びグシャっと音がして元の位置に戻る。

 2度もぶつけるなんて……なんだか頭がクラクラする。

 絶望的な気持ちになり、私は道路にしゃがみ込んでしまった。


 しばらくしてパトカーが到着して、道路から向こうにある駐車場に移動するように言われて車を駐車場に入れた。

 お爺さんの車も素直について来た。

 2人別々に離れて事情聴取みたいな事が始まる。

「当たってないよ」と、お爺さんの声。

「当てたから相手の傷が付いているんでしょう!」と、警察の人が言うとお爺さんが更に言った。

「ワシの車には衝突安全装置が付いているのだから、当たる前にブレーキが掛かるから当たらないはず」だと。

「安全装置が付いていても、アクセルを踏めば当たるでしょう? それに実際にあなた当てているじゃないですか」と警察の人。


 結局お爺さんは当てたことを認め、私に謝ってくれました。

 お爺さんは、思うほど悪い人ではなく、ただ衝突安全装置が付いているから絶対に当たらないと思っていたそうでした。

 衝突安全装置が付いていても追突する。

 私の車にも付いているけれど、それを試したことはない。


 車には色々と人をアシストする機能が付いている。

 センターラインからはみ出したときに鳴る警告音。

 信号待ちで前の車が発進した事を知らせるアラーム。

 急カーブが近い事を知らせるアナウンス。

 ヘッドライトのオート機能。

 高速道路で前の車との車間を適切に維持したまま追従する機能。

 ボタンを押すだけでサイドブレーキが掛かる機能。

 ゆくゆくは自動運転も出来るようになる。


 便利な機能盛り沢山なのは良いのですが、果たしてそれで安全だと言えるのでしょうか?


 私の車にぶつかったお爺さんの車についていた衝突安全装置のように、正常に動かなかった時どうなるのでしょう?

 車検時にOBD(車載式故障診断装置)診断が義務化されましたが、それで安全が確保されたと言えるのでしょうか?


 余談かも知れませんが、私この安全(自動)機能のせいで大変間違った行動をしたことがあります。

 それは夜間のヘッドランプのオート機能の不具合です。

 これは前走車や対向車が居なければ視界を確保するためにハイビームになり、対向車などが来ると自動でロービームに切り替え、昼間の走行中にもこのモードに入れておけばトンネルに入ったときに自動でライトが付きトンネルから出ると自動で消える優れものです。

 その夜もライトはオートモードにして走っていましたが、遠くから対向車が来て居るのにいつもは切り替わるタイミングなのにハイビームのままでしたので慌てた私は操作を誤ってライト自体を消してしまいました(;^_^A


 何歳になっても安全に乗れる車は理想かも知れませんが、おそらく今の車は何歳になっても一応運転が出来る車なのだと思います。

 そのことにより高齢者ドライバーによる、逆走とかアクセルとブレーキの踏み間違い事故、ATのドライブ入れ忘れて空ぶかしになった後に慌ててATをドライブに入れたために起こる急発進からの暴走事故。


 私は運転免許を取る際に、オートマ限定ではなくマニュアル車用の教習を受けて免許を取りました。

 マニュアル車を載った時に思った事ですが、コレは歳を取った(認知機能が低下した)人が乗りこなすのが難しい車だなと思いました。

 バックギアに入れるためには、ただレバーをシフトするだけではなく縦方向にレバーを押し込んでから横に移動させると言う工夫が必要です。

 これだと先ずATでよく聞くギアの選択ミスで駐車場から店舗へ突っ込むというミスはしそうにありません。

 

 走行中のブレーキとアクセルの踏み間違いにしても、マニュアル車ではアクセル自体もギアの切り替え時には一旦足の力を放して切り替えが終わった時に適正な速度になるまで再度踏み込むと言う動作と並行して、ギアの切り替え時にはクラッチペダルの操作も行わなければなりませんので、踏みっぱなしに近いATに比べると足で行う操作は非常に多いので踏み間違え自体が起こりにくいのではないかと思います。

 またコレはATのドライブを間違えて急発進にも言えることなのですが、マニュアル車のギアは速度に合わせて変えて行かないといけない仕組みなので、一定のギアのままだと出せる走行速度が限られているため、ある一定の速度までは加速しても後はただエンジン音が喧しいだけの車となり、AT車のように最高速に達するまで加速はしてくれません。

 また速度が低下する場合も、適正なギアにシフトして行かないと直ぐにエンジンが止まってしまいます。


 だからマニュアル車の方が安全か?と言えば、そうではないでしょう。

 おそらく高齢者にマニュアル車を運転させることで、操作ミスで田んぼに落ちたり道路で立ち往生したりして大変なことにもなりかねません。

 ただし、その時点がその人が運転を止める判断基準とはなるのだろうとは思います。


 では高齢者はどうするのか?

 答えは早めに運転を諦めて、公共交通機関を使うことです。

 そんなことを言っても、その公共交通機関自体が無いじゃないか!

 なんて怒られそうですが、例えば75歳で全ての人が運転免許を失うとしたらどうでしょう?

 2023年に75歳以上の方は2000万人を超えました。

 2023年の日本の人口は1億2435万人ですので、75歳以上の人の人口比率は16%にもなります。

 車は新車で1台200万円ほど、それに保険や車検費用も掛かりますし、もちろん燃料費もかさみます。

 75歳から10年間車に乗るとすれば例え50万円の中古車を買ったとしても、10年間で掛かる費用は初期投資の本体価格+税金(10回)+車検費用(4回)+タイヤ交換費用(最低2回)+バッテリー交換費用(最低3回)+保険費用(年払い10回)+燃料費用+洗車費用+修理費用=で軽く100万円を超してしまう事でしょう。

 仮に120万円かかるとすれば、10年間で毎月10万円の交通費を使うことになります。

 安全機能盛り沢山の車を買えば、2倍以上の毎月20万円以上となります。


 そう考えると75歳で全ての人が自動車の運転を止めることで、今は殆ど本数も少なくなったバスも復帰しそうですよね。

 それにバスが復帰してしてくれれば、学生や小さなお子さんを抱えるお母さんも楽になりますよね。


 最後に裏技にはなりますが、75歳と言えば持ち家の人も既にローンの返済は終わっていると思います。

 借家やローンの終わった持ち家で、自動車のない老人二人暮らし。

 しかも年金は国保のみの場合なら、生活保護に切り替えることも出来ますから断然お得です!

 別に来てほしくもない外人にバンバン生活保護費を取られて行くのなら、今まで頑張って働いてくれた御老人にバンバン使って欲しいと思います。

 生活保護費が財政を圧迫するようになれば、生活保護費を目当てに日本に来て、保護費を自国に送金しながら闇バイトをしている外国人の入国に関して行政も少しは考えてくれるでしょう。


 今回は老人と車について、私の勝手な見解を述べさせてもらいました。

 最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございますm(_ _”m)


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― 新着の感想 ―
高齢者の運転+機能の過信は最悪コンボですね…ご愁傷さまでした。 うちの母は高齢者にひかれて逃げられかけた(目撃したほかの方が引き留めてくれた)ことがあるので、高齢者の運転リスクはけっこう問題として大…
 作品ご参加、有り難うございますーーう‼️ヾ(≧∀≦*)ノ〃  老人と車、良く聞くブレーキとアクセルの踏み間違い事故が直ぐに頭に浮かびました。  75歳で免許を返還は確かに良いアイディアかなあとも思う…
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