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第21話 旧友

 ベルリンの官庁が集中するヴィルヘルム街も、夜となれば静けさに包まれる。

 ヴィルヘルム街の心臓部、総統官邸のひと気はまばらだった。天井の高い廊下をアルベルト・シュペーアは肩で風を切って歩く。

 帝国首都建設総監という彼の肩書は、欧州改造の実務を任されたことで権限が肥大化していた。優秀なテクノクラートを見出して、放任主義で仕事をさせるというのが今の総統の流儀だ。それゆえに、鉄道車両の製造台数からアウトバーンの延長幅に至るまで、大方の懸案がシュペーアの裁量で決まっていた。かつては世界首都ゲルマニア計画でベルリンが彼の箱庭だったが、今や欧州全体が手入れの対象となっている。帝国でも五本の指に入る実力者。

 そのはずなのだが。

 シュペーアは上司の厄介な要望に頭を悩まされていた。

「まぁそのぉ……シュペーア君、そこを何とかならんかッ」

 アドルフ・ヒトラーは熊が徘徊するように部屋中を歩き回っていた。シュペーアが入室してから、すでに執務室を5周はしている。

「ご意向に沿う余裕はありません」

 シュペーアは負けじと反論した。二人の視線が空中でぶつかる。

「大袈裟だよそりゃ」

「いえ、これは事実です」

「たった2両を使えるようにしてくれ、と言っているだけじゃないか」

「そのグスタフとドーラが問題なのです」

 総統の悪い癖が戻ってきたな、とシュペーアは呆れて果てていた。ここ3年は兵器になんか興味を示さなかったのに。列車と聞くと、目の色が変わるのはどうにかならんのか。

 2人が言い争っている懸案は、陸軍装備局で眠っている80cm列車砲の1号機「グスタフ」と2号機「ドーラ」の処遇についてだった。2両はフランスが築いたマジノ線を正面から粉砕する用途で設計されたが、完成前にパリが陥落したことで行き場を失った。

 事情を複雑にしたのが、ヒトラー肝煎りの高速鉄道の存在だった。欧州改造の余波で新造車両の大半が民需に優先的に充てられたため、80cm列車砲専用の牽引車両や砲弾輸送車両は未完成となり、試射すら行えていない。

 グスタフとドーラは列車砲としては世界最大の口径サイズだが、1千トンを超える巨体ゆえに、運用に尋常ではない労力を要した。まず、移動に当たっては、部品ごとに解体して、射撃地点で組み立て直す必要があった。期間にすれば解体に2週間、組み立てに2週間がかかる。規格外のサイズの砲弾を使うため、砲身寿命も著しく短かった。

 さらに、1両運用するためには2千人を充てなければいけなかった。2千人の中には防空や周辺警備の人員は含まれていない。新しい省庁の一つや二つは作れるだけの人員を、一兵器に張り付ける無駄っぷりは、軍需生産の効率化も任されているシュペーアにとって我慢ならぬことだった。

「解体して銅像にでも鋳造し直した方が国費の節約につながります」

 シュペーアは攻撃的とすら言える口調で詰め寄った。

「あんまり俺をいじめるなよ」

 ヒトラーはバツが悪そうな顔をしてみせた。

「高速鉄道の敷設を始める際に、陸軍の予算を引っ張ってきただろう。あの時、ブラウヒッチュに約束してしまってネ……」

 そんな話は、シュペーアにとって初耳だった。自然と声色も鋭さを増す。

「グスタフとドーラを残すと密約していたのですか」

「政治は結果だ。欧州改造実現のためには、けもの道を伝っていくことも必要だろ」

 なるほどね、とシュペーアは合点がいった。陸軍総司令官のブラウヒッチュは砲兵出身だ。列車砲も砲兵科が運用する。ブラウヒッチュの野郎、砲兵閥に良い顔をしたいんだな。80cm列車砲2両でざっと4千人の人手が必要だ。軍縮が進む中にあって、砲兵科としてそれだけの定員を維持できれば、砲兵出身者からの評価は上がるだろう。

 理解が及ぶにつれて、苛立たしさが高まってきた。総統と陸軍が政治的駆け引きに用いるにしては、金のかかり過ぎるオモチャだ。皮肉の一つも言ってやりたくなる。

「あんなもの役に立ちますか」

 ヒトラーはあっけらかんとした態度で言う。

「いいかッ、シュペーア君! あんまり青臭いことばっかり言っていちゃあ政治はできんッ。結婚記念日を迎えたら、カカアに花束ぐらい買ってやるだろ。安い小遣いの中からひねり出すのは確かに苦しい。だが、花束一つで家庭円満になるなら安いものだ」

 国家経営を家庭に喩える発想ぶりに、シュペーアは白目をむきそうになった。

「花束を買ってやらなければどうなりますか」

「寝ている間にカカアにアソコをちょん切られちまうゾ」

 シュペーアは苦笑した。総統はすでに玉を一個失っていますものね、とはさすがに口に出さなかった。ふと我に返ってみると、いくら巨砲とはいえ、ドイツ帝国の指導者とその側近が一兵器について押し問答していること自体が滑稽に思われてしまった。

「苦労をかけるが一つ頼むよ」

「マトモに運用できるようにするためにはカネがかかりますよ」

「構わない。シャハト爺さんが文句を言って来たらこっちに回せ」

 そういって、ヒトラーはトレンチコートを手に取った。二人は並んで官邸のエントランスへと向かう。

「こんな夜更けにどちらへ」

「ちょっと、ニースまでな」

 シュペーアは驚いた。

「条約機構の会合はてっきり欠席されるのかと」

「本当はそのつもりだったんだが」

 ヒトラーは車に乗り込む直前、シュペーアの方を振り返った。

「昔馴染みと会わねばならんくなってネ」



 

 車列の明かりが消えるまでシュペーアは見送った。

 急に股間の辺りがむずがゆくなった。たまにはマルガレーテ(おくさん)に花束でも買って帰ってやるか、と考えていたところで、柱の人影に気付いた。

「会話に入りそびれましたよ」

 ぬるりと姿を現した男は、金髪の持ち主だった。シュペーアが会釈すると、ラインハルト・ハイドリヒ親衛隊大将は肩をすくめた。二人はともに30代だ。年は1歳差に過ぎないが、仕事内容も立場も果てしなく遠い。

「ニースに行かれる前に英国情勢の報告をあげておきたかったのですが」

「それでしたら面会時間をお譲りしましたのに」

「いえ、いいのです。どうも、このごろ総統の機嫌を損ねてしまったようでしてね」

「それはまた」

 何とも。シュペーアは口を閉じた。慰める言葉はいくらでも浮かんだが、ハイドリヒの本心が分からない中でべらべら喋るほど不用心でもなかった。第一、この男が素直に人に弱みを見せるとは到底思えない。

 困惑と警戒心がにじみ出るシュペーアに向かって、ハイドリヒは淡々と言う。

「漂白された帝国では、私どもの居場所はないようです」

 夜風がひゅうと二人の肌を撫でた。「私ども」の中には、ここにはいない彼の部下たちが含まれているのだろう。ハイドリヒは、ただ一人で言葉を重ねる。

「ニュルンベルク法、編集人法、民族保護の大統領令……ここ数年で廃止や見直された法令はあまたです。全くもって、息をしづらい国になってきました。盛り場に行ってみれば、国家元帥や宣伝相を滑稽に演じる芸人が飽きるほどいます。今では、彼らをしょっ引くことすら令状が必要だ」

「合衆国との融和のためでしょう。かの国で特定民族が幅を利かせている以上、やむを得ない措置です」

 ハイドリヒはくすくすと笑った。

「統制も抑圧もない第三帝国なんて、第三帝国たりえますか」

「国も老いれば色々と変わるものです。あの総統のもとでは、あらゆる物事が加速して進みます」

 シュペーアはかすかに思いやりを込めて言う。

「貴方も順応した方が生きやすいですよ」

 そうでしょうね、とハイドリヒは頷いてみせた。だが、その眼はシュペーアを通り越して空に向いている。

 シュペーアは自己嫌悪に襲われた。あまりにも空虚な言葉を吐いてしまったことを自覚していた。

 そうだよ、ライニ。君の懸念は当たっている。総統が推し進めているあらゆる分野での統制緩和は、不可逆なものだ。かつて第三帝国がベルリン・オリンピックの前後、外国に良い顔をしようと、一時的に弾圧対象に配慮してみせたのとは全く状況が異なる。

 なにより、今の総統閣下は性根が明るい人間を好む。それは会話の技巧にとどまらず、これまでの人生の歩み方自体を評価軸としている。一度身内と認識した人間には、徹底して配慮してみせるが、そうでなければ記憶のどこにもとどめない。シュペーアは、あの総統がハイドリヒたちを、いつまでも近くに置いておくとは到底思えなかった。

 思考の途中でポンポンと破裂音がした。思わず身構える。帝都ベルリンで滅多に聞かない類の音だった。わずかに遅れて北西の夜空に光の大輪が咲く。

 そういえば、今秋はミュンヘン発祥の民族祭りを模したイベントを郊外で開いているんだったか。チロルの民族衣装ディアンドルを身にまとった若い娘たちが給仕し、ビールを飲み交わす陽気な祭り。総統が先日、バイエルンを視察した際、外国人観光客の呼び込みにうってつけだと騒ぎ出し、ベルリンで開催させたものだった。本家よりもだいぶ商業主義的になり過ぎている気がしないでもなかったが、ずいぶんと活況のようで、ツーリズム政策を統括するゲッベルスも上機嫌だった。

 始終、微動だにしなかったハイドリヒに対して、シュペーアは声をかける。

「どうです。一杯やりますか」

 憐憫に駆られたというわけではない。目の前の男が、突撃隊幹部らの返り血を数えきれないほど浴びてきたことを知っている。だが、この国の政治に携わった身として、自分の手が潔白と主張することはできなかった。せめて、この場で人間らしい態度をとってみせなければ、死ぬまで罪悪感で苛まれそうだった。

 そんなシュペーアの弱さを見抜くように、ハイドリヒは拒絶した。寒さのせいか、その顔は死人のように青白い。

「いえ、結構。それより、花屋がそろそろ閉まるのでは」

  シュペーアは、やっぱりいけ好かない奴だな、との思いを強くした。


 ◆ ◇ ◆


 窓からは地中海のエメラルドグリーンの海が見えた。

 穏やかな波が岸壁に打ち付ける音が絶え間なく響く。陽気な海鳥の鳴き声も聞こえる。

 切り立った崖の上にある、ニース郊外のさびれた別荘。建物の周囲には私服を装った総統警護隊員が立ち並ぶ。腰元に黒光りする金属物がなければ、団体でバカンスに来たかと見まごうばかりの光景だった。

 眺望の良い一室で、角栄は老人と向き合っていた。前夜に総統官邸を発ち、明け方にニースの飛行場に着く強行軍をしたため、さすがに疲労の色が浮かぶ。顔面神経の麻痺もいつもよりひどくなっていた。だが、そうまでしてでも、老人には会う必要があった。

「突然の押しかけ、お詫びします。なにとぞ国情を鑑みてご寛容願いたい」

 口火を切ったのは、老人の方だった。言葉とは裏腹に、謝罪の意思などないかのような口ぶりで話す。国情、ねぇ。皮肉っぽいところまで大磯の爺様そっくりだ、と角栄は苦笑した。

 目の前の老人は、お決まりの三つ揃いに蝶ネクタイは変わらないが、人々の記憶にあった姿よりはずいぶんと贅肉が落ちていた。頬もこけている。それでも気丈に振舞ってみせる姿に、角栄は感服していた。己の寿命を縮めてでも、国家の看板を背負って、切った張ったをやる。それでこそ、政治家の本懐だ。学ぶことがまだまだある。

「3年ぶりですか。再びお会いできる日が来るとは思いませんでした」

 角栄は、ウィンストン・チャーチル前首相の目を見据えてこう告げた。

 二人の再会は、マッターホルンでの会談以来だった。ダンケルクでの大敗を機に、首相の座から引きずり降ろされたチャーチルは、そのまま歴史の舞台から歩み去る予定だった。政界引退後は、回顧録の執筆に向けてロンドン郊外のチャートウェルの別荘で穏やかな日々を送っていた。

 だが、英国での革命騒ぎを機に、回顧録を1年ずつ出版してノーベル平和賞を獲るという目論見がご破算となった。職にあぶれたチャーチルを、元部下で旧友のアンソニー・イーデンは見逃さなかった。ロイド・ジョージ内閣で外相を務めているイーデンは、国際社会で抜群の知名度を誇るチャーチルこそがドイツへの使者として最適任であると政府内で力説した。条約機構の設立会合が開かれているニースに、チャーチルがお忍びで駆け付けたのはそういう事情があった。

「国王陛下、ならび、首相からの親書を預かってきております」

 チャーチルは二通を差し出した。角栄は恭しく受け取り、素早く中身を流し読みした。どちらも、だいたい、予想通りの内容だった。

「英国も条約機構への参加を希望されると」

「いかにも」

 チャーチルはうなずいた。

 加盟自体は問題ではない。本題は、英国が加盟して何を欲するかだった。角栄は、親書の一節をトントンと指で叩きながら尋ねる。

「ここにある義勇軍の派兵要請というのは穏やかではありませんナ」

 なぜです、と不思議そうな顔をチャーチルは浮かべた。

「貴国は相応の責任を取るべきでしょう」

「ドイツがいつ、大英帝国にそんな負債を負いましたか」

 チャーチルはすぐに回答しなかった。葉巻を深々と吸い込み、紫煙をゆったりと吐き出す。

「欧州文明を守りぬくという責務です。共産主義者がブリテン島を席捲すれば、次はスターリンがどこに攻めかかるのか。説明は不要でしょう」

「貴国は目下、共産主義の防波堤の役割を果たしていると仰いたいのですか」

 チャーチルは我が意得たりとうなずいた。態度こそ鷹揚だが、その視線は射貫くように鋭い。諜報部の報告によれば、と続ける。

「英本土に上陸したロシア人は10万を超え、ハリコフ工場製の頑丈なタンクすらも持ち込んでいるのです。再建途上の我が陸軍では、敗北の時を引き延ばすのが限界です」

「どれぐらい持ちこたえられますか」

「1週間以内に首都は陥落するでしょう。ポーツマスに政府機能を移転して抗戦する手筈ですが、あまり長くは持ちません」

 チャーチルは古代に滅びた帝国を講義するような態度で語る。祖国が滅びつつある現実を忘れたいかのようだった。

「ロンドンは歴史を失いました」

 地中海を眺めながら、チャーチルは続ける。

「市街は瓦礫の山です。ロンドン塔も、ビッグベンも、トラファルガー広場も、原形をとどめているものはありません。お国の偵察機を出していただければ、ウェストミンスターに赤旗が翻っているのを確認できるでしょう」

「お気持ちはよくわかりました」

 角栄は慎重に言葉を選びながら言った。

「しかし、仮に我々が介入した場合、さらに戦禍が広がる可能性もあるのでは」

 すかさずチャーチルは首を振る。

「ご懸念は当たらないでしょう」

「なぜです」

「スターリンの仕掛けてきたゲームのルールでは、ブリテン島で起きていることはあくまで内戦です。こちらもそのルールに則ってやります。我々は叛徒鎮圧の名目で、貴国らに出動を要請するに過ぎません」

 角栄は私も一本よろしいか、と尋ねると、チャーチルはもちろんですとキューバ産葉巻を差し出した。太巻きの葉巻を角栄は口端でくわえる。

「ゲームの参加にはどれぐらいの元手が必要ですか」

 角栄の問いかけに、チャーチルはVサインを突き出した。

「陸軍将兵10万。ソヴィエト海軍を叩きのめせるだけの海軍。この二つです」

 再び沈黙。二人は紫煙を同タイミングでもうもうと吹き出した。お話は理解できました、と角栄は引き取る。

「明日は条約機構会合の最終日です。新たに加盟申請があったと、事務局に急いで伝えなければなりませんな。ぜひ、そこで貴殿のスピーチの時間を設けましょう」

 チャーチルはふぅと長いため息をついた。言質を取った達成感から、緊張の糸が切れた様子だった。

「ご高配に感謝します」

「ところで」

 角栄はチャーチルの顔色を窺う。

「義勇軍の人選はこちらに任せていただけますでしょうね」

 何をか言わんや。勿論ですとも。だが、チャーチルは特定の人名が挙がった直後、一瞬顔色を曇らせ、そして、平静を装った。「彼の有能さはよく承知しておりますとも」と歓迎してみせたが、そのこめかみは引くついていた。

【あとがき】

列車砲について本を買ったりして勉強してみたのですが、80cm列車砲に至ってはどうすれば活躍できるのだろうと頭を捻ってしまうほど、デメリットが目立ちます。仮想戦記において活躍させてしまえば、作品が根底から荒唐無稽になりかねないほどです。ただ、それでも、いろいろな作品にたびたび登場するだけの浪漫味はあります。

種本として、ロジャー・フォード著の「第二次世界大戦 ドイツ軍の秘密兵器 1939-45」を買いました。防衛研究所の研究者の方が邦訳に携わっていて、へぇと唸る記述が沢山あります。まだ、読み進めている最中ですが……。

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列車砲の正しい使用方法は「移動する要塞砲」です。 仮にノルマンディー上陸戦が奇襲性ゼロで連合軍の航空偵察から完璧に秘匿された列車砲があったらどうなるでしょうか? 作戦初日の侵攻距離が目標10~16キロ…
一次対戦の欧州だったら列車砲使えたかもしれないけど、二次大戦は結構機動戦電撃戦とかスピードが必要だから不便な列車砲はなおのこと使われないだろうね
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