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無造作に挟まれたメモ 不思議なお兄お姉さん

注意※本編とは全く関係のないものです。そして、とても短く纏められています。もうホラーでもありません。……私の作品がホラーじゃないと言われればそれまでですが。

胸糞悪い言動や、人、行動が多くあります。人によっては気分が悪くなりますので、「そんな作品見たくねぇよケッ‼」と言う人は飛ばしても大丈夫です。

 小学校の屋上の風は気持ち良い。ここに来るのは駄目だけど、もうどうでも良い。


「……ふぅ……」


 上履きを脱ぎ、綺麗に揃える。そのまま柵の上に立った。


「……皆死んでしまえ」


 私は、その上から飛び降りた。


 気持ち良い浮遊感。その感覚はすぐに終わってしまった。まるで誰かが私を持ち上げるような感覚があった。私は浮いていた。良く見る漫画の魔法のように思えた。柵の上を見ると、一人のお姉さん? いや、お兄さんかもしれない。その人が立っていた。


「そのまま持ち上げてくれ」


 やっぱりお兄さんかもしれない。いや、もう分からないからお兄お姉さんにしよう。


 お兄お姉さんの声に従うように、私の体は持ち上げられた。そのまま屋上に降ろされた。


「初めまして。一体どうしたのかな?」


 お兄お姉さんは呆然としている私にそう聞いた。


「……答えられる? 無理はしなくて良いからね」

「……分かりますよね?」

「……死のうとした。私はその理由を聞きたいんだ」

「……どうせ分からないですよ」

「私と君は全くの別人だ。君のことを知らないのも当たり前だよ。だから言葉と言うものがある」


 変な人だ。まずこんな時間に小学校に来る時点で変質者だ。


「……お父さんが……」

「……成程。お父さんが君の服を無理矢理脱がして最低なことをすると」


 まだ何も言っていない。なのにこのお兄お姉さんは私の言いたいことをすぐに言えてしまった。


「……君は、その人をどうしたい?」

「……全員死ねば良い。お父さんも、それに従うお母さんも、それを見て見ぬふりするお婆ちゃんも、それを相談しても何もしない先生も、それを誂うクラスメイトも、何もしない交番の人も。みんなみんな死ねば良い」


 お兄お姉さんは一瞬だけ顔を歪ませたが、まるで悪魔のような顔で私に笑顔を見せた。


「分かった。私が君の復讐の依頼を達成してみよう。君は、いつも通り帰って。いつも通りだよ? 約束出来る?」

「……出来る」

「……君のような小学生が、悪魔に依頼するなんて中々ないんだ。このことは……」

「誰にも言わない」

「君は賢いね」


 そして、お兄お姉さんは柵から飛び降りた。下を見ると、お兄お姉さんは何処にもいなかった――。


「――失礼します」

「はーい……。……どうしました?」

「六年二組の担任教師でしょうか」

「はい私ですが……」

「……いじめの相談なのはありましたか?」

「あぁ。そんな嘘を言う子はいましたね」

「……詳しく聞いても良いですか?」

「ある女子なんですけどね。皆がいじめなんてしていないって言っているのに、彼女はいじめられていると何度も言っているんですよ。私も見たことは無いですし。それにあの私の生徒達がそんなことするはずありませんし。妄想癖も大概に……」

「その子は他に何か言っていましたか?」

「……その子の関係者ですか?」

「不審な死体がありまして、もしかしたらと思って探しているんですよ」

「……成程。そうですね……あぁ、父親からの性暴力なんて嘘まで言ってましたね。百年前ならまだ分かりますが、今の時代にそんな父親がいるわけ無いですよ」

「――良く分かった。俺はお前が嫌いだ」


 先生の腹部に衝撃が走った。何か強力なものに殴られたように。


 何度も何度もその衝撃が走り、やがて口から血を吐き出し始めた。


「大丈夫ですか? 突然血を吐いて倒れて」


 先生は無理矢理立たされたように起き上がった。


 今度は頭に衝撃が走った。一撃で先生は気を失ったが、それでも衝撃は走り続けた。


 頭蓋骨は粉砕され、肋は折られていた。


「やりすぎだ。それ以上は死んでしまう。……あぁ。どれだけ嫌いでもだ――」


 ――いつも通りの通学路。セミが五月蝿い。ランドセルの重みがないのは少しだけ不思議な気分になる。


 何故か赤い液体が道を染めている。何故かは分からない。何かが変だ。変な匂いがする。


「だっ……!! だずけで……っ!!」


 そんな声が後ろから聞こえた。振り向くと、私のクラスメイトの男子だ。この近くに住んでいないはずなのに。


 こちらに伸ばしている手には無数の針が突き刺さっていた。


 そして、顔は何かに何度もぶつかったように歪んでいた。


 口から舌が垂れており、その舌は顎と繋げるように針が何本も突き刺さっていた。


 すると、骨が折れる音が聞こえた。そのままその男子はその場で倒れた。


 普通の人なら悲鳴でも出すんだと思う。けど、私のクラスメイトが汚く無様に惨たらしく猟奇的に倒れたことに、私は心から喜んでいた。


 私は前に歩いた。次に現れたのは私のクラスメイトの女子だ。


 その女子は倒れており、その顔は何かに焼かれたようにぐちゃぐちゃになっていた。


 手と足に地面を貫くように針が突き刺さっていた。まるで貼り付けにされている。


 私は大声でその女子を嘲笑った。


「ざまぁみろバァーカ!!」


 私はその女子の胴体を蹴り飛ばした。


 女子は泣きながら何度もごめんなさいと大きな声で煩く喚いている。


「良かったね! 私と同じだよ! ほら、大きな声で煩く喚いてごめんなさいでしょ?」


 愉悦と言うのだろうか。私が逆らえなかった女子が今や何も出来ずにその場に貼り付けにされている。


 そんな女子を私は痛めつけている。汚い女子を、無惨な女子を、惨たらしい女子を、猟奇的な犯人の被害者の女子を、痛めつけている。


 私はウッキウキで前を歩いた。スキップでもしたい気分だ。


 いつも通る交番、そこのおまわりさんも倒れていた。


 足が変な方向に曲がっている。関節も増えている。


 大体五個くらい関節が増えている。ずぅーと煩く喚いている。


 もう動けないおまわりさん。もう悪い人を捕まえられないおまわりさん。


 けど、対して変わらない。お父さんを捕まえなかったんだから。動ける人が捕まえなかったのが、動けないから捕まえられないになっただけ。


 私は鼻歌交じりで前を歩いた。世界はこんなに美しかったんだね。


 夕焼けは赤い。血みたいに紅い。この世界は血みたいに朱い。とっても素敵。


「ただいまー!」

「おかえり」


 私の家の中にお兄お姉さんがいた。血まみれだ。とぉっても綺麗。


「お母さんはもう死んでたんだね。だからお婆ちゃんとお父さんをやっておいたよ」

「けど皆死んでないですよ?」

「私は殺すことは出来ないんだ。ごめんね」

「良いんですよ。だってあんなに情けなく助けを求める汚い声が聞けたんですから」


 お兄お姉さんは私の手を引き、お婆ちゃんの部屋まで私を連れてきた。


 お婆ちゃんは両方の目に針が刺さっていた。


 血が涙のように溢れていて、悲痛な叫びが嗚咽と共に聞こえる。


 煩い。私が嫌いな人はみんな煩い。


「見て見ぬふりするお婆ちゃんには最高の復讐だよね」

「うん! ありがとう!」

「次はお父さんだね」


 お父さんは廊下で汚く喚いていた。


 下半身の部分から血が流れていた。


「これでお父さんはもう二度と君をあんな目に合わせられなくなった。もう足も動かせないよ」

「……お父さん」


 その声にお父さんは私の顔を見た。


「しっ! 知り合いか!? はっ……早く警察に……!!」

「……何で?」

「お父さんがいなくなったらお前はどうやって生きるんだ!! 一人ぼっちで過ごすことになるぞ!!」

「……この人はね。悪魔なの。きっと私の願いが地獄に届いたの。お父さんが酷い目に合いますようにって祈ったの。そうしたらこの人が来たの」

「はっ――!?」

「分かるでしょ? お父さんは凄いから。通報するわけないし、ずっとそのまま苦しんでたら良いよ」

「だ……誰がお前を育てたと思ってる!! 誰がお前を小学校に通わせたと思っている!! 俺はもっと遊びたかったんだ!! なのにあの女が勝手にてめぇを産んじまって!! ふざけるんじゃねぇぞ!!」

「で? 他に言いたいことは?」


 お兄お姉さんはお父さんの顔を蹴り飛ばした。そのままお父さんの少ない髪の毛を掴み、何度も床に顔を叩きつけた。


「それがあの子を不幸にする理由にはならないだろ。良いか、子供は親の所有物じゃない。何故そんな簡単なことも分からないクソ野郎がこの世界には溢れてるんだ。全員厚生施設にでもぶち込めればどれだけ楽か」

「ご、ごべんなじゃい……!! ゆっ……ゆるじで……!!」


 そのかすれた声にお兄お姉さんは手を止めた。


「何か勘違いしてないか? 俺はお前が嫌いだが恨みはない。許す許さないを決めるのは俺じゃない。お前の可愛い娘だ」


 お兄お姉さんは私の顔を見た。


「たっ……たずげでぐれぶよな……?」

「……お兄お姉さん。もう喋れないようにしてあげて」

「てめ――!!」


 お兄お姉さんはお父さんの舌を引っ張り出した。


 お兄お姉さんの手から炎が燃えた。その炎はお父さんの舌をジューシーに焼いた。


 酷く汚く煩い断末魔が響いた。私はその声を聞いて、とても嬉しくなった。


 口角があがっている。我慢できずに笑い声を吹き出した。


 初めて出すくらい、大きな大きな笑い声。お父さんの断末魔より私の笑い声のほうが大きいかもしれない。


 お兄お姉さんは私の手を引き、外に出た。


「これからどうする?」

「……どうしよう」

「……知り合いに子供を保護する人がいる。その人に連絡してみる」

「ありがとうお兄お姉さん」

「……そのお兄お姉さんって何?」

「お兄さんだけどお姉さんみたいだから」

「……私はお兄さんだよ」


 私を救ってくれたのは心が優しくてみんなから愛される聖人じゃなかった。人を傷つけることを何とも思わない悪魔だった。


 私も同類だ。きっとお兄お姉さんが私に教えてくれたのだろう。


 嫌いな人は、ただただ煩いバカばっかりって。

最後まで読んで頂き、有り難う御座います。


ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。


少し息抜きに、趣味全開の胸糞悪いものを作ってみました。何度も言いますが、本編とは全く関係ありません。世界が同じだけです。あの子が助かって良かったですね。

……お兄お姉さんは一体誰なんでしょうねアハハ。

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