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血生臭いメモ 僕は、生きをせずに息をする

注意※本編とは全く関係のないものです。そして、とても短く纏められています。もうホラーでもありません。……私の作品がホラーじゃないと言われればそれまでですが。


胸糞悪い言動や、人、行動が多くあります。人によっては気分が悪くなりますので、「そんな作品見たくねぇよケッ‼」と言う人は飛ばしても大丈夫です。

 誰かが言った。人は生きているだけで偉いと。呼吸をしていて偉いと。


 僕には、何が偉いのか分からない。


 これが何らかの病名が付くのか、それとも僕の性格なのか。もうそれを考えることも怖い。


 何もかもが怖い。僕は自室のベットにくるまりながら、そんなことばかり考えていた。


 そんな自分が嫌になる。こんな自分が嫌になる。ただ生きているだけの僕に、それは必要なのだろうか。


 今日も僕は心臓を動かし、呼吸をして、食事をして、眠って、自慰行為をして次の日を迎える。


 僕はこの広く静かな家で、そんなことばかり考えていた。


 辛いと思うのは何時も夜。誰かに話そうにも、僕はその人の前で自分を偽る。


 精神病棟は常時満席。心の何とかかんとかダイヤルも、夜だと出来ない。


 ただ、今は少しだけ元気が出ている。何時もより笑顔が出しやすい。僕は小さなショッピングモールで、買い物かごにロープと小さな木材と釘を入れてそんなことばかり考えていた。


 トンカチは家にある。お父さんの日曜大工の道具。もう誰にも使われない道具。


 脚立は家にある。お母さんの木の剪定の道具。もう誰にも使われない道具。


 僕は天井に木材を打ち付け、そこに縄をかけた。丸い隙間が出来るように結び、僕はそこに首を通した。


 後は脚立から落ちれば良い。今の僕なら簡単に出来る。今の僕なら笑顔で出来る。


 目を瞑った。次に開けると、脚立の前に誰かが立っていた。


 女性のような容姿をしているその人は、悪魔のような笑みを浮かべていた。


「初めまして。それとも邪魔をした?」

「……泥棒? それなら冷蔵庫を漁って。通帳がある。ああ、番号? ちょっと待ってね。今思い出すから。印鑑は僕の部屋の机に置いてあるから勝手に持って行って」

「何か勘違いをしている」

「……じゃあ何。死神?」

「いいえ、悪魔」


 変な女性だ。あの世からのお迎えだろうか。


 ……そう言えば、聞いたことがある。自分で命を断つのも、自分を殺したと言う罪になると。だから悪魔でも来たのだろうか。


「死にたいの?」

「そう。だから何?」

「……いいえ、死ぬのも死なないのも個人の自由。貴方が決断し、行動を起こしたことにケチを付けるつもりは無い。ただ、最後に私と話そう?」

「……分かった」

「一番気になってるのは何で死にたいのか、かな」

「……別に。生きる理由が無かっただけ」


 死にたいわけじゃ無い。ただ、この世界で生きることが、僕には出来なかった。


 この歪な社会と言うものは、僕にとっての歪だっただけ。


 他の人にとっては楽園のように感じるのかも知れないが、僕にとっては地獄だっただけ。


 つまる所、僕はただの社会不適合者だったと言う簡単な話なのだ。この世界では生きる意味が無かった。


 シンプルで、簡単で、単純で、単細胞で、容易で、幼稚な理由。


「生きる理由が無かった……ねえ……」


 女性は深くうなずきながら僕を見詰めた。そこに憐れみは無く、嘆きも無く、同情も無く、ただただ悪魔のような怖ろしい笑みを浮かべるだけ。この人は、本当に僕が死ぬことに何も思っていない。その笑顔から感じ取れた感想だった。


「まず一言。神様はそんな小難しいことを与えて貴方のこの世に産み落とした訳じゃ無い」

「そんなわけ無い。隣の家の子は頭が良い。特に数学方面。あの子は数学者になるために生まれてきた。その隣の子は運動神経が良い。特に体力。あの子は陸上選手で活躍するために生まれてきた」

「隣の子が陸上選手になりたかったら? その隣の子が数学者になりたかったら? ……歴史に名を残した偉人達と言うのは、確かに子供の時にも立派な功績を持っていることが多い。けれど、その人達は才能の一言で自分を語らないでほしいと願っている」


 この女性は脚立に足を置いた。


「神様が個々に意味を持たせたのなら、寿命なんて物は作らない。死なんて不可逆的な物は作らない」

「……じゃあ何ですか……! 意味も無いってことですか!? あいつも、あいつも!! あいつもあいつもあいつもあいつもあいつもあいつも!! 全員意味なんて無いってことですか!!」


 僕は大きく声を出していた。久々に出たお腹からの声。喉が痛むし頭がくらくらする。


 女性は、大きくため息をついた。それは僕を馬鹿にしているようでもあり、嘲笑っているようでもある。


「貴方、やっぱり勘違いをしている。生物は、()()()()()から生物なの。生きる理由なんて何でも小難しく考えて理由を作ろうとする人間が勝手に生み出した偶像に過ぎない」


 女性は脚立を徐々に上がった。


「生きることとは何か。それは食べること。そして寝ること。ようは生命維持のための行動。性行為は生きるために絶対必要な行為では無いから省くわ。けどこれは最低限生きると言う行為。これ以上の物を求めるのは、生物としての性」


 女性は僕が首を入れた縄を掴んだ。女性の手から炎が溢れ、その縄は焦げ落ちた。未だに火が付いている縄に少量の水がかけられ、鎮火された。


「例えば、美味しい物をもっと食べたい。良い布団でゆっくり眠りたい。これは最低限の生命活動から発展した欲望。娯楽、ゲームでもスポーツでも文学作品でも映像作品でも何でも良い。これは更に生きると言う行為を、豊かにする物。ここでようやく性行為が入る」

「……けど、僕は……もう楽しいことも分からなくて……」

「なら、それを邪魔する物を壊せば良い」

「……もう、生きていたくなくて……」

「呼吸を辞めれば良い」

「……息を吸いたい、何かを食べたい……けど……生きていたくない」

「なら、簡単ね」


 そうして、女性は僕に重い金属の塊を手渡した。


 それは、銃だった。だが、何故だろう。怖くない。


「今の貴方は死んだ。次の日に起きるのは、今の貴方じゃ無い。貴方と同じ記憶、容姿をした別の何か。貴方は、次の日には、生きていない」


 そして、その女性は黒い霧に包まれて消えた――。


 ――久し振りの学校。もう行かないと思っていたのに。


 席替えをしているのか、僕の席が見付からない。やがてチャイムが鳴り、僕はただ立っていた。


「どうした。早く座れ。それとも久し振りに来て座り方も忘れたか」


 先生がそう言った。それと当時に教室内から汚い笑いが溢れた。


「……はあー……。良いか、お前が、学校に、来ないからこうなってるんだ。全く」


 昨日の僕は昨日死んだ。今の僕は別の何か。今呼吸をしているのは、誰。


 誰かが僕と肩を組んだ。顔が分からない。全員同じに見える。不細工で、汚くて、煩い。


「良いかい不登校君。君の席は残念ながら旅に出たそうだ」

「……誰が、何処に置いたの」

「……俺達が、邪魔だったから」


 震える声だった。僕は震えていた。


 こいつらが邪魔だ。こいつらを壊せば良い。


 嫌だ。


 壊せ。


 嫌だ。


 出来ない。


 ……僕には、出来ない……。


 結局こうだ。僕は、結局。不適合者だった。


 ……違う。そんな物、最初から無かった。あの人が教えてくれた。


 出来る。


 やめろ。


 出来る。


 やめろ。


 出来る。


 やめろ。


 やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ。


 やれ――。


 ――気分が晴れている。とても良い気分だ。


 僕は風に吹かれながら、笑っていた。微笑んでいた。


 そして僕は、引き金を引いた――。


『――次のニュースです』


 個人営業のラーメン屋の角の隅に高く置かれたテレビからそんな音声が流れた。


『横橋高等学校の二年一組の生徒、及び教員が、同じく二年一組の生徒によって射殺されました。その生徒はその後、こめかみに銃先を当て自……』

「怖い事件もあるものね」


 ラーメンを音を立てて啜っている黒恵がそう呟いた。隣には昴が座っており、同じくラーメンを啜っていた。


「そうだな。余程恨みがあると見た」

「それは同級生を殺してるし、ついでに先生も」

「……麺が不味くなる。人死の話はやめてくれ」

「分かったわよ」


 黒恵は昴が食べているラーメンの丼からチャーシューを抜き取ろうと箸を伸ばした。昴はその手を叩いた。


「良いじゃない少しくらい」

「自分で頼め」

「大将! チャーシューもう一枚!」


 黒恵の大きく元気な声が店内に響いた。

最後まで読んで頂き、有り難う御座います。


ここからは個人的な話になるので、「こんな駄作を書く奴の話なんて聞きたくねぇよケッ!」と言う人は無視して下さい。


趣味全開パート2。せめて最後に愉快な物を。

……あの女性が誰かって? ……誰なんでしょうねアハハ。


いいねや評価をお願いします……自己評価がバク上がりするので……何卒……何卒……

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