5話 子供の才能は親の起爆剤
「お姉ちゃんばっかりズルイ!ボクも測定器をつかいたい!」
弟をほったらかしにして、盛り上がっていたら、すねてしまった。
「フロール、お前にはまだ、魔力の測定は必要ない、測定は5才になってからだ」
「むう~」
「そもそも、4才ではまだ、体に魔力の属性が定着していない、今測ってもないも結果はでないぞ」
父様がなだめているが、弟は納得していないようだ。
だが、弟はゲームにおいて、1年飛び級した天才だった、なら一般的な子より1年早く属性が現れも不思議じゃないと思った。
「父様いいではないですか、測定することは、そう手間がかかる訳ではないんだし、今結果が出なくても来年の結果に影響するわけでもないは」
「ううむ、まあ、それもそうか。
では測ってみろ、ただし結果が出なくても落ち込むなよ」
「ハイ!」
フロールは上機嫌で測定器を受け取った、すると、測定器の中心から光が伸びていく、実現した色は4色、つまり基本属性のみ、しかし、緑の光つまり風の光は測定器を飛び出し光の帯をつくっていた。
「‥‥‥」
「‥‥‥」
(うん、知ってた)
二人続けての属性値4オーバーの出現で、家族の皆は本日二度目のフリーズを起こしている。
期待していたとはいえ、4才で属性が現れるとは、流石ゲームでの天才児。
確かゲームでのフロールは、風の属性値が5だったはず、素のステータスは少々低かったが、高い命中率と回避率、更にクリティカルを連発する技も覚え厄介な敵に力を発揮するタイプだった。
更に、フィールド上では、魔物の出現率の操作や、罠の解除など、レンジャー的な活躍した。
ゲーム熟練者ほど頼りにしたキャラだ、かく言う私も、ゲームでは大変お世話になったキャラだった。
「お、おお、高い属性値持ちが二人も‥‥。
こっ、こうしちゃおれん、騎士団長!!」
フリーズから立ち直った父様は、慌て配下の騎士団長を探しにいき。
「まあまあ、良さそうな本はあったかしら」
母様は静かに、それでいて素早く、魔法関連の本をあつめていた。
この時から、たかが伯爵家から生まれたとは思われない才能を持った姉弟は、すっかり親馬鹿&教育熱心になった両親から、学園入学まで鍛えられることになった。