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11話 実技試験

 新入生全員の魔力測定が終わり、次は魔法の実技試験だ。この試験は、希望者だけが受けるもので、その希望者も殆どが貴族か、裕福な商家の出身者だ。


 一般的な平民の子供は、魔力が有っても訓練をする伝手や、知識がなく学園に入ってから初めて魔法の訓練をするため、そもそも入学した段階では殆ど魔法が使えないからだ、まあそういった平民のために魔法学園あるのだが。


 この技能試験は、あくまで現時点の魔法の技量を見るためのもので、どんなに下手でも入学を拒否されることはない、あくまでクラス分けのための試験だ(身分も判断材料にされるが)良い成績を出せればより上のクラスに振り分けられるし、悪ければ下のクラスになる。貴族、特により上位の爵位の子女はより高い魔法の腕を求められるので、貴族の子供も良い結果を残そうと必死だ。


 閑話休題


 技能試験を受ける会場は、周囲を石壁に囲まれたグラウンドのような場所だ、会場の中程には等間隔でボロボロの鎧を被せてある木の杭が刺さっている。


「技能試験の希望者の新入生は、これからあの鎧に向かって今使える最高の魔法を放って貰う、あの鎧は破棄予定の物だが耐魔法の加工をしている物だ。壊すつもりで魔法を使って構わない。魔法の威力、制度でクラス分けの判断材料にする」


「回復、防御の魔法が得意な子は此方です」


 会場の端に生徒を集めて教員が試験について説明する。どうやら攻撃魔法とその他の魔法で試験を分けるようだ、聖女(予定)のサウスを始め幾人かが移動する。


「では、名前が呼ばれた者から始めるように」


 試験は測定の時と同じように王子様から始まった。

流石王族の一員だけ有って高威力の派手な火魔法を放っていた。優秀な血統と英才教育の賜物か、教員も感心するほどの魔法だったようだ。


「素晴らしい魔法です、殿下」


「凄い、あんな大きな炎を出せるなんて」


「僕らと同い年とは思えないな」


 教員だけではなく新入生からも歓声が上がり、満足そうに声援に応える王子、かく言う私も驚いている。

あのレベルの魔法は実家の騎士の連中が使うレベルだ、流石に今の魔法一発で魔力を使い切ったようだが、王子は14かそこらで大人の騎士と同レベルの魔法が使えることになる。


 その後も試験は続けられ、高位貴族の子女たちは派手な魔法を放ち続けた、だがボロボロの鎧はひたすらに魔法に耐え続けた、後で聞いた話だが新入生の実技試験で鎧が破壊された例は殆どがないそうだ。いくら才能があろうと、新入生では実戦を想定された装備には敵わないということだろうか。


「次、ミリシア・グラン」


 上位貴族の試験が終わり、私の番が回ってきた。

さて、どんな魔法が良いだろうか、王子様のせいで闇属性に悪いイメージがついてしまったし、ここは何か私の取って置きの魔法でいこう。


 魔法は自身の内側で魔法式を組み上げ、組み上げた術式に魔力を通して発動する。魔法が高威力、複雑になる程術式は膨大になり、必要になる魔力も増えてくる。ただ高威力を出すためなら術式を増やせば良いだけだが、それだと燃費が悪く実戦では使えない。優秀な魔法とはなるべく少ない術式で、高い効果を生み出すものを言う。


「ファントム・リッパー」


 私の使う魔法はまさにそれ、ちなみにかけ声はただの気分、魔法威力には関係ない。


 すこん


 空中に現れた黒い刃が鎧に振り落とされた、それはなんの抵抗もなしに木の杭ごと鎧真っ二つにした。


 派手な魔法を期待していた新入生は拍子抜けしたような顔をしている、だが逆に教師陣は目を見張っている。


 何故ならボロボロながら、高い魔法防御力をもつ鎧がたかが新入生に破壊されたのだから。


「よろしい、良い魔法でした」


 担当の教員は満足そうな、それと敬意を持って声をかけた、今の魔法は王子の魔法の半分以下の魔力で鎧を両断したのだ。確かに理論上は可能、かく言うこの教師もやれる自信はある。だがそれは徹底した無駄をそぎ落とした術式と、それが可能な繊細な魔力操作の技術が必要な高等技術である。


 新入生からは物足りなさげな、教師陣からは感心した視線を受けながら、私の試験は終了した。


 結局、私以外に鎧を破壊出来た生徒は居なかった。

愛しの弟は派手目の風魔法で鎧を少々凹ませただけで(それでも、傷1つ付けられない生徒が大半なので、良い結果なのだが)少々残念そうだった。


 驚いたのは、平民の出身であるはずのアーシャでそこそこの威力の光魔法で鎧を凹ませていた。


 そして、全ての試験か終了して解散となった。


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