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10話 新入生の魔力測定3

 主人公のアーシャが、魔力測定器の前まで進み出る。周囲の人々は今は平民の生まれの子達が測定しているためか、あまり注目していない。


 アーシャが測定器に手を触れる。測定器はみずからの役割をこなし、対象の属性値を表示する。


「属性値は‥‥ひ、光が6、火が5、土と風が3、水が2‥‥!!」


「‥‥‥ウオオオオォォォォ!!!」


 先ほどまで注目してなかったのが嘘のよう、まるで英雄を迎え入れるかのような歓声があがる。

 まあしょうがないか、ついさっき縁起の悪い闇属性6の私が出たのだから。きっと歓声を上げた人達は彼女が物語の勇者か何かに見えるのだろう。

 まあ、彼女は本当にゲームでは勇者に成るのだから、この反応も間違っていないのだが。


 突然の歓声に、とうの本人であるアーシャはビクッと震え慌てたように(実際慌てているのだろうが)周囲をキョロキョロしている。

 その様子は可愛らしいが、私にとって彼女は半分死神のようなものなので、ゲームでの彼女のファンである私にとっては、なんとも言えない心境だ。


 そんな、少々達観したかんじになっていると、周囲を見渡していたアーシャと目が合った。



〈アーシャ視点〉



 わたしはアーシャ、平民生まれの女の子だ。私の家は、平民の中では贅沢は出来ないが、食うに困る程ではない、ごく平凡な家にうまれた。

 幸い両親の愛情受けて、病気一つせずに成長できた。優しい両親を持てて、わたしは幸せだった。


 何かが変わったのは、5才の時の魔力測定のころだった、わたしは闇以外の5つの属性を持っていることが判った。

 田舎町には属性値2までしか測れない安物しかなかったが、それでも、わたしに5つの属性があることに周囲は驚いた。

 両親は変わらず、わたしを娘として接してくれたが、周りはそうはいかなかった。

 魔力測定の直後、わたしは魔法学園の入学が決まった。会ったことも無い、町の領主さまが家に来て将来のためにとお金と、魔法の教本を置いていった。教会の使者を名乗る人達が、わたしを引き取ると申し出てきた(これは両親や領主さまが反対して、無かったことになった)。

 そんな、ゴタゴタがあったからか、周囲の大人達はわたしを腫れ物のように扱い。子供達は、わたしには近づかなくなった。


 両親には愛され、領主さまには何かと気に掛けていただいたので、寂しくは無かったが、それでも自分は周りにとっての異物なのではと孤独に感じた。


 学園に入学したが、此処でもわたしは異物のようだ。


 まさか、わたしの属性値がこんなに高いと思わなかった、学園では属性値が多いくらい珍しく無いかと思ったが、的外れだったようだ。


 平民の同級生は尊敬の眼差しを、貴族の方々は値踏みするような視線を。どつらの視線も、わたしを異物として、何か別の物として捉えているように感じた。


 わたしは不安から周囲を見渡した。何かわたしと同じ何かを。


 彼女はただじっと此方を見ていた、同年代の女の子より高い身長、艶やかな黒髪と漆黒の目、何よりわたしのことを好感も、値踏みもなしに、ただの同級生と見つめる視線。

 彼女は先ほど測定をした貴族の御令嬢、わたしと同じように5つの属性を叩き出した人、でも、わたしと違いとても堂々としていた方。


 ミリシア・グランそのひとだ。

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