夏休み突入!そしてやって来る魔女王・・・
「ふあ~あ」
「貴光眠い?」
「え、ああそうですね」
つい欠伸が出てしまった。
昨夜会社の上層部の男共衆と会議を遅くまでしていたせいである。大変無駄で有意義な会議だった。最後は殴り合いに発展したので全員のしてパンイチにしてあげる。パンツは武士の情けだ。
今頃昨日から出てこない上層部を心配した社員が見つけているだろうな。たぶん専務も一緒だろう。そしてドアを開けてみればゲン〇ウスタイルで気絶するパンイチの上層部、その目の前にテーブルにきちんと畳まれた服。ただしシャッフルして置いてきた。
どんな阿鼻叫喚が起きているだろうか。あ、若ハゲ副社長の額には幸福絶頂男と赤マジックで書いてあげた。彼女のパンツのことを書かなかったのは女性に配慮してだ。男には容赦せん。次会った時が楽しみだなぁ。木刀ぐらいは持ってくるかな?次は腹部に負け太と全員に書いてあげよう。きっと喜んでくれるはずだ。
まあそんな馬鹿なことをが出来るのは夏休みに入ったからである。
暑さでやる気を失っていた男共のストレス解消と俺の暇つぶしのためにやってみたのだが、まさか次の日の今日まで疲れが残るとは。若さでも限界はくるようだ。
「大丈夫っすか久下先輩」
「あ~ちょっと眠いかも」
阿久津さんが心配そうに俺を見る。
今俺がいるのは手芸部の部室。部員が増えたことにやる気を見せた純先輩が夏休み期間も部活動をすると宣言したので、来たい子は自由にと部室を開けているのだ。
ただし純先輩だけでは部室の使用は禁止、俺が同伴でない限りダメとのこと。一人だと何やらかすかわからないからな純先輩。
残念ながら夏休み期間は俺も会社のことや祖母の家に泊まりに行かないといけないので毎日は無理なのである。週三日だけ部活動することになった。
いつもはあと二、三人集まるけど今日は俺、純先輩、阿久津さんの三人なので、ちょっと気が緩んでしまった。
純先輩はいつも通り俺を椅子にしての刺繍。阿久津さんは文化祭に向けての作品作りをしていた。
最初こそ下手だったが、瞳さんと優子さんがたまに・・・いや頻繁にやって来て後輩たちを指導してくれるのでメキメキと上達したのである。もしかすると俺負けてないだろうか。
「ふわぁ~あ」
また欠伸が出た。いかん本格的に眠気がきている。
「貴光寝る」
「江田先輩の言う通りっすよ。しばらく寝て下さいっす」
「う~んそうだね。少し眠らせてもらうよ」
二人の女の子達に心配されるぐらいだ大人しく寝よう。ここで大丈夫とかいう奴は基本ダメだ本当に無理しないといけない時以外は人の心配は受け入れよう。
折り畳みのビーチベッドを取り出して、いや前に純先輩と昼寝する時用に買って置いていたやつです。後で顧問の本山先生に怒られたけど、たまに先生使っているよな。
「それじゃあ一時間ほど寝るので」
「おやすみ」
「おやすみなさいっす」
三、二、一、スヤ~。
阿久津視点
久下先輩が眠った。
さっきまで江田先輩のいつものようにイスの替わりをされていたけど、頭がグワングワン揺れていたのだ。いつ倒れるかわからない状態だったので横になってもらえてホッしている。
「順調?阿久津」
「え、あはいっす。先輩たちのおかげで難しい部分もなんとか」
私は二人の先輩にさらに卒業された瞳先輩と優子先輩にも教えてもらった。そのおかげか今はそれなりのモノが作れてきているようになってきている。同級の部員の子達にも上達したと喜んでくれていた。
本当に手芸部には入れて良かった。打ち込めるものは見つかるし友達も出来た。それに初恋の人も・・・キャッ。
久下先輩はビーチベッドの上で眠っている。何だろう寝ているだけなのに色気があるような・・・。普通久下先輩の歳の男子なら大口を開けて大の字で寝ているのに脚を交差し、腕を組んで目を閉じて考えているようにも見える。
「・・・よし」
しばらく二人で話すこともなく黙々と手を動かしていたら、江田先輩が久下先輩に近づいた。
顔の前で手を振り、腕を軽く叩いている。
「熟睡してる」
ムフー
そして大きく鼻息を一つつくと江田先輩は久下先輩の組んでいる両腕を外してその胸に頭を載せて寝始めた。
「ちょ、え、江田先輩それは」
「ん?阿久津も一緒に寝る?」
止めようとした私を誘惑する江田先輩。
本音を言えば久下先輩と一緒に寝たい。江田先輩みたいに胸元にスルスリしてみたい。
すごくすごーく江田先輩が羨まし過ぎる。
そのまま江田先輩は寝てしまった。二人とも寝つきが早い。
「うあ、あ、いや、」
迷う、迷ってしまう。
ガララララッガンッ!
「夏休みに入ってもスケジュールの都合で逢えなかったので直接やって来ましたよ貴お兄ちゃんっ!」
「な、なんだぁっ!?」
私の心に悪魔が囁こうとしていたら部室のドアが勢いよく開いて悪魔が現れた。
底がもの凄く厚そうなエナメルの靴に、凄い柄のストッキング、少しでもかがめば下着が見えそうなほど広がったスカート、リボンやフリルがこれでもかと付いているドレスのような上着、キラキラ光る小さな王冠を頭に乗ってけている。その髪も大きめのリボンをつけていた。顔は病的に見える化粧をしている。
初めて見る格好だけど、着ている服が凄くしっかりしているのがわかるのは手芸部に入ったおかげかわかる。
え、私の心の悪魔が現実に現れた?
「悪魔ではありませんからね」
「ひぃっ」
考えていたことが読まれた!
「考えていることなんて読めませんからね。それだけ顔に出てれば何となくわかるだけです」
怖い怖い怖い怖い。
「格好のわりには怖がりなようですね。別に何もしませんよ~。ほら手芸部ならこの服に少しは興味が湧くでしょう?」
フリフリの袖を目の間で揺らされる。つい縫い目を追ってしまう。
「ほ~ら気になるでしょう。他の事はたいして気にならないぐらいに」
「うん・・・凄い綺麗に縫われてる・・・気にならないよ」
なんか気持ちが落ち着いてきた。
「簡単にかかりすぎですね。ちょっとあとで貴お兄ちゃんに相談しましょう」
なにを相談するのかな?
落ちついたところで彼女が何者か聞かされる。
彼女の西成璃子ちゃん。久下先輩の小学生の頃の後輩で慕って今日は来たらしい。校内を自由に行動でる許可証も持っていた。
「来年には私はお姉さんの後輩になりますね~。私も手芸部に入部するつもりですから。さすがに先輩となる人を洗の・・・ケフンケフンするのは止めておきましょうか。放っておけば解けるで今日はこのまま落ち着いた気分でいて下さいね」
「うんーわかったー」
璃子ちゃんに頭を撫でられるといい気分になるなー。
「さて貴お兄ちゃんはお休み中ですか。昨日お馬鹿な上層部の男性陣と遊んでいたみですし。副社長は泣いてましたよ。でも彼女さんに慰められて喜んでましたね。それを見た他の男性陣が全身青っぽい白に全身塗って吊るすと言ってたけどなんでしょうかねあれ?」
なにか凄いこと聞いたような気がするけど落ち着いているから別にいいやー。
「ふわぁ。私も夏休み入ってから忙しくなってきましたし寝不足気味なので一緒に寝ましょうか。ふふふ、貴お兄ちゃんが起きたときが楽しみですね」
璃子ちゃんが久下先輩に近づく。それはダメーゆっくり寝させてあげたいのー。
璃子ちゃん袖を掴む。
「ん?もしかして貴お兄ちゃんのことが気になるんですか?」
「秘密ー。でもゆっくり寝させてー」
「また女の子を増やしてっ。純先輩は教えてもらっていましたが増えているのは聞いてませんよっ。あのお姉ちゃんズはちゃんと見張っているんですかね」
よくわからないけど眠るの邪魔しちゃめー。
「う~んかかり過ぎですね。一度眠ればすっきりすると思いますから一緒に貴お兄ちゃんと寝ましょうか」
璃子ちゃんが私を引っ張る。私を久下先輩の左側に寝かせようとする。
「ダメー恥ずかしいよー」
「く、珍しく純粋な心を持つ女性が現れましたね。ほかの女性たちならチャンスとみて貴お兄ちゃんを襲いそうなのに、ショーリさんとかときわさんとかショーリさんとか」
なに言ってるのかなー。
「・・・お姉さん、お姉さん。貴お兄ちゃんは女の子と一緒に眠るとぐっすり寝れるそうです。一緒に寝てあげましょう」
そっかー久下先輩がぐっすり眠れるならしょうがないよねー。
私は久下先輩の左側で添い寝する。
「それじゃダメですよ。腕枕してもらわないと」
「ありがとー」
璃子ちゃんが久下先輩の腕を枕にしてくれる。筋肉質だー。
「私も一緒に寝ますか。ふむこの子が純先輩ですね・・・私より小さく見えますよ。少し貴お兄ちゃんの性癖が心配になりますね。ふわぁ~あ」
璃子ちゃんが久下先輩の右側で寝始めた。
いいのかなーこのまま寝て。なにかダメーて心が言っているんだけどなー。
「阿久津」
あー江田先輩がこっちを見てるー。ごめんなさいー。
「いいから一緒に寝る」
そう言って江田先輩は目を閉じた。江田先輩がいいというならいいよねー。
おやすみなさいー。
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・・・・・・
・・・・
「これはいったいどうなってるの?」
書いてる本人がよくわからない回です。
璃子が言うことを聞きたくなるビームを筆者に照射したせいで書かされました。(;´д`)
璃子が貴光以上にヤバい子になっていますね~(;・ω・)
さりげなくフルネームが出た西成璃子。実はちょっといいとこのお嬢さんだったんですよ璃子。それが貴光にあったせいで・・・(´-ω-`)




