純先輩の恋の芽生え
やーらーれーたー。
純先輩のドレスだけ頼んでいたのに、俺のまで作成されてたよ。
いったい何時から計画されてされてたんだ。
純先輩のだって結構お金がかかってるのよ。アクセサリーも入れると一財産はあります。俺の方もゴールド使ってないか?白なのに執念のように刺繍が入っている。これはたぶん瞳さんだな。
俺みたいな奴に勿体ない服を作ったもんだよ。
純先輩を連れて舞台袖に移動する。
そこには俺を今の状態にしたみやことソフィがいた。俺を引き込んだ後、学ランを脱がし髪を上げ、軽く化粧をした二人だ。この二人だけで考えたことでもないし瞳さん優子さん二人でもない。考えられる奴は友人しかいないだろう。母にも手伝ってもらったから二人か?もし母が関わっていたら友人に報復できないではないかっ!やるな友人!いつか忘れたころに報復するからな。
「さて何か言うことはあるかみやこ、ソフィ」
まず実行犯の二人を注意しなければならない。一歩間違えれば手芸部の存続は危うかったのだ。まったく純先輩だけの方が印象が良かったのに、たいした顔でもでもない俺に王子様みたいなことをさせるなんて下手すると罵声が体育館に響いたぞ。
「あぁ、たか君・・・」
「はぁ、タカ・・・」
おや、二人の様子が変だぞ。目がトロンとして頬は桃色に染め、口は半開きでモジモジしながら俺を見ている。
ピッ
みやこは貴光に魅了された。
ソフィは貴光に魅了された。
「おおーい大丈夫か」
二人の前で手を振る。ガシッ
「え、」
「ちょっと人のいないとこに行こうかたか君」
「視聴覚室なら中から鍵を掛けられるわね」
二人が発情してるぅーっ!ガシッて両腕を掴まれたよ。
「ちょっ、ここ人沢山いるから!見られているからっ」
俺の言葉にピタリと止まる。さすがにそのくらいの理性は残っていたか。
「あの、私も混ぜてもらえませんか」
「はっ?」
「え?」
「Why?」
一人の女子が俺達前に進み出た。
ピッ
女子生徒が貴光に魅了された。
「私も」
ピッ
女子生徒が貴光に魅了された。
「私も」「あたしも」「わたしも」「僕も・・・」「私も・・・」
ピッ
大勢の女子生徒が貴光に魅了された。
ピッ
女装ショタ奴隷会長が貴光に魅了された。
ひいぃぃぃ!目がハートマークの女子ゾンビが襲ってくるよっ。なんで舞台袖の殆どが女子なんだ?ああ、前半が運動部で後半が文科系部だったから女子ばっかりなんだなっ!気づいても全然役に立たねえっ!
あと女装ショタ奴隷会長のフラグが経ったの聞こえてたからな!後で折檻してやるっ。
さすがにみやことソフィも女子達の異様さに正気に戻って防ごうとしてくれているが、そうもちはしないだろう。
「どうする。舞台に戻ればいいけどもし場が盛り下がれば手芸部の印象は悪くなるし」
「貴光・・・」
考えていたことが口に出てしまった。純先輩が不安そうな顔で俺の服を握ってきた。
ああ、この純先輩を守らないといけないな。
「純先輩、少し怖いことをしますけど我慢してもらえませんか」
「・・・ん、貴光を信じる」
よし言質はとった。
「きゃっ」
純先輩を片腕で抱え上げる。
正面は女子達で通れない。だから端にある箱に足を掛けて勢いをつけて飛び。少し高めの位置にある窓の枠を掴んで体を引き上げる。そこから舞台袖の扉に跳んだ。幸いに俺の方に人がいたので扉の方は着地できるほどのスペースがあった。
「くうっ」
純先輩が軽いと言っても流石に衝撃が大きい。足を滑らせ、衝撃を純先輩いかないように自分の体に分散させる。これは後で筋肉痛だろうな。
どうにか着地すると純先輩をお姫様抱っこに抱きなおす。
女子達は俺のアクロバティックな動きに驚いているな。最後ぐらい格好つけてやるか。
「それでは皆様、私は愛しい姫と去ることにします」
さあどこに逃げようかな。
純視点
舞台でショタが話しかけてくるが何を答えたか覚えていない。貴光には大丈夫と言っていたけどこんなにたくさんの人の前は緊張する。
部長と副部長、元だけど、がなにか貴光に隠れてしてたみたい。次は純ちゃんの番だよと言われたけど何のことだろう。
「ん?準備が出来たみたいだ。女の子たちは彼の方が見るのはいいかもね。それではどうぞっ!」
ショタが舞台袖に手を振った。
貴光には正面を見ているだけで良いと言われたけど興味が出たので舞台袖の方を向く。
そこには貴光がいた。
白いタキシードのような王子が着るような服を着て、いつもは適当にまとめている髪を上げて男らしくしている。
トクン
無理矢理着替えさせられたのか少し不機嫌そうだ。あ、こっちを見た。照れくさそうな顔をする。
トクン
ゆっくり貴光が近づいてくる。なんだろう、なにか恥ずかしい。
貴光は私の前まで来ると膝をついて手を差し出した。
『最近月のセーラー服の女の子のアニメがあってますね』
『ん!凄く面白いっ』
『純先輩ははまりましたか』
『タキシードの人がかっこいい』
『純先輩も女でしたか・・・どの場面が良かったですか』
『月の子の手にキスするの』
『ああ、あれですね。男は膝をついてした方がかっこいいんですけどね』
あのシーンを貴光はしてくれているんだっ。
私は手の甲を上にしてゆっくりと差し出す。
トクントクン
貴光は私の手を取り優しくキスしてくれた。
「「「「きゃあぁぁぁあ!!!!」」」」
歓声が聞こえてくるけど私にはどうでもいい。私は貴光しか見ていなかった。
貴光はいつもと違い、綺麗な動きで立ちあがる。
「一礼して退場しましょう」
小さな声で貴光が言う。
一応練習はしていたので綺麗に出来た。貴光が手を繋いで舞台袖に連れて行ってくれる。
トクントクン
舞台袖には目が怖い女子が沢山いた。怖くて貴光しがみつく。
「純先輩、少し怖いことをしますけど我慢してもらえませんか」
「・・・ん、貴光を信じる」
貴光はいつも私のお願いを叶えてくれた。信じるのは当たり前。
トクントクン
「きゃっ」
私は貴光に片腕で抱きかかえられた。すると貴光はそのままジャンプして窓枠を掴んで窓の淵に着地した後、舞台袖の外に出るドアに跳ぶ。
「くうっ」
着地したしたときに貴光の顔が苦痛に歪んだ。それも一瞬でにこやかな笑顔に変わる。
私は片腕でなくしっかりとお姫様抱っこをされた。
「それでは皆様、私は愛しい姫と去ることにします」
愛しい姫っ!
トクントクントクン
貴光は私を抱えたまま学校中を駆け回った。何故か女子達が立ちふさがるいて貴光は困っているようだった。
「あー、ここなら大丈夫でしょう」
疲れた声で貴光のいう場所は端の方に机とイスが積まれた現在使用されていない教室だった。たまたま鍵が開いていたので中に入り中から鍵を掛けた。
「すいません、さすがに疲れましたの降りてもらってもいいでしょうか」
「ん」
残念だけど貴光は肩で息をついているので仕方がない。
「ああこの教室埃っぽいから座れねぇ」
貴光が愚痴る。ずっと使われていなかったからか教室の全てに埃がかかっていた。私達の服は高級品だ。汚すのにはためらわれる。
貴光は少しフラフラしていた。体力が付きかけているのかもしれない。
「んっ!」
「純先輩?」
「これなら貴光は大丈夫」
私は貴光が倒れないように前から抱きついた。
トクントクントクントクン
なんだろうどんどん胸がはずんでいく。
「ありがとうございます純先輩。ちょっと疲れました」
「ん」
トクントクントクントクン
貴光の声に鼓動が早まる。
『純ちゃんは久下君のこと好き?』
『?ん、貴光は好き』
『ん~、まだわかんないかな』
『久下君が甘やかしているから物欲と曖昧になっているんだよ』
『じゃあ、私達二人が久下君に逢わせてくれたお礼に純ちゃんの背中を押してあげるね』
『その時にもし好きの気持ちが違うものに変わっていたら』
「私は貴光が好き」
『それは恋だよ』
顔をは見れない。
「猫や犬や刺繍とは違う、貴光に私は恋してる」
私の胸の鼓動は早くなりすぎてわからない。
「ずっと一緒にいて」
「ずっと好きでいるから」
「ずっと恋しているから」
私のせいいっぱい告白に貴光は優しく抱きしめ返してくれて。
「ずっと一緒にいますよ純」
その一言では私の恋は成就した。
さん、はい、はぜろっ貴光っぅぅ!(#`皿´)
純先輩が恋を自覚しました。
急に告白してますが本能のまま動いている純先輩ですから告白も思いついたら即行動です。貴光は驚いてますが本気なんだなとわかっています。
メインヒロイン二人は勝てねぇよ・・・(;・ω・)




