貴光のまともな暴走④(+涙の純先輩)
連続投稿です。前話からお読み下さいm(__)m
問題ありまくりの文化系の部を復活させる説明会。
運動部の生徒を黙らせ、問題の顧問は処罰を待つ身に落とした。
みやことソフィが成長したことに素直に喜んでいいだろう。でもやり過ぎはよくないよ女の子なんだから。
これからは俺の番だ
「どうぞ」
ある人物を指名する。
今回の最大の敵だ。
「フン、いろいろと・・・」
「あ、すいませんOBOGの方はお名前を言ってください。僕達中学生何でいきなり知らない大人に上から目線で言われても困るんですよ」
へいへーい煽るよー。
トップのお方笑い堪えるのきついですか?だからあとでバーンと登場するのが良かったのに。俺中身は中年だからおっちゃんのツボがどこかよくわかるんだよ。
「町議会議長の田畑だ」
睨みながら自己紹介する議長さん。
「おやお偉いさんじゃないですか」
「子供でもそれぐらいわかるか」
「ええ、でもそんなお偉いさんが自分の役職名を出すのですか?もしかして威張り散らすためですか?」
「貴様ぁー!」
「駄目ですよ。ここは説明会の場です。権力出してくるなら僕達は屈してしまうんですよ。どうかお名前とどの部のOBかを教えてください。僕はあなたの部活の後輩ではないのでわからないんですよ」
煽るの楽しいな!僕って言ってるよ気持ちわりい。でも権力を笠にかけている奴は僕で自分を下げてるようで馬鹿にするのが効果的なんだよな。トップのお方にしてもまったく効果はなかったよ器の差だね。
「柔道部OBの田畑だ」
田畑はがっしりとした体格で腹がでた爺さんだ。顔に性格が悪いと書いてある。
「田畑田畑・・・ああ!何十年も前に全国まで出場されたんですよね」
「ふん!そうだ私がこの学校で唯一の全国に行った者だ」
威張るなー田畑。
「それでその田畑さんのご質問はなんでしょうか」
「部費だ部費」
ああ本当駄目な奴はこちらの思い通りに動いてくれる。
「部費とは?」
「わからんのか。文化系の部が復活したら運動部の部費が減るだろうがそれはどうするつもりだ!」
田畑の言葉に運動部の生徒達も騒ぎ出す。そうだよな部費減らされるのは困るよな。
「そりゃあ減るでしょう。実績がなければ減らされる当然じゃないですか」
「実績と言ったな」
ニヤリと笑う田畑。
「たしかに運動部の実績は悪いかもしれない。だがな彼らは中総体に参加して実績を作ろうとしている。文化系の部はどうだ。実績を作れるのか?無理だよなぁその実績を作る場がないんだから」
大声で笑い始めた田畑。醜い中学生を言い負かすジジイは最悪だな。
「そうですね。文化系は実績が作れませんね」
「理解したか?そうだ文化系の部はいらんのだ!」
「でもこれからは作れますよ」
「は?」
調子に乗ったジジイには潰れていってもらおうか。
「トップのお方ー」
「ようやく出番だな」
「お願いします」
トップのお方が立ち上がる。
「こちらは県教育委員会の一番上のお方です」
はーい驚かないで、田畑も目を剥くな。
「こちらに来ていただいたのは、あるものを見て評価してもらうためでした。どうでしたか?」
「あれは凄かったな本当に中学生が作ったのか何度も聞いたよ」
「そうですよね。俺も最初見たとき驚きましたよ。あ、すいません。皆さんがなんのことかわからないみたいです」
「じゃあ見せればいいんじゃないか」
「そうしましょうか」
棒読みだなーもう少し演技を勉強しようか。それでも体育館にいる人達は気になって仕方がないようだ。
「部長さん、副部長さんどうぞ」
俺が呼ぶと二人が舞台に上がる。どちらも手足が一緒に出てるよ。まあ人前に出ることがない生き方をしていたから仕方ないか。
二人の横にはあるものが運ばれていた。ごめんね荷物持ちなんてさせて俺のボディーガードさん達。またバーベキューでもするから。
「「「うわぁ」」」
全員が部長、副部長の横にある作品に感動していた。
部長のは一抱えもあるレースのコースターだ。それを額縁に飾っている。その複雑な編み目凄いの一言だ。
副部長は真っ赤なパーティードレスだ。いろいろな技術が盛り込んだ上品なドレスに仕立て上げている。
「これは二人がわずかひと月で仕上げたものらしい」
トップのお方がみんなに教える。
シャレにならなかったんだよ。いくら俺でも超絶レベル技術はサポートすることが出来なかった。
だから母に頼んだ。高級ブランドの服を作る母にだ。未来の私が聞いたときは日本の有名ブランドは殆ど縫製していたし世界のブランドも縫っていた。一ミリの誤差ですべてやり直しって修羅の世界だよ。
事情を話したら喜んでオッケーしてれくれた。どうも同じ縫製に共感したらしい。
手縫いだと間に合わないので友人経由で準工業用ミシンを用意してマンツーマンで副部長はドレスを作成した。母が自分の所によこせというぐらい副部長は凄かったようだ。
部長は編み物を教えてくれた先生がいたらしい。二年になるときに定年退職されたらしいので、調べました。お願いすると二つ返事で来てくれた。高速で編んでいく部長と指摘する編み物先生は鬼だったとだけ伝えよう。
二人ともボロボロかと思ったら全力で取り組めて満足だったらしい。すげえよ。
「君たちはこれを見て何も思わないのか?私は感動したぞ」
トップのお方の演説だ。引き込まれ具合が半端ない。
「常々私は運動部に中総体はあっても文化系にはあまりにも少ないということに悲しんでいた」
「だが!今日彼女達の素晴らしい作品を見て決めた!この県では文化系の中総体、県中学
文化展、県中展を開催しようと思う!」
アッハッハッ言っちゃたよ。これで後戻りできないぞ。
「そ、そんなことできるはずがない!」
田畑が叫ぶ。運動部有利性が無くなるもんな。
「なぜ君が出来ないというんだ?以前からそういう話は出ていたんだ。ただ出資してくれるスポンサーがいなくてね」
「それなら出来ないで」
「それがこのひと月でスポンサーが十社ほど付いてくれたんだよ。おかげで来年には開催できそうなんだね」
それは俺が動きましたー。友人にお願いしたら県内でスポンサーになってくれる会社を紹介されたよ。俺の資産でも余裕で出来るけど、こういうのはいろんなところから出させてしないとね。
「さて田畑さん」
俺に呼ばれた田畑はビクリと震える。それでも目に力があるのは流石だ。
「文化系の部に実績が作れるようになりましたよ。運動部も頑張らないとですね」
ああ楽しい。
「そういえばこの中学校の文化系の部が潰れていったのちょうど田畑さんが全国に行った年からなんですよ。最初に潰れた部の部費はどこにいったんでしょうかね?」
この中学に変な歪みを作った張本人。
「それから田畑さんがいる三年間で三つ部が潰れました。その後しばらくは何事もなかったんですけど田畑さんが教師として赴任して文化系の部は手芸部以外無くなりました。ねえ教えてくださいよ、誰がこんなことをしたのか当時を知っている田畑さん」
運動部を優遇して手芸部をいたぶっていた田畑さんをいたぶるのは。
西尾先生が過去の事をいろいろ調べていたのが役に立った。あの人文化系の部を復活させたかったのだろう。ひ弱そうだけどさすが香山先生が選んだ男だ。
町の実力者が関わっていた時点で諦めてたみたいだけど。
手芸部だけ残していたのは謎だ。毎年存続しているか確認はしていたみたいだけど。もしかして手芸部の誰かに振られたとか?手芸部を残したのは生かす殺さずで、あがく手芸部を見て笑っていたとかまさかな。
「知らん!私は何も知らんぞ!」
叫ぶ田畑。でも周囲はあんたを犯人だと思っているようだぞ。
「貴光貴光」
さらに追い込んでやろうマイクを持ち立ち上がろうとしたら袖を引かれた。
「純先輩?どうしてここに」
みやことソフィも急に現れた純先輩に驚いている。
俺も驚いているのだ。純先輩には部室で待機してもらってるはずだ。こんな大人のエゴとそれを潰そうとする俺を見せてはいけないと思ったのだ。
「貴光そんな顔しちゃ駄目」
俺はどんな顔をしているのだろうか純先輩が指摘するぐらいだ報復の魔王様になっているのかな。
「貴光マイク貸して」
純先輩は戸惑っている俺からマイクを奪うと長机の前に立つ。そこは体育館全体から注目される場所だ。
「私は二年の江田純」
「手芸部部員で貴光の先輩」
「来年手芸部は廃部になることが決定してた」
「でも私はそれが嫌だった」
「その時貴光何とかしてあげると言ってくれた」
「私は手芸部を続けさせてほしいとお願いした」
「貴光はいっぱい頑張ってくれた」
「でも貴光はみんなに嫌われる」
「私は手芸部が好き」
「何も出来なかった私に優しくしてくれた手芸部は大切な場所」
「でも貴光がみんなに嫌われるのは嫌」
「私がお願いしたからです」
「私が原因です」
「どうか貴光を嫌いにならないで」
純先輩は泣いていた。
子供の様に泣いていた。
どうも俺のやり方は間違っていたようだ。
「みやこソフィ、俺やり過ぎてた?」
「あー多分、あのちっちゃい先輩に今言われて私も気づいたかな」
「私はタカ寄りでついでに運動部を改革しようとしてたから先輩の言葉が刺さるわー」
はい俺アウト―。
今から作戦を変えますー。
「すいません。全部駄目にします」
トップのお方に頭をさげる。
「いいよいいよ。駄目になっても何かは残るから」
笑って返してくれる。やはり抱かれたい男だな。
元教頭は真面目な顔で考えているようだから放っておこう。
「二人ともちょっと終わらせたいから付き合ってくれる?」
「たか君と一緒ならいいよ」
「私もやっちゃったし一緒にお願い」
二人を巻き込んじゃったへこむな。
三人で純先輩に近寄る。
「わ、私達も一緒に」
「せせ、先輩ですから」
部長と副部長も一緒だ。人前は苦手だろうに先輩というものは凄いな。
「純先輩」
横に並んだ俺を見上げる純先輩。
まー涙でグチャグチャだ。
ハンカチを渡す。
ゴシゴシゴシゴシチーンッ!
鼻までかまれたよ。返さないでくださいあげますから!
さて、ちゃっちゃと終わらせるか。
「一年久下貴光です。先ほどまでの文化系の部の全ての申請を取り下げさせてもらいます。
その上で自分達で部を立ち上げたい方には俺が最大限サポートします」
俺個人でするからそんなに力ないけど。
「その上で運動部の皆さんは文化系の部の立ち上げを邪魔しないでください。運動部が自分の部を大切なように文化系の人達もあなた達と同じように部活をやってみたいのです。どうかお願いします」
頭を下げる。
みやことソフィも頭を下げた。
部長と副部長もだ。
純先輩は一歩遅れていた。たぶんわかっていない。
「そして厚かましいですが、手芸部の来年度の存続を許してください。最低部員数五名を守った時で構いません」
純先輩は全部を叶えてもらえるとは思っていなかっただろう。せめてあと一年自分がいる間だけだったはずだ。
はっはっはっ出来過ぎる男はつらいな。
運動部全員ではないがかなりの人に恨まれそうだ。
「五名集めても廃部は決定だと聞かされて今回のような強行に及んだこと本当に申しわけございませんでした」
毒は少し流し込んでやろう。俺達が理不尽に立ち向かったうえでの強行に変えてやる。
「貴光」
おやなんですか純先輩。
「頑張ってくれてありがとう。これはお礼」
チュ
「「アー!」」
キスされちった。
筆者は死ぬ(;´д`)
もうひとつ書いている作品と同じタイミングでややこしい話になったから地獄でした。
次からはまた何にも考えないで書くぞ(*´ω`*)
純先輩を書くんだ♪( ´∀`)




