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俺の過去は不安定  作者: デンセン
中学生編
42/85

ボスでもまだまだ子供

かなり毛色が違う書き方になりました。

「いやっふうぅぅ!男共!彼女を作りたいかぁ!」

「オオゥッ!」


 男共の野太い雄たけびがある。うんうん。本気度があって大変よろしい。


「女共!男連中より彼氏を作りたいか!それとも玉の輿に乗りたいかぁ!」

「玉の輿ぃ!」


 女性陣は本音丸出しすぎだ。ほら、やる気に満ちていた男共がドン引きだぞ。


「馬鹿野郎!男共よ、顔がちょっと悪くても金を稼いでいい性格なら女が寄って来るんだぞ!獲物を狩って家族を養うのが男の役目だ。女性陣はそれをわかっているんだ。ウチの会社はやる気があれば稼げるぞ!稼げ!貢げ!そしてモテろ!女性はまっているんだ!」


 よし男共のやる気は取り戻した。やる気はあっても実力がないと無理なんだけどねそこは言わないで置いておこう。


 今の俺はマイクを持って壇上で司会者をやっている。


 前に副社長に言った合コンの件を何度も催促しにくるので、昔から仲のいい服飾、美容の女の子に声を掛けた。

 副社長だからお金持ってるよと誘ったらすだれはちょっと・・・、と返されたよ。なにをいう、世の男性がどれだけハゲに悩んでいると思う!

 よし!副社長呼んで来い!会議中だと?重要じゃなかったら専務に任せろ、こっちは男の尊厳がかかっているんだ。


 副社長改装中・・・完成しました。


 さあ見て見ろ!もとがスマート長身イケメンだから髪を刈りこんでベージュのジャケットに白のパンツ、白シャツを合わせればハゲのイケメン誕生だ!細身のネイビーのスーツも似合うぞ。

 副社長はモテた。そりゃイケメンで金持ちならモテるわな。


よし、これで合コンは無くなったと思ったら常務と取締役が俺の服を泣きながら掴んできた。その後ろには大量の男性社員が。え、自分達にも春をくれだと。自分で取って来いよ。


男性社員が合コンしてくれなかったらボイコットすると専務に訴えやがった。

クビにしていい?しばらく支障が出るから無理か、というかしばらくで済むんだこの会社・・・。


しょうがないから女性社員だけでなく、夜のお店で働く子も呼びましたよ。昔に友人経由で仲良くなったママ達にお願いして厳選に審査してからだけど。

集まった人数男女合計で50名・・・合コンの数じゃねえよ!


 ちょうど夏なのでホテルの屋上ビアガーデンを貸し切りにした。専務にお願いしたけど俺の自費になった。グスン。いいよ会費集めるの面倒だから全部タダにしてやるよ。


 やるからにはカップルを一組でも多く作りたいので司会者をすることにしたのだ。


「あーひとつ盛り上がっているところ悪いが注意点だ。今日は真剣に交際を考えている者達の場だ。一晩だけとかナンパ目的なら速攻出ていけ。あと不倫、浮気、寝取りした場合は男の場合は物理的に潰す。女は二度と出来ないように精神的に追い詰めるからな覚悟しておくように」


 おう、現場が凍り付いたように静かですよ。駄目だな~このくらいで怖気づいちゃ。


「ようするにまっとうに生きていけと言うことだ!彼女が欲しいんだろう?玉の輿がしたいんだろう?今!ここが!チャンスの場だ逃すな若人!合同コンパの開催だぁ!」


 よし、なんとか盛り返したな。


常務と取締役は筋肉と小太りだから、筋肉バカにはモテたいのなら過度な筋肉を付けるなと指導した。マッチョすぎると万人受けはしないからね。さすがにすぐには筋肉は落とせないので今回は清潔感のある服を着させている。小太りはそのままだ。それが好きという女性もいるのだ。いなかったらあとで人体改造だ。


 さーて後は適度にゲームでもして盛り上げて、バカが出たときの対処だな。



常葉視点


 私は会場のある一角で静かにドリンクを飲んでいる。

目の前では色とりどりに着飾った男女が楽しそうに会話していた。


「ここ失礼してよろしいですか?」


 声を掛けられた。見ると小奇麗になった副社長だ。


「なんだここは出会いの場でないぞ」


 今回の事は副社長が発端で起きた事だと私は聞いている。ならあの混沌の中心にいなければならないのではないか。


「いやそれがですね。ボスにいろいろしてもらったらすぐに彼女が出来まして、さすがにあの中にいることは出来ないんですよ」


 副社長は困った顔で笑った。


「それは仕方ないな。不愛想な私だが少しは相手しよう」


 私達がいるのはエスケープゾーンだ。


 会話が弾んで二人ゆっくり話したい者、やはり無理だと思って休みたい者たちがゆっくり休める場所である。


「それはありがとうございます。もうギラギラされた目で女性に見られると不信になってしまいそうで」

「私が敵視されるのだがな」

「まあそうしないうちに彼女がいることは公表しますから。それにあなたも同じように逃げてきたんでしょう?ここは共闘することでお願いします」

「ここにいるだけだ」


 自分の行動を読まれているのはしゃくだが同意する。


「ほらほら、あなたの目的のボスですよ」


 副社長の指さす方を見ると貴光君が大人達の間を縫って動き回っていた。子犬が人にまとわりついているように見える。


「ボス、飲めない女の子にお酒を飲ませようとしたのを止めてソフトドリンクを渡してますよ。男からは睨まれて、女性からは熱い目で見られて何人女性を落とすつもりなんですかねボスは」

「酷い言い方だな。貴光君は普通に女性を心配しているだけだぞ」

「それが普通の男には出来ないんですよ。ボスはいったい何者なんですかね。天然のたらし?社員の中でも落とされた女の子が結構いるんですよ。しかも社長代行を始めてからもの凄い勢いで増えているし」

「それはあんなに可愛くて、上層部にボスとか言われてたらそうなるんじゃないか」

「そうか~僕たちのせいもあるのか。ちなみにボスに莫大な資産があるというのは知られています?」

「私の周囲では聞いたことがないな。古参は知っていると思うが」

「古参の連中はボスを自分達の子供と思っていますからいいんですよ。あとで社長も含めて相談しないと・・・」


 はらりと髪が抜けたのは秘密にしておこう。


「止めて下さいっ!」


 会場に悲鳴に近い声があがった。


 発生源を見ると女性が男性に腕を掴まれている。


「うっせーんだよ。お前も男漁りに来たんだろうが、俺が相手になってやるって言ってんだよ」


 男は泥酔しているようだ。


「あれは君が治めなくていいのかい」

「今日の僕は一参加者です。それに大丈夫ですよ。責任者ボスですから、知らない社員たちにもボスがどれだけ怖い存在か知ってもらえるいい機会です」


 副社長は焦ることもなくドリンクの飲んでいた。


 その間も男は女性の腕を掴んだまま大声で聞くに堪えないことを叫んでいる。


「はーいそこまでです。女性に乱暴するなんて男の風上におけないですね」


 そこに貴光君が現れた。


 貴光君が男の腕に触れると電気が走ったように男が女性から手を離した。


「大丈夫ですか?すいませんが近くにいる女性方、彼女を支えてもらえます」


 離れた勢いで倒れそうになった女性を貴光君は支える、そして周りにいた女性たちに彼女を渡した。


「あん?上の方に可愛がられているだけのガキじゃねえか。大人の邪魔をすんじゃねえよ!」


 泥酔男が女性を預けようとしていた貴光君の肩を背中から掴もうとする。

 その瞬間、ぶれた。


「クズが触れようとするんじゃねえよ」


 次の場面はいつの間にか貴光君が泥酔男を向いていて右の手が拳になって振り切られている。

 そして泥酔男は白目を剥いて倒れた。


「うわぁあれやられたのか」


 副社長が嫌なもの見たような顔をしている。


「あれはですねもの凄い速さでその場で回り、その回転力を拳に乗せて相手の顎を掠めて気絶させるらしいんです。僕には全然見えないんですけど、昔に常務があれやられたんですよね」


 私が理解してないのをわかってか副社長は説明してくれた。


「誰かーこいつの事知ってる奴いる?」


 貴光君が叫ぶと数人集まってきた。


「こいつ、いつもこんな感じで酔っぱらってるの?」

「え、ええ毎回酒癖は悪いです」


 一人が答える。


「そっかそっか、じゃあこいつはクビで」


 貴光君は何度か頷くとあっさりクビ宣告した。


「副社長、常務、取締役!こいつクビにするけどいいよな」

「ボスが言うならいいですよー」


 副社長が応える。常務、取締役もだ。


「え、でもこいつ成績いいですよ」


 酒癖が悪いことを貴光君に教えた男性が泥酔男をかばおうとした。


「それが?俺は酒癖悪い奴が大嫌いなんだよね。一回なら許すけど注意しても反省しないで繰り返す奴は最悪。成績がいいから許せ?毎度毎度酒癖で失敗しているのに何様なんだろうね」


 貴光君が子犬のようにかばった男性に近づいていく。


「ねえ、まだかばうのかな?」


 その子犬の中身は狼だった。


 泥酔男は従業員に連れて行かれ、かばおうとした男性もいなくなっていた。


「あ~あ、会場の雰囲気は最悪ですね」


 副社長の言う通り場の雰囲気は氷の様に冷めきっていた。


「ボスはちょっとやりすぎたようです」


 貴光君はどうにか盛り上げようとしているが、原因がどうやってもどうすることもできない。


 副社長が立ち上がる。


「ここからは僕達大人がどうにかします。さすがにボスに甘え過ぎました。常葉さんはボスをどっかに連れ出していってもらえます?ボスがいるとどうしようもないので」

「なぜ私が」

「今ここでボスが気を許せそうなのは常葉さんぐらいしかいないんですよ」


 そう言って副社長は演台の方に向かった。

 仕方ない私も動くか。


 副社長がマイクで話し始めたところで貴光君の元に着いた。

 今の貴光君には最初の明るさも、怖さも無かった。話す副社長を見て自分が間違ったこと実感したただの子供だった。


 私が誘導すると大人しくついてくる。

 ホテルを出て近くの公園に行った。


「あー久しぶりにやっちゃいました」


 ベンチに並んで座ると貴光君は下を向いたまま力のない声で喋る。


「最近なんでも上手くいくから調子にのると大失敗することを忘れてましたよ」

「大丈夫、私もよく失敗する」

「あーそうですか。いやですね失敗は。会場にいた人たちにはドン引かれたから俺が会社にいても気まずいかもしれませんね」

「そんなことない」

「さすがに迷惑でしょうから今後は助言するだけにしましょう。会社には二度と行きません」


 これは危ない兆候だ。私の声なんて聞こえていないだろう。昔の私が同じような状態になったことがあるからわかる。

 それでもこんな短時間ではならなかった。いつも明るい貴光君にも深い何かがあったのかもしれない。


 でも大丈夫。対処法を私は知っている。だって貴光君に私は救ってもらったのだから。


「!?!?!?」


 貴光君の頭部を私の胸に埋めさせた。

 私の時は出会いの時の貴光くんの可愛さと勢いで、人の言うことが聞ける状態に戻れた。だから同僚たちに男性を元気にするにはどうすればいいか聞いたのだ。

 いつか貴光君が同じような症状になった時の為に。


「あ、いやなんでときわさんに抱きしめられているのでしょか?」

「聞こえる?」

「え?聞こえますよ。はい」


 良かった戻って来れたみたいだ。


「もしかして俺かなりヤバい状態でした?」

「全然こちらの声が届いていなかったね」

「それはキてますね。そっか~やばかったか」


 またヤバくなりそうだったので腕に力を込める。


「止めてときわさん!これ以上は口まで埋まって窒息死する!」


 しかたない緩めてあげよう。


「出来れば離していただくといいのですが」

「しばらくはダメだ」


 そうですかーと呟く貴光君。


 戻してあげたのだから私にも役得があってもいいだろう。


 貴光君は深い何かのことを話すつもりはないだろう、私も聞くつもりはない。


 だから心配させた分抱きしめさせてくれ。


上層部は貴光を大人として扱っていた節があります。

でも貴光は自分のキャパを越えたときなにもできない子供になります。

大人にどん引かれたらアホでもない限り中学生にはどうしようもできませんよ(;´д`)


1人だけ泥酔男から助けられた女性だけ貴光に惚れましたね。

貴光にしては珍しく少ないです。

アレ?普通は何人にも惚れられるのおかしいですよね(;・ω・)

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― 新着の感想 ―
[一言] まだアルハラって認識ない頃だもんなぁ 認識ある現代でもこれなんでなぁ 人生ニ周目といっても何でもできるわけじゃないので仕方なし
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