魔女王からは逃げられない
やっちまった・・・(;´Д`)
ある新入社員
新人研修が終了して、これから同僚となる仲間と中を深めるために飲みに行こうというという話しをしていると、教育係の先輩達を引き連れて三十代くらいの仕立てがいいスーツ姿の女性が部屋に入ってきた。
「私はこの会社の専務です」
その言葉を聞いた瞬間に私達は直立した。
副社長の次に偉い専務がどうして新入社員の研修に?絶対にありえないことにパニックになった。他の仲間達もそうだ。
「立ったままで構いません。これからあなた達に我が社の重要人物に会ってもらいます」
え、重要人物?専務が言うほどなんてもしかして社長なのだろうか。
一代でしかも短期間で会社を興して日本でも知らない人はほとんどいない一流企業にした人物だ。その手掛ける飲食店、服などだけでなく、様々なことに手を出してそのほとんどを大成功に収めている。
最近は科学者、技術者を集めて革新的な技術などが公表されていた。そうしないうちに電話は手のひらサイズになり個人に一つずつ持てるようになるそうだ。
その手腕は未来を予知しているとしか思えない人で、入社式の時に見た社長はもの凄い美人な人だった。
そんな人がやって来るのか。喉がゴクリと鳴ってしまう。
だって教育係の先輩達がもの凄く緊張しているのだ。確実だろう。
「入ってきてください」
専務が呼びかけるとドアが開いた。
「「「え?」」」
入ってきたのは小学生の女の子とボサボサ髪の白衣の女性だった。
ただその小学生の恰好が凄い全身黒尽くめでレースやフリル、リボンでこれでもかと飾られスカートどうやってかわからないが膨らんでいる。編み上げのロングの靴で、頭はヘッドドレスで飾られていた。
その顔は美少女で濃ゆいアイシャドウをし、暗めの赤い血のような口紅をさしていた。
異常な姿なのにその子はそれで完成させている美しさがあった。
そのあとに続いて入って来たのはボサボサ髪で目の下に濃ゆいクマを作っている。白衣を着て隠しているがスタイルはよさそうだ。着飾れば少女と同じくらい美人になるかもしれない。
二人は専務の傍に寄るとことらを方に身体を向けた。
ボサボサ髪の女性は興味が無いのか今にも寝そうである。
対して不思議な恰好の女の子はじっとこちらを見ていた。その目は箱に入れた昆虫を見るような目だ。
「あの人と、そっちの女性、そこの短い髪の男性、一番奥にいる男性もですね」
ほんの数分だろうか、私達を見た彼女は次々と指差して選んでいく。
「本当かい?」
専務が彼女に訊ねた。その顔は残念そうにしている。
「社長程ではないですが九割ぐらいで当たっていると思いますよ」
「いや確認しただけだ。あの馬鹿社長が自分の代わりに君に頼んだんだ当たっているだろう。さっき指差された者は前に出て来てくれ」
指を差された四名が前に出てくる。その表情は困惑していた。
「君たちはわが社に居ても出世することもない。重要な仕事を任せることはない。それでもいいなら残ってくれてかまわない」
一瞬、私達は何を言われているのかわからなかった。四人も同じだろう。
「は、なんでいきなりそんなこと言われなくちゃならないんだ!」
「そうよ!研修も終わってこれからなのにどうして出世できないなんて言われるの!おかしいでしょ!」
「そのガキが何か言ったのか?この会社はガキの言いなりなのか!」
「ふざけんなよクソがき!」
四人から罵声が飛ぶ。
当たり前だろう。私達だって不信感を持つぐらいだ。
だが専務と少女は平然としていた。
「あなた達四人は、私ではなくこのボサボサ髪の彼女を部屋に入ってから私が指差すまでずっと見てたんです」
少女の口から人を誘惑する声が紡がれる。
「おかしいですよね?私こんな注目するような格好ですよ。普通はわたしを見るはずですよね」
首を傾げて目を細めて笑う彼女は小悪魔だ。
「彼女は世界的に有名な技術者ですもんね。もしかしてそれで見てしまいましたか?」
「そ、そうよ。雑誌で見た事あるわ!だから凄い人だからあなたなんかめにはいらなかったの」
四人の内の女性が声を上げる他の三人も同意した。
「んーそれはおかしいんですよだってこんな格好で表に出ることはないんですよ」
少女はある雑誌を広げた。
そこには女性技術者が新しい技術を開発したことが書かれていた。
そして乗っている写真の女性は出来る女という感じで、目の前でウトウト眠りかけている女性とはとても同一人物には見えなかった。
「お化粧って凄いですよね。ほぼ別人ですもの。ところでこの写真を見てどうやって彼女が同一人物と部屋に入った瞬間からわかったのですか?今の姿の彼女は雑誌にもメディアにも出たことはないですのに」
四人は口をパクパクするだけで声が出なかった。
「辞めるつもりがないなら徹底的に身辺調査をするぞ。やましいことがないなら訴えてもかまわない」
まあ負けることは無いがなと専務が断言した。
四人は社員に囲まれて出ていった。
「助かったよ。お礼は後でするから」
「このくらいでいりません。社長と約束したんです。お姉ちゃんたちを海外に連れて行く間は会社のことを手伝うって」
「あの馬鹿社長・・・ボスに言って酷い罰を受けさせてやる」
「社長を責めないでください。海外に行くのを勧めたのは私ですから、その間は貴お兄ちゃんにアピールできますので」
「小学生に翻弄される会社か~。あっけなく潰れそう・・・」
「貴お兄ちゃんと社長がいればどうにかなるんじゃないですか?ああ、誰か常葉さんを仮眠室に連れて行ってあげてください。寝るところを無理に来てもらったんです」
残った新入社員の私達はもしかしてかなりヤバいこと聞いているのかもしれない。
でも誰一人、怖くて動けなかった。
「あとそこの男性、貴お兄ちゃんに反応しましたね。瞳孔が小さくなりましたよ」
ヒィ!専務と話しているのにこちらを監視してるの?瞳孔ってなに、そんなので判断しているの?
また一人連れて行かれた。あの人たちはどこに連れて行かれたんだろう。
ボーとしていると少女がこちらを見ていた。
足が震える。汗が止まらない。顔が引きつる。
「お姉さん、私の恰好に興味を持ちましたよね?あと常葉さんを見て着飾ればいいとも考えていたかな?」
なんで私の考えていたことがわかったの!?魔女?魔女なの!?
「うん、お姉さんは服飾と美容、モデルの方もいいかな。専務さんよろしく」
「わかったわかった。君の鑑定は信用しているよ。というわけだ君はさっき言われた部署に決定だ」
私の人生が一人の少女に決められた瞬間だった。
貴光視点
目の前に見慣れない天井が見えた。
「あ~いつの間にか寝てたのか」
はっきりしない頭で考える。
友人とみやことソフィがアメリカに行っている間の社長代行は地味に疲れた。実務は副社長がしてくれるのだが奇人変人の技術者たちを相手にするのは連続だと疲れる。面白いんだけどね。おっさんが水着の新素材を作っているんだけどなぜかスク水作ってんの。大笑いしてやったら未来の水鉄砲を作って撃ってきやがった。教えていなのに作っているなんて不思議なことも起きたもんだと感心したね。
予備を奪って中身を墨汁にして反撃してやった。泣くんだぜおっさんが。
一応、両親には社会勉強で友人の会社で雑用していることになっている。俺より友人のほうが親に信頼あるからこの嘘はバレることは多分ない。それに雑用は本当だしな。奇人変人の後処理の雑用だが。
だから社長室のソファーで休憩しているうちに寝てしまったようだ。
「起きましたか貴お兄ちゃん」
「え、なんで璃子ちゃんが俺の上に乗って胸にスリスリしてるの?」
いつの間にか璃子ちゃんが俺の上に乗っていた。
その格好はゴスロリ。
モデル業をしている璃子ちゃんにアイデアはないかと聞かれて作った一品だ。通気性、動きやすさを追求したら素材だけで百万飛びました。それから作ったのでいったい幾らになったのだろう。服飾の連中に聞いても逃げるんだよな。いつのまにか俺の自費になってるし、別にいいけどさ。
璃子ちゃんにプレゼントしたら大喜び。
嬉しかったのでデザイン違い色違いを更に数着プレゼント。
璃子ちゃんの普段着になりました。
毎日車一台を着ている小学生・・・なんかいいな!
「社長の代わりに仕事をしてきました。褒めて下さい」
あの馬鹿!小学生に自分の仕事を頼んだのか。あーそういえば人物観察とかの方法を璃子ちゃんに教えているとか言ってたな。なかなか筋がいいと聞いている。
そのたぐいの仕事かな結構重要な仕事じゃないか!やはり連続ケツバット機を作らないといけないな。
「無理していない?璃子ちゃん」
「そこまでは。でもなでなでしてくれるなら回復します」
しょうがないなー可愛い妹分のお願いだ。しばらくしてあげよう。
みやこ&ソフィ「『は!何かを獲られた!』」
魔女王「ククク、これで一歩リード」
璃子ちゃんはあまり書かないように決めてたのにな(;・∀・)
貴光ピンチ!そのうち会社を魔女王に乗っ取られるぞ!




