怒
こういう教師は平成初期はまだいました。
「久下君、どうして穏便に済ませようとしなかったんだね」
「は?普通に授業の妨げになったので先生に教えただけですよ」
俺は今、校長室にいる。
ほかには校長、教頭、山内、学年主任だ。
入学してから一月半、少し大人(?)になった俺は普通の中学生活を送っていた。
俺が動かなかったら面倒くさいことが起きないことに気付いたのだ。気づくまでに何年かかったかなぁ。大半は面白かったからいいけど。
今は普通に中学生活を楽しみ、みやことソフィといちゃついて満喫しようとした。
それを担任の山内が邪魔してきた。
なにかと俺に突っかかってくる。
子供のくせに、女を侍らせて親はどんな教育してきたんだとか、嫌味をチクチク言ってくる。まあおおむね正しいのだが。
俺は未来の知識で山内の質の悪さを知っているし、来年には定年退職することを知っているので我慢することにした。波風は立てたくないのだ。
俺も大人になったものだ。うんうん。
我慢しようとした。
だが山内の授業に我慢できなかった。
山内の担当は数学なのだがこれが最悪だった。
何十年も前のやり方の授業で、ただ黒板に書いていくだけの生徒が理解しているかもわかろうともしない自己満足の最低な教え方だった。
前の私の時にはこの時に山内が受け持った一年生の数学の成績は山内が受け持っていない生徒との差がありすぎて問題になったほどだ。
それでもその当時の学校は生徒が怠けているで無理矢理解決させた。山内の授業を受けても成績優秀な生徒もいたからだ。その生徒は塾に通っていただけなのだが、学校はそこは無視した。
それだけなら俺はみやことソフィだけ別に勉強させるだけで終わったのだが、山内は授業で俺を集中的に狙い撃ちしてきた。
正解しても途中経過を言わないのは間違っているとか、たまに間違えたらこれくらいもわからないのかとネチネチ嫌味を言ってきた。
我慢の限界だった俺はつい言ってしまった。
「じゃあ、あなたの目は節穴なんですね。生徒が二人も机ごといなくなってもきづかないんだから」
と、爆弾発言をしてしまった。
いや本当に山内は節穴なのだ。
ほとんど黒板に書いているので、調子に乗った男子生徒が物を投げて遊んだり、途中で抜け出したりとやりたい放題だったのだ。酷いのでは暗幕に包まれた状態で山内から数メートルの所で一時間やり過ごした馬鹿もいる。
今回は俺のいた小学校出身の男子にはさせなかったが他の出身の連中はやっていた。
俺が指摘したときは、ベランダに机とイスを隠してクラブ棟に行っていたようだ。
気づいた山内は激怒した。
ただし相手は俺。
あまりの理不尽さにみやことソフィが立ち上がり、小学校の同級生たちも俺をかばってくれた。
騒ぎを聞いて駆け付けた教師がその場を治めて、俺と山内は校長室に連行されることなって今になる。
そして校長から言われたのが冒頭の言葉である。
「生徒が教師を他の生徒の前で注意するのは間違っているんだ。そんなこともわからないのかな?君は頭が良いと聞いていたが」
んん?何を言っているんだこの校長は。
山内も頷いている。
俺がおかしいのか?
教頭を見ると顔が青ざめていた。小声で校長・・・と止めようとしている。
よかった俺がおかしいのではないみたいだ。
「最近の生徒は教師を舐めている。久下君はその筆頭です。今のうちに正してあげないとこの子の為になりません」
ナニヲイッテイルンダロウカコイツハ
「授業をサボった連中でなく俺がですか?」
「その子達はもちろんそれなりの対応はする。しかし教師に生意気な態度を取った君も処罰しないと他の生徒に示しががつかないからね」
そうだった。この時代はまだ教師の存在が神だと思い込んでいるこんでいる馬鹿がいたのだ。だから山内の奴みたいのに平気で子供を生贄に差し出すのだ。
「わかりました」
「うん。子供は聞き分け良くなければな。では処罰だが・・・」
「処罰なんか受けるかよ」
「な!」
拒否した俺に驚く校長と山内。
「あんたらどんだけおかしいことを言っているかわかっているか?いいよ勝手に処罰しろよ。でもその時は遠慮なくあんたらを潰すからな」
呆気に取られる馬鹿を置いて校長室を出る。
さっさと出ないとあの場で暴力を振るわれる可能性あったからな、反撃するけど俺の方も被害が大きくなる。
「たか君!」
『タカ!』
追いつかれる前に学校から出ようと玄関に向かっていたら、みやことソフィがやってきた。
「二人ともまだ授業中だろう」
「教室は大混乱だよ。西尾先生がどうにかしようとしたけど全然だめ」
『それよりもタカどうしたのその顔!』
顔?別に殴られてもいないぞ。
「すごく怖い顔してるよ」
みやこが心配そうに俺の右腕を取る。
『タカはいつも笑ってなきゃ。私達が心配するでしょ』
ソフィが力いっぱい左腕を取った。
そうか怖い顔か、タイムリープして初めてなんだよなこんなにムカついたの。勉強会を中止にしたときでもここまではイライラしなかった。
落ち着け俺。ステイステーイ。
「・・・よし!落ち着いた。ありがとうなみやこ、ソフィ」
「その笑顔は反則だと思うよ・・・」
『ちょっと恥ずかしいわ』
あっれー?二人は顔が真っ赤だ。なんでだー?
「く、久下君!」
西尾先生が走ってやって来た。
廊下は走ったら駄目ですよ。子供でも守っていることです。
「そ、その校長との話は・・・」
「西尾先生は香山先生から俺がどんな小学生だったか聞いてますよね?」
西尾先生の聞きたいことは無視した。
「あ、いやうん聞いているよ」
「中学生活は普通に過ごそうと思ってました。でもそれを壊したのは校長と山内先生です。なら俺は俺の生活を守るために容赦はしません」
西尾先生からああと声が漏れる。
ごめんね。あとで香山先生に美容セットでも送っておきます。
「じゃあ、これ以上ここにいたら暴力を振るうかもしれないので俺は帰らせてもらいます。欠席にでもしてください。あと期末まで登校しませんからよろしく」
「ま、待ってくれ!登校しないって・・・」
聞きませーん。
「二人はどうする?」
一応聞いておこうか。
「私も休むよ?」
『何を聞いているのかな』
両親の他に二人の親も説得しないといけないかー。
期末まであと一か月だ忙しくなるな。
実際にいたんですよ教師至上主義の先生。
昭和の映画でよく見た理不尽な教師は本当にいたのです。
授業中に生徒が五人いなくなったのに普通に授業した教師、気づいていたのかいまだにわかりません。(;・ω・)
釣り合うバカップルを書いたら、ざまぁを書きます。
今日中に書けるかなぁ(;´д`)




