生地の戦いpart2
黒部川付近 柿崎景家
長重「本当にこんなことするんですか」
景家「しろ、て言われたんだから仕方ないだろう」
幸助「もし本隊が決戦をして負けてたら、そのままこの軍も負けますよ」
景家「わかってる。だから俺らはこんなに走ってるんだろう」
そう。うちの部隊だけ独立部隊して扱われ、若栗から生地だ。
なんでそんな、損な立ち回りをしなきゃいけないんだ
作戦は簡単だ。本隊が新保隊と衝突しているところを、俺の部隊が横に差し込む。
簡単だが、うちの機動力にかかってる
景家『さっさと走れ、今日の夜までに若栗を抜けて、近くの林に隠れなきゃいけないんだ』
兵たち『うぉー』
兵たちも大変だな
燕凛「殿、失礼します。報告に参りました」
景家「何だ」
燕凛「殿のいう通り、氷見衆並び倶利伽羅衆が長尾に味方すると約束させました」
景家「うむ。大儀であった。燕凛、本願寺と新保に動きはあるか」
燕凛「特にありません」
景家「何よりよ。本願寺の動向を見張ってよけ」
燕凛「御意」
今回の新保攻め、新保単体なら難しくない。能登は長尾派だから動かない。問題は本願寺だ。
長尾の無碍光衆禁止令で、一向宗との仲は最悪だ。本願寺が動くとどうなるか分かったものじゃない。
せっかくまとまった、越後上杉との和議すら破綻しかねない
政助「お頭、ようやく目的地が見えてきましたよ」
景家「予定道理、すぐに林に入って姿を隠せ。明日の日の出とともに戦が始まる」
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新保勢本陣 寺島職定 朝
職定「すぐに水越勝重に左翼に回るように指示しろ」
最悪だ。長尾が来るまではわかっていた。事前に考えていたように黒部川付に陣を敷いていた。長尾の方が兵も多いいから正々堂々と戦うと思っていた。なのに日の出とともに一気に攻めてきた
伝令兵「伝令、水越殿からで、左翼がもたないから援軍をとのことです」
職定「仕方がない、後詰めの部隊を左翼に回せ」
伝令兵「右翼の長尾勢の勢いが失せてきました」
職定「本当か、すぐに左翼に部隊を回すように指示をしろ」
どうにか前線を維持できるようになってきた。
流石の100錬磨の長尾為景もこれまでか。
職定「右翼をつぶしたらそのまま為景の首をとるぞ」
兵「おー」
この戦勝ったぞ
職定「われらも前線にでて、長尾をつぶすぞ」
伝令兵「伝令、緊急事態です」
職定「なんだ、左翼を破ったのか」
伝令兵「先ほど、右翼にいきなり新手の長尾隊が現れました
職定「新手が現れただけか。問題あるまい」
伝令「右翼の第一戦線は完全に崩壊しました」
職定「なら、さっき左翼に回した部隊を」
伝令B「左翼に長尾の後詰めが到着し、左翼が押されています」
職定「やってられるか」
兵A「まもれ。ここを何としても守れ」
もう近くに敵が来ているのか
職定「わし自ら相手をしてやる」
兵B「なりません。お逃げください。ここは我々が死守をするゆえ」
柿崎景家「われこそ、長尾家家臣、柿崎景家なり。寺島職定の首頂戴する