決断
すいません、柿崎景家は当分のあいだ弥太郎でお願いします
1523年
転生してから、10年が経ちました、その間、武将となるべく日々稽古に励んでいました。
木を相手にひたすら振っていました。父上からは最近、兵の稽古に入らないかを言う話があって、それに参加しようか悩んでます。正直前世は、コミュニケーション能力が欠如しすぎてほとんど人と話すことができなかった、自分に仲間ができるのか不安です。
いつも通り、森に稽古行って帰ってきて、汗を拭いているとき
母 「弥太郎、父上がお呼びですよ」
何か父上がお呼びのようだ
弥太郎 「父上およびでしょうか」
利家 「はいりなさい。殿からお前とともに、城に来いと呼ばれた」
弥太郎 「何か悪いことをしましたか?」
利家 「おぬし、同年代からなんと呼ばれているのか知っておるのか」
弥太郎 「知りません。というよりも、同年代と話した記憶がないのですが」
利家 「は、確かにおぬしは同年代より、体格や剣の筋もよいのだが、もう少し、人との話し合う能力を持ちなさい。おぬしは今、【剣鬼】と呼ばれておるのだ」
弥太郎 「それがどうして殿に呼ばれるのでしょうか」
利家 「そのうわさが殿耳に入ったのだ。それで、一度おぬしに会いたいと言い出したのだ。」
弥太郎 「わかりました。」
新発田城
新発田城の中に初めて入った。正直、城というよりも、大きい館と、防御システムのある場所だった。城といえば、水堀があって、その内側に石垣、その上に城があるイメージだけど、この時代には、石垣というよりも曲輪が崩れないようにするために使い物で、城のイメージが崩れた。
利家 「弥太郎何を見ている」
弥太郎 「初めての城に、驚愕していました」
謁見の間に入ってから、半時ほどたった。
この時代の、時間に対する考え方は、10分などの考え方がなく、ほとんど、30分定期の考え方で、いまだに慣れない。
小姓 「殿のおなーり」
50代くらいの白髪交じりの人と、40代くらいの顔のいかつい人が入ってきた。
??? 「まろが、上杉定実じゃ」
弥太郎 「恐悦至極に存じ上げます」
定実 「そちが、剣鬼かの」
弥太郎 「は。そう呼ばれているそうです」
定実 「面白そうな小僧だな、利家。」
利家 「は、そういってもらえるとありがたい限りです。」
定実 「今後とも、親子2代わしに仕えてくれ。」
利家、弥太郎「は。今後ともよろしくお願いします。失礼しました。」
あれはだめだ。定実は、この戦国に生きていけないや。公家に生まれていれば、意味があったかもしれないけど、戦乱の大名としては滅ぶ。どうにかして、家を残す方法はやはり裏切りのみか。