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越後の忠臣  作者: のらねこ
第三章
34/45

決別の義

春日山城 柿崎邸

景家「母上ただいま帰りました」


母「おかえりなさい。あら、背中の可愛い女の子はどなた」


綾「えと、おはつにおめにかかりますははさま。かげいえさまのつまになります綾です。こんごともよろしくおねがいします」


母「かわいらしい子ね。あなたのお嫁になるの?」

そういって綾を抱きしめてた。


景家「母上、綾は為景様のご息女ですよ」


母「そうなの。あなたも長尾の一門」


景家「えっと、父上は」


母「利家様なら外に出てますよ。私は怒ってませんよ」


景家「母上は何もおっしゃらないのですか」


母「私はかまいませんよ。小雪、綾さんと景家の部屋に行ってなさい」


小雪「わかりました。綾さん行きましょう。若様のものを物色しましょう」


綾「えと、よろしいですか」


景家「綾の好きなようにしな」


綾「小雪さんについてきますね」


母「あなたはそこに座りなさい。少し話をしましょう」


居間に座るように指示された

母「さっき言ったように私は怒ってませんよ。父上は怒ってるみたいだけど」


景家「やっぱ怒ってるんですか」


母「父上は、武士として恥ずかしいとか嘆いていますよ。いつから裏切るのを決めたんですか」


景家「もしかすると、その場で決めたかもしれないじゃないですか」


母「いいえ。あなたは賢明な子です。いきなり裏切るようなことはありませんし、私たちを逃がすために忍びを使たではないですか」


景家「そうです。母上の言う通り上杉定実に会った時に決めました。あれの元にいても飛躍することはできない、そのために長尾に付きました」


母「後悔はしない」


景家「はい。後悔はしません。私には夢があります。この柿崎家を天下の名家にすることです。そのためなら、どんな決断でもします」


母「そう。ならあなたの自由にして夢をかなえなさい」


景家「はい。必ずやかなえて見せます」

母「楽しみに待ってますね。予定があるからここに来たんでしょ。すぐに予定を済ませて帰りなさい。もう、私たちとは会ってはいけません。今生のお別れです」


景家「それは言い過ぎでは」


母「あなたの決断にはそれほどの意味があるわよ。決意を持って決断しなさい」

そんな決断できるわけがない。天下か両親か


景家「母上たちの決断は固いんですか」


母「そうですよ」


景家「わかりました。母上今生のお別れです。私は天下を取って見せます」


母「そう。良かったわ。こんなので決意が鈍っているようでは、天下なんか夢のまた夢です。小雪たちを呼んできますね」

両親を捨てた。血のつながりのあるものすべてを切り捨てた。ここまで来たら後には下がれない

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