表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】闇堕ち聖女は戦渦で舞う  作者: アトハ
17章 にくきかたきを打ち倒せ
94/107

囚われの魔王様

年末年始は更新止まります。

次更新は、1/6(金)予定で、そこからは毎週金曜に更新予定です

 魔王の心臓の行方。

 それは、アルベルトなりの対策だった。


 魔族にとっての心臓。

 それは致命的な弱点であり、敵地に渡るにあたって守ることは最重要だった。



 アリシアを人質に、魔王をまんまと呼び寄せたシュテイン王子。

 次に狙うのは、心臓をすべて奪って、不完全だった支配の術式を、完全なものにすることだろう。


 何が何でも防がなければならない。

 先手を取って、心臓は魔王城に置いていく――もちろん、戦力的には大きく弱体化するだろうが、それは必要な措置だった。



 かくして必要な準備を終え、アルベルトはニルヴァーナの砦に出向いた。

 たちまち王国兵に取り押さえられ、彼はシュテイン王子とイルミナの元に連れて行かれることとなる。



「心臓が、ありませんわ……!」

「貴様! 心臓はどこにやった!!?」


 思った通りだ。

 憤怒に染まったシュテイン王子の顔を見て、アルベルトは余裕の笑みを浮かべる。


「さてね。どこかに忘れてきちゃったみたいだよ」


 そう、すっとぼけた。



「貴様ァ!」

「やれやれ、血が登りやすいのも考えものだねえ。駄目だろう、捕虜には優しくしておかないと」


 へらへらと笑うアルベルトは、隙を伺っていた。

 シュテイン王子だけなら、すぐにでもその首をねじ切れる自信があったが、隣にたたずむ少女は油断ならない。


 それにしても、まさかこんな方法を取ってくるとは……。

 やっぱりあの時、確実に仕留めておくべきだったか。そう考えていたが、



「……おまえは、誰だ?」


 魔力の波長が違う。


 気の所為かと思ったが、やはり違和感が強い。

 不思議に思って、そう尋ねたアルベルトに、


「ふふ、何のことですか? 私は、イルミナですわ」


 涼やかな笑みで、少女は、そう答えるのだった。



 アルベルトには、魔力を封じる拘束具が取り付けられた。

 目隠しをされ、そのまま王都に運ばれていく。

 普段のアルベルトなら、この程度の拘束具は力ずくで取り外せただろう。しかし心臓を置いてきた今は、並の魔族と同様の実力しか発揮できないのだ。


「――さてと、しばらくは、大人しくしておくとしようかな」


 精々、油断しておいて欲しいものだ。


 どう転ぶかな。

 アルベルトは見たこともない運送用魔導機の中、平然と眠りについたフリをするのだった。



「この状況で、よくもまあ眠れますわね」

「言葉に気をつけろ、ニセモノ。戦争を続けるための象徴の役割――最後まで担ってもらわなければな。バレるような真似は許さんぞ」

「やれやれ、怖いですわ」


 シュテイン王子とイルミナ(?)は、ぺらぺらと緊張感なく喋り続けていた。

 聞き耳を立てている魔王に、気がつくこともなく。


「それでも、ふてぶてしいですわね。敵地のど真ん中で、こうして眠っているなんて」

「ふん。蛮族には、命の危機すら無いらしいな」


 彼らは、油断しきっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▼コミカライズはじまりました▼
lzmac5arhpa97qn02c9j0zdi49f_1ad4_p0_b4_4zqc.jpg
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ