ほんの些細なこと
自分は読み専なのだが、小説を読む上でどうしても気になってしまうことがある。
その1・『意外』と『以外』の間違い
どちらも『いがい』と読めるが意味はかなり違う。詳しい意味は各人で調べていただきたいが、ここは例文として上げると
『意外』→「あの人って意外とかっこいいよね!」
『以外』→「プリントが終わっていない者以外は帰っていいぞ」
という使い方になる。ちなみに例文は適当に思いついただけで深い意味はない。単なる間違いであるのだが、結構な割合でこの間違いを目にする。作者が表現したい意味は前後の繋がりで理解できるが少々、もやっとなる。更に細かく言うとたまたま公共放送であるTVのテロップにこれが混ざっているのを見つけた時はイラッとする。
その2・『みみざわり』の使い方
表現の一つとして使われる『みみざわり』。よく見かけるのが「耳触りの良い言葉を~」といった一文。しかし待っていただきたい。本来『みみざわり』とは『耳障り』と変換され意味としてはそれ自体に「不快な音」を示す単語だ。『障』と言う字がどんな時に使われているかを考えていただければ理解が早いかと思われる。
本当に正しく表現するなら「耳に聞こえの良い言葉を~」などが挙げられる。これも理解はできるが、やはりもやっとする。
最近では誤用として定着しているようで、間違いではなくなりつつあるようだが公の場でのニュース記事などで使われているのは個人的にアウトと思っている。
その3・『役不足』と『力不足』の使い方
その人物の実力に対しての評価(または身分など)が、過剰なのか不足しているのかで使われる言葉だろう。本来、評価に対して実力が下の場合が『力不足』で、評価に対して実力が上の場合が『役不足』のはずなのだが、これを逆に書かれているのを良く目にする。
前後の文から言いたいことは理解できる。しかし、間違いなのだともやもやするのだ。作者が覚えた時は『実力不足の文字に力不足があるから』だった。字面を並べると覚え方が単純になることもあるという話である。
役不足は日常的にあまり使わない気がするので、一方だけ覚えておけばおK的なノリだったりするが両方覚えているに越したことはない。
ちなみに力不足の意味で書くのなら『役者不足』ならば間違いではないらしい。舞台をするのに演じる役者の人数が足りないなら確かに公演はできないなと納得した覚えがある。
一文字入れるだけで、意味が逆転するのだから日本語は大変に興味深いし難しい。
その4・文章にした時の『言う(いう)』
わざわざ文章と指定したのには理由がある。何故なら口頭語としてならば、ゆうと話しても十分に通じるからだ。
しかし文章にした時に正しい読み方ではないので変換することはできない。結果、ひらがなで「ゆう」とポツンとあらすじ辺りに入っていたりすると、あ(察し)となってその物語には手をつけないとなる。単なる読まず嫌いという個人的な話だが、文字で表現するのは難しいのだと改めて思う。
その他に『異議』と『意義』の間違いもある。逆〇裁判をプレイしたことがある人なら正解はたやすいだろうと思われる。法廷で飛び交っているのは『異議』。
あとは読む時に気になるわけではないのでここに書くべきではないのだが、個人的に『地頭がいい』の文にあれ?じあたま?じとう?どっちだっけ??となる。(正解は『じあたま』。『じとう』だと意味が違うし、そもそも単語だけで使う。タイピングする分には変換可能なのでどっちでも構わないのだが)
細かいと言われたらそうだと言えよう。だが物語にのめり込んでいるところにぽつりとこのようなことがあると、とたんに現実に引き戻されるのも本当である。
まぁ、タイトル通り一読者の『ほんの些細なこと』なのだと適当に流していただけるとありがたい。
え?その作者に伝えないのか?質問に答えるなら「YES」もしくは「はい」。何故なら表現というものはその作者のものであり指摘するのもお門違いな気がするからである。(極端な話だが読めれば良い場合もある)なので、これからも密やかになおかつ静かに物語を楽しんでいようと思う。
ふと思いついた時に増えたり文章を変更することもあるが、それもご愛嬌ということで。
お付き合いいただき、ありがとうございました。