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懐古3
結婚生活は最高だった。
料理も家事も、完璧にできる和海との生活は、
快適で、楽しいばかりだった。
和海は、体も最高にいい女だった。
顔は好みではないが、可愛らしい部類であり、
いつも俺の健康を気遣って、
一生懸命家事をして、
俺がどんなに遅い帰宅でも、
寝ずに待ってくれていた。
俺は人生で初めて、守ってやりたい!
大切にしたい!という思いで、
女を愛する事ができるようになっていた。
結婚から4年目、
和海が、子どもができたの!!
と報告してきたときは、
心底嬉しくなり、涙がこみあげた。
俺は、父親になるのだ!!
俺の子ども。
幸せになってほしい。
辛く悲しいことには、なるべく見舞われずに、
健康体で育ってほしい!!
そんな気持ちがどんどん膨らみ、
大きくなる和海のお腹を毎日さすっては、
生まれてくる日を、待ちわびていた。
そして、子どもが生まれ、
俺は、幸せの絶頂。
まだ里帰り(と言っても両親がいないので、親戚のところに身を寄せているのだが)中の和海に、
明日は子どもにも会いたいので行くよ、
と伝える電話をしながら、
駅の改札を出たところで、
彼女、叶絢子を助けたのだ。