昏睡
初投稿です。
語調が気に入らなかったら蹴ってください。
お手柔らかに読んでいただければ幸いです。
2040年、高2になった。
ようやく春の風が吹き始めたようだ。
僕、田野 圭は、この私立紺陽詠高校の2年生だ。
そして、昨日、僕は入学してから恋慕の情を抱いていた女子に告白をした。
成功した。
こんなに足が軽いと思った日はない。
やっと高校生活に色が付き始めたようだ。
「よう!昨日は、どうだったんだ?」
今日はやけに強い調子で背中を叩きながら、ニヤついた顔でこっちを見てくる。
こいつは、一年の時からのクラスメートであり、初めての親友の志井 賢吾だ。
「おう!それがな…。」
あの瞬間の嬉しさがまた込み上げ、口元がゆるんだ。
「えっ⁉︎マジで⁉︎本当に⁉︎」
まるで絶対に成功するはずがないと思っていたような驚き方をする志井を横目であしらいながら、
「ま、当然のことだろ。やっと高校生活が始まったわ。みんな俺の良さに気づくのが遅いよ、まったく…。この気持ちはやっぱり良いよな!あっ、ごめん。お前、始まってなかったんだな。いや、すまんすま…」
予想以上の痛みに、思わず膝が曲がる。
「…っおい!みぞに入ったぞ…痛ってぇ…」
「ざまぁみろ!お前なんか豆腐の角に頭打って死ねやっ!」
半泣きで駆けていく志井の背中を腹をおさえながら追いかけていく!
「ごめんて!冗談じゃん!許してよ!」
「許すとか許さないとかじゃない!お前は裏切ったんだよ!俺たちは、何1つ恋色をつけない真っ白で清潔な高校生活を送るって誓っただろうが!」
「確かにしたけど、それは…その…本気でそうは思わないじゃん?」
「ちくしょう!この馬鹿野郎!」
志井はさらにスピードを上げて走っていく。
「ちょっ、おい!待てよ!」
交差点に出た瞬間、通りの少ない道路にめずらしく大型車が眼前に現れた。
「っ!えっ、やば…」
鈍い音。
見たことのない高さから道路を見た。
まったく、ついてない。
朝の占いの黒に注意ってまさかこれかぁ。いや、そんなの予想できるわけないだろ。
あれ…すっげぇ気持ち良い…
…あっ、志井が戻ってきた…
なんでさっきより泣いてんだよ。
…あぁ、眠い…………
目が覚めるとそこは病室だった。
側にあった時計に目をやると9時30分。
まずい、1限無駄にした。
なんて言い訳すればいいんだ。
途方にくれるのもつかの間、
そういや、俺事故ったんだったわ。
なんだ、考えて損したわ。よっしゃあ、一足先に夏休みだ。
それより、ここはどこだ。どうやら病院のようだが窓からの景色に見覚えがない。
すると、病室の扉が開いた。
入ってきたのは、白衣を着た人が2人、スーツを着た人が5人、病室の外には、SPのような人が見えた。
「お目覚めのようですね。私、…研究所所長の目盛 健というものです。」
「はぁ。」
聞いたことのない名前の研究所だった。怪しい感じしかしない。
「突然のことで理解するのに時間がかかるかと思いますが、今日は2120年6月25日で、2040年6月5日にあなた様は事故にあって植物状態になり今さっきまで眠っていました。そして、ご両親の了承を得て我々の研究に協力してくださいました。御協力、誠に感謝申し上げます。
驚かれると思いますが、こちらの鏡をご覧ください。」
鏡を見ると、そこにはよくできたアンドロイドがいた。
「え…。は…?」
思わず鏡を奪い取った。
「…嘘だろ…おい…まさか…」
なんと手までもが機械になっていた。
さらにベットから起き上がり、布団をのけると、何から何までが機械になった体があった。
「…なんだよ…これ…」
思わず口調が荒くなる。
「…あなた様は我々、いや、日本が今まで研究してきたあらゆる技術の粋を結集させて作られたヒューマノイド、いわば、電脳人間なのです。
さらに、これは国家機密どころのレベルではなく戦争の新たな火種になることは間違いありません。今の世界のどの国もこの技術までは到達できていません。日本だから出来たことなのです。」
「…マジかよ…」
「田野様も目覚めなさったことですし、ここはもう危険です。場所を変えてさらに詳しく説明いたします。さぁ、行きまし…」
その時、激しい爆音と振動が建物を襲った。その後にすぐ、銃撃音らしき音が聞こえてきた。
「え、何?」
「思ったより行動が早い。急がねば。さぁ、急ぎましょう。いよいよ危なくなってきました。」
パリーンッ!
パンッ!
激しく病室の窓が割れ、続いて投げ込まれた何かがまばゆい光を放ったらしく。周りの人が皆眩しそうにしている。
「フラッシュバンだ!お前ら、早く『鍵』を確保しろ!私は先に逃げるぞ!」
すると次々と武装した人達が窓から進入してきた。
「伏せろ!」
そう聞こえて反射的に身を屈めたと同時に銃声が室内に鳴り響く。
「ターゲットを確保、撤退します。さぁ、こちらにおいでください。早く!」
訳が分からず、その場でオロオロしていると、
「おい、早くしろよジジイ!」
と言われ、担ぎ上げられ、外に待機してたヘリ?のような飛行物体に投げ込まれた。
何何何何⁉︎
敵なのこの人ら?え?え?
「無事確保いたしました!」
「ご苦労!久しぶりだな、圭。待ちくたびれたぞ!」
声のする方に顔を向けると、そこには見覚えのある老人がいた。
「え、なんで名前を…」
「まぁ、100年も経ったんだから顔も変わっちまうか…。俺だよ、賢吾だよ。志井賢吾。」
続きが気になるようでしたら言ってください。
あくまで、お試しで書いた話の序盤ですので(ー ー;)