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きっと、恋

作者: 雪傘吹雪
掲載日:2026/06/03

 遅足だらけの人混みの中を歩き抜ける。

 大きなハブ駅は昼夜問わず人が多い。私もその平凡な通行人の1人なのだ。

 流されるまま、分岐路で別れた友達......便宜上そう呼称する存在と()()()にも振り返らず、ただただ真っ直ぐ、家に。


 本当は流されているわけじゃないけど。

 逆流しようと思えばいつだってできるから。


 見たくないだけ。

 一方的な思いを押し付けて、コミュニケーションですらない会話をする。そんな自分を思い出したくはない。自分の能力の低さを。


 私って何なんだろう?


 勉強は特別出来るわけじゃないし、運動はからっきし、努力を怠るし、対話能力は低いし、ビビリだし、不器用だし。それに、厭世観が強くて常に悲観している。


 じゃあ、私には一体何が出来る?

 私にあの恋を実らせらる?


 あなたの笑った顔を、たびたび思い出す。


 地下へと降りるエスカレーターへと辿りく。この先に改札がある。その後は地下鉄に乗り換えて、そして数駅したら家。

 毎日わざわざ、苦しみのある場所に、1時間もかけて行って帰って。

 何がしたいのだろう。


 助けてなんて言えない。言わない。


「助けて」


 言っても助からない。


 頼って欲しいはただ我儘の自己満足。


 言ったら、あなたはずっと私の隣に居てくれるの?あなたのものになれるの?


 なれないよね。だって、その人たちには全く関係のない、私たちだけの世界の話なんだから。世界線が違うんだ。


 エスカレターはゆっくりと、人を運ぶためだけに回り続ける。

 微かに聞こえる、ガタガタという音が、確かに私の命がここにあることを主張しているように感じられた。


 幽霊になったら、いつでもあなたに会えるようになっちゃったりするのかな。


 なんて思っているのに、結局私は明日を生きる。明後日を、明々後日を。そして、重い腰を上げ学校へ。

 あなたに会うために。あなたの笑顔を見るために、私では作れない。

 恋と呼べるのか、分からない感情を証明しにいくために。

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