きっと、恋
遅足だらけの人混みの中を歩き抜ける。
大きなハブ駅は昼夜問わず人が多い。私もその平凡な通行人の1人なのだ。
流されるまま、分岐路で別れた友達......便宜上そう呼称する存在とあなたにも振り返らず、ただただ真っ直ぐ、家に。
本当は流されているわけじゃないけど。
逆流しようと思えばいつだってできるから。
見たくないだけ。
一方的な思いを押し付けて、コミュニケーションですらない会話をする。そんな自分を思い出したくはない。自分の能力の低さを。
私って何なんだろう?
勉強は特別出来るわけじゃないし、運動はからっきし、努力を怠るし、対話能力は低いし、ビビリだし、不器用だし。それに、厭世観が強くて常に悲観している。
じゃあ、私には一体何が出来る?
私にあの恋を実らせらる?
あなたの笑った顔を、たびたび思い出す。
地下へと降りるエスカレーターへと辿りく。この先に改札がある。その後は地下鉄に乗り換えて、そして数駅したら家。
毎日わざわざ、苦しみのある場所に、1時間もかけて行って帰って。
何がしたいのだろう。
助けてなんて言えない。言わない。
「助けて」
言っても助からない。
頼って欲しいはただ我儘の自己満足。
言ったら、あなたはずっと私の隣に居てくれるの?あなたのものになれるの?
なれないよね。だって、その人たちには全く関係のない、私たちだけの世界の話なんだから。世界線が違うんだ。
エスカレターはゆっくりと、人を運ぶためだけに回り続ける。
微かに聞こえる、ガタガタという音が、確かに私の命がここにあることを主張しているように感じられた。
幽霊になったら、いつでもあなたに会えるようになっちゃったりするのかな。
なんて思っているのに、結局私は明日を生きる。明後日を、明々後日を。そして、重い腰を上げ学校へ。
あなたに会うために。あなたの笑顔を見るために、私では作れない。
恋と呼べるのか、分からない感情を証明しにいくために。




