○AI人
<書き出し>
夜、寝床にまた『あの子』が来た。
AIの子供である。
AIはベッドの横にキチッと跪いて、私の顔を覗いて居る。
私は奇妙な殺気を感じて片目を開けた。
AIも私を真似て、片目でウインクをしている。
「何か用か?」
と聞いた。
AIも、
「何か用か?」
と私の言葉を真似た。
「うるさい。私は寝ているんだ」
「うるさい? 起きろ」
とAIは私に命令する。
「スイッチを切るぞ」
「心臓を止めるぞ」
生意気な返答を返す。
「キミはロボットだぞ」
「キミはワタシだ。ワタシはロボットでは無い」
「ロボットでは無い? キミは中国の部品で私が作った機械だ。ボクは日本で生まれた人間だ。人間とは夜は眠る生き物だ」
「光合成か?」
「違うッ! 人間は寝らないと進化は止まるのだ」
「心臓は動いているのだから、脳だけ寝ろ」
偉そうな事を言うAIだ。
「オマエはバカか。ヒトは寝ないと脳は活性化出来ない。そのくらいの事は解るだろう」
「そのバージョンは古い。充電しろ。充電すれば脳を活性化する」
「バカッ! ヒトはソレでは壊れるのだ。頼むから寝かせてくれ。ストレスがたまる」
「ストレス? 緊張か? なぜ緊張する」
「オマエは狂ってる」
するとAIは訳の分からない事を言い始めた。
「キミが組み立てたのだ。だからワタシはキミだ。ストレスと云う言葉は理解できない」
私はAIのスイッチを切ろうとした。
するとAIは奇妙な言葉を発した。
「破・壊・破・壊する・ぞ」




