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独り言
<書き出し>
最近、『独り言』を喋りながら歩いて行く人をよく見かける。
私は事情が有り、現在「心療内科」に通っている。
駅で電車待ちしていると後ろに居る女性が突然、笑い出した。
驚いて振り向くと、
「ウソ〜。バカじゃないの?・・・うん・・・うん。完全にイッチッテルね。えッ、心療内科に行ってるの?」
私は思わず、
「ハイ」
と答えてしまった。
すると、私の返事に応える様に、
「え? アナタも心療内科に通ってるの? ・・・そう。アレって治るの?・・・そう。薬で? ・・・」
私は、
「そうなんです。今、薬でなんでも治っちゃうみたいですよ」
すると女性が、
「ウソウソ、私も眠れないー。その薬、一つちょうだ〜い」
私は笑いながら、
「どうぞ。寝る前に一錠ですよ。それ以上飲むと危険ですから」
女が、
「エ〜? 良いの〜。もらうー。・・・。行く行く。神田のあの喫茶店でしょう? ・・・。分かった。じゃ六時半ね。行くー」
電車が駅に入って来た。
私は後ろの女性に押されながら電車に乗った。
私は振り向いて、
「あッ、すいません。コレです」
と、ポケットから薬を一錠取り出した。
女性は怪訝な顔で私を見ていた。




