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明るい街
<書き出し>
笑い声と酎ハイの空き缶の投げる音がした。
このアーケードの通りには、あちこちに潰したダンボール箱が敷いてある。
シャッターの閉まった店。
店の前にも潰したダンボールが。
その上には品川巻(煎餅)の様な布団が丸めて置いてある。
誰かがそこで寝泊まりしているのだろう。
ポット、ガスコンロ、折り畳みのテーブル、スポーツバック・新聞、週刊誌が置いて有る。
周囲には折りたたみ椅子、ポリバケツ、空の一斗缶、台車、自転車等が。
これだけ有れば生活には不自由はしない。
昼間からあちこちの店の前には仕事にあぶれた労務者達がたむろして酒盛りをして居る。
いつも回って来る自転車の巡査が、労務者に声を掛ける。
「散らかすなよ。皆んなの街だからな」
「分かってるよ。ご苦労さん、ちょとあったまって行かねえか」
巡査はニッコリと笑って、立ち去って行く。
労務者の一人が、
「よッ、色男!」




