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 案山子の墓

<書き出し>

 ススキの穂が秋風に揺れている。


田んぼの隅に、

 『捨て場の看板』

が立っていた。

そこにはたくさんのカカシ(案山子)が捨てられている。

雨に濡れて腐った案山子、今捨てられた案山子。

案山子はみな同じ顔がいてある。

 「へのへのもへじ」

案山子には服が着せられている。

子供のセーター、おばさんの着物、オヤジの背広、母の割烹着、お爺さんのドテラ。

麦藁帽子を被ったマネキン人形。

ホッペタには捨てられた日にちが書いてある。


 軽トラが停まった。

農夫が三躰の案山子を荷台から下ろした。

担いで捨て場に入って行った。

捨て場の入り口には、赤い帽子を被せた『お地蔵様』が立って居る。

農夫は地蔵様に線香を挙げ、手を合わせて帰って行った。


捨て行った案山子の顔には、

 貴子、権蔵、春樹

と書いてあった。


竹藪の奥でキジが「ケン、ケン、ケン」と三度、鳴いた。


   私はお地蔵様に線香を三本挙げた。

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