表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/32

 殻参り

<書き出し>

 お墓に行った。


蝉の殻が卒塔婆の下の方にしがみついて居た。

蝉は殻から出て、七日蝉に成って飛んで行ったんだろう。

沢岸の茅の葉にヤゴの殻が、しがみついていた。

ヤゴはトンボに変わって飛んで行ったのであろう。


歩いていたら猫の皮が道路に張り付いて居た。

猫は皮を脱いであの世に飛んで逝ったのだろう。


病院に母を見舞いに行った。

病室のベッドの上に殻の寝巻きが置いてあった。

母は寝巻きを脱いで霊安室に運ばれた様だ。

母は蝶に成って今朝、私に会いに来た。


広島に原爆の写真を観に行った。

沢山の人の殻が写っていた。

原爆公園には無数の蝶が舞っていた。


震災の写真で水に流されて行く人を見た。

殻に変わって逝く途中の人である。


蝉の鳴くお盆には必ず『殻参り』にく。

あちこちのお墓の卒塔婆には、蝉の殻がしがみついて居る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ