表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/32

 人間水槽

<書き出し>

 上野駅から十分ほど歩いた所に『サピエンス』と云う名前の店がある。


店主の名前は『トランプ』。

ユーラシア系アメリカ人宣教師だ。

店には水槽と籠、玉網、酸素、餌等が手頃な価格で陳列されている。

奥に入ると、世界中のホモ・サピエンス(人間)が大きな水槽に入れられて売られている。


 ネアンデルタール、デニソワ、ホモ・エレクトス。


全て一匹が「三千円」である。


更に奥に入ると、


 コーカソイド(白色)、モンゴロイド(黄色)、ネグロイド(黒色)


の三種も今、『売り出し中』のシールが貼ってある。

コレ等は「各一万円」と少し値が張る。


私はアルバイトで貯めたお金で、コーカソイドを雄雌各一匹、モンゴロイドを雄雌各一匹を購入した。

トランプ(店主)は、


 「一緒の水槽に入れると喧嘩するから別にした方が良い」


と教えてくれた。

しかしコレ等はまだ子供なので、一緒に入れて様子を見ることにした。

暫くすると、「繁殖」が始まった。

コレはいかんと思い、急いで今より大きめな安い『水槽』を上野サピエンスに買いに行った。

店主は、


 「そろそろ戦いが始まるから病院を作って置いた方が良い」


と言うのである。

仕方がないので、ついでに「病院」も買って来た。

すると、やはり戦いが始まった。

ガサゴソとうるさくて夜も眠れない。

良い方法がないかと電話でサピエンスの店主トランプに聞いた。

すると、


 「近代種のサピエンスは戦争がやめられない生き物だ」


と教えてくれた。

その場合の有効な方法は水槽を変えた方が良いとも教えてくれた。

暫くすると、


 『水槽キャンペーン中』


のハガキが届いた。

私は急いで水槽を買いに行った。

少し高い商品だけど三割引で六万円で購入した。

水槽の名前は、『新しい文明』と言う。


今の所、サピエンス達は平和に暮らしている。

この水槽の下には「緊急ボタン」が装着してある。

店主が言うには、最悪の場合以外には押してはいけないと忠告してくれた。

押した場合は、この『文明』と云う水槽は破壊されるらしい。

私はまだ、世界の終わりは見たくない。


  最近、店主トランプが変わったそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ