とまりちゃん。
無人駅を降り かつては賑ったであろう限界ニュータウン、今やゴ−ストタウンを抜け、山林を抜ける。 今は水の動きが無いが為に腐敗したのであろう緑に変色した池を渡りその建物は建っていた。
県立総合草彅病院。
かつては高度な医療を扱い県下でも名高い病院だった。
しかし実の所、看護婦、医師の人手不足、ずさんな体制だった。
都麻理はこんな病院で治療を受けてたんだ、、、
僕はグッと唇を噛む。
時計を見た。午後1時半、、、とても昼過ぎとは
思えない暗さだ。
正面玄関から院内に入る。
施錠はされていたのだろう、、、
近くに南京錠が落ちている。
ジャリ、ジャリ、院内はガラスやら空き缶やらで
酷いありさまだ。
ナ―スステーションを横切る。
角を曲がると誰かいる。
真二「、、、ひ、久しぶりで良いのかな。」
都麻理「本当に久しぶりだね。」
都麻理はゆっくり僕の方に歩いてきた。
そう、僕は彼女に合っている。髪は肩まで
小柄な可愛い女の子、一人教室でたたずんで
いた天使。
一緒に廊下を歩いた時胸がおかしくなる程高鳴った理由が今わかる。
ゆっくり右手で僕の左手を握ると
ニコリと笑う。
都麻理「ねぇ、しんちゃん、もう一つの世界に
一緒に行かない?」
真二「、、、うん。行きたい。」
とまり「ねぇ、しんちゃん、あのときにかえりたいよ。」
しんじ「うん。とまりちゃんかえろうよ。」
しんじ「とまりちゃんは中学の部活決めた?
僕とたかしはサッカー部に入るよ!」
とまり「う−−んじゃあ私サッカー部のマネージャーするよ!ずっとしんちゃんと一緒だよ。」
しんじ「あ、今日は友達と遊ぶからとまりとは
遊べないや!ごめんな。」
とまり「最近私を避けてるな!思春期だ!」
真二「なぁ、都麻理、高校決めた?」
都麻理「私は真二と同じ所へ行く予定!」
真二「アルバイトして買ったんだ。都麻理に
似合うと思ってさ。」
都麻理「ありがとう。真二。一生大事にするね。」
都麻理「ジャジャーン。お母さんの車借りてきました!海に行くよ!海!」
真二「すげー!都麻理!大人だ!」
真二「なぁ都麻理、お父さん泣いてたなぁ。」
都麻理「相手が真二だから泣いたんだよ。
嬉しくてさ。」
真二「都麻理、一生幸せにするよ。」
都麻理「、、、真二ありがとう。生きて来て今が一番幸せ。
もう後悔や悔いは無いよ。本当にありがとう。」
真二「な、何言ってるの?これから2人で幸せになるんだから変な事を言わないでよ!」
都麻理は首を何回も左右に振り
「本当に本当にありがとう。貴方は私が思い描いた人だった。
あの時、私は小さかったけど命に代えても守りたいと思った。」
都麻理「思い出して、あの時に起こった事件を
そして眼を覚まして。」
都麻理は涙をボロボロこぼしながら真二の頬に手を当てる。
真二「く、あ頭が痛い、、、嫌だ。思い出さない!思い出したくない!」
真二がこのままあの事件を思い出し現世に戻る人は次の(真二)をお読みください。
真二がこのままあの事件を思い出さずに都麻理と
一緒にいる人は(都麻理)をお読みください。




