あとがき
(ん?あ、いたたたた…)
俺はぶつけた頭を押さえた。目を開ける前に、一瞬思った。
(あぁ、さっきは気持ち良かったな。あ、そうだ!舞ちゃんは無事か!?)
俺は目を開け、舞ちゃんが無事なのかを確認… しようとした。
「あれ?」
辺りを見回すが舞ちゃんの姿はない。それどころか、
(ん?ここは…)
周りには空き缶とウイスキーのボトルが散らかっていた。
(俺の部屋?あれ?舞ちゃんの部屋に忍び込んだのは夢だったのか…)
「あっ…」
パンツの中は精液でベトベトになっていた。
(……。)
45歳にして夢精するとは。それにしても物凄くリアルで、とても気持ち良い夢だった。
(本当に夢だったのか?)
疑ってしまうが、ここは確かに俺の部屋である。俺はこんなに良い夢があるのなら、忘れないうちにもう一度夢の内容を思い出した。
(舞ちゃんを抱いた… 舞ちゃんは俺のペニスでいイッたんだ。)
「いててて…」
また、ぶつけた頭を押さえながら言った。
「舞ちゃんが怪我しなくて良かった。」
そう呟いて、俺はまた眠りに落ちた。
翌日の日曜日、朝御飯を買いにコンビニエンスストアに行こうと思い、玄関を出た。すると隣の202号室の玄関の扉が開いた。舞ちゃんも出てきたのだ。舞ちゃんが俺の存在に気づき、
「おはようございます!」
と挨拶してくれた。俺は昨日のことを思い出して恥ずかしくなった。気を失っていた間の夢とはいえ…。
小声で、
「おはようございます…」
と言って顔を伏せて、そそくさと舞ちゃんの目の前から逃げた。
一方…
私は上野舞。時々お隣さんと会う。日曜日の朝、今日は友達と買い物に出かけるので玄関を出た。すると203号室の玄関を出たところにお隣さんがいたので私は、
「おはようございます!」
と挨拶をした。するとお隣さんはなぜかわからないが何となく恥ずかしそうに顔を伏せて、
「おはようございます…」
と小声で応えてくれた。なぜか私から逃げるように去って行った。
ここはアパート。集合住宅の中でも、賃貸住宅は分譲住宅より安く造られていることが多い。そのため、やはり壁は薄く、隣の物音が聞こえてしまうことがある。近隣トラブルには気をつけて。
壁の向こうでは何が行われているのだろう…。




