お金が大好きな男
これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。
アレクサンドロスは、暗号通貨とIQ Optionによってさらに巨万の富を築き上げ、ついに三百万ドルをその手に収めた。
そしてある日、彼はインターネットを介して、一人の男へと接触した。
その名は、ケネス・チャップマン。
ケネスは生涯を通じて殺し屋として生きてきた。
だが若き日には、わずかながらも「正義」を信じる心を抱いていた。
彼は、自らが「不正義」と見なす依頼を決して受けなかったのだ。
そのため、彼はバスク地方の独立運動に身を投じ、アイルランドの民族主義者を支援し、
「解放者」を自称するイスラム主義者たちに力を貸し、
さらには日本での反原発運動にまでも関わった。
しかし、結末は常に同じであった。
ケネスの行動は、より大きな災厄を招くだけに終わった。
それは彼自身も、依頼主たちも、世界の全貌を見渡せなかったがゆえである。
やがてケネスは悟った。
人間には世界を完全に理解することなど不可能だ。
人は必ず誤りを犯す──それが人間の定めなのだと。
こうして彼は「正義」という束縛を捨て去り、ある結論に至った。
人は道徳に縛られぬ方が幸福に生きられる、と。
自らはただの道具となり、己の利益のみを追い求める殺し屋となればよい。
そうして彼は、ただ命を奪うための機械として生きる道を選んだ。
理由を知る必要も、結果を考える必要もない。
与えられた依頼を遂行するのみ──それが彼の生のすべてとなった。
そんなケネスに、アレクサンドロスは提案を持ちかけた。
──おまえはアレクサンドロスとして振る舞え。
我が命ずるままに行動せよ。
その代価として、二百万ドルを支払おう。
ケネスはその提案を受け入れた。
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