エピローグ
これはこの物語の最終回です。皆さんが楽しんでくれたら嬉しいです。
ヒロキは、あの戦いの夜明け前に息を引き取った。
マダ=ア=アルとの契約で失った肉体は、もはや元に戻ることはなく、ただ静かに、穏やかに消えていった。
その最期の表情は、不思議と微笑んでいた。
まるで、自分が選んだ結末を誇りに思うかのように。
一年後——。
世界のどこかで、作られたばかりの小さな玩具があった。
鉄でできた細身の躯体。腕の先には二本の電動ノコギリ。どこか懐かしい青色の装甲。
それは、ただの玩具ではない。
——ヒロキの魂が宿った、新たな生命だった。
彼は、自分が何者だったのかを覚えていた。
そして胸の奥に、どうしても帰らなければならない場所があることだけは、はっきりと刻まれていた。
旅は長く、道は孤独だった。
しかし、小さな金属の身体は止まらなかった。
やがて、古びたアパートの前に立つ。
懐かしい扉。
あの匂い。
あの気配。
ドアを叩く前に、内側からバタバタと走る音がした。
「……ヒロキ!?
ヒロキなの!? その姿でも……帰ってきたの……?」
扉が開いた瞬間——
アレクシスが、ナターシャが、スカイラーが、ニアが、彼に飛びついた。
四人の巨乳ドールたちは、涙を流しながら笑っていた。
自分たちの腕の中に収まるほど小さくなったヒロキを、まるで宝物のように抱きしめながら。
「お帰り、ヒロキ。」
「ずっと……待ってたんだよ……。」
「また一緒に暮らせるんだね……。」
「今度こそ……もう離さないから……。」
鉄の身体のヒロキは答えた。
——ただいま。
こうして、ヒロキは再び彼女たちと暮らし始めた。
姿こそ変われど、温もりは変わらない。
電動ノコギリの腕も、彼女たちにとっては愛すべき「新しいヒロキ」の一部だった。
彼は小さく、弱く、奇妙で、不完全な存在のままだった。
だがその小ささこそが、彼を救い、彼女たちを繋ぎ、世界に静かな光を灯していた。
そして世界は静かに語り続ける。
——大いなる野望も、戦争の喧騒も、いつかは消え去る。
だが小さきもの、遊び心、そして夢幻の光だけは、決して朽ちることはない。
小さく、愉しく、そして幻想的なものは、今日も確かに生き続けている。
この物語の最終回を楽しんでくれたら嬉しいです。最初からこの物語を見てくれた皆さんに感謝します。皆さんのおかげで、作家になるという私の夢は実現可能だと信じています。本当に感謝しています。




