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暗殺者が勇者を訪ねる。

これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。


深夜。

ケネスのスマホが震えた。

差出人不明のメール──だが、その文面には短く、ひとつの命令だけが刻まれていた。


「──この男、ヒロキを排除せよ」


送り主はアレクサンドロス。

数時間後


ケネスは、眠るヒロキの家へと音もなく忍び込んだ。


その姿を見た瞬間、ヒロキの背筋がぞわりとした。

以前、ネットで見た写真──

偽物ニセモノのアレクサンドロス」と噂されていた男。


「……おまえ……ネットで見た……」


男は薄く笑った。


「ケネスだ。おまえを殺しに来た。」


その声音は、どこか虚無的で、乾いていた。


ヒロキは悟る。

この男もアレクサンドロスの“兵”。

本物のアレクサンドロスが操る、危険な駒だ──。



「ヒロキ、下がらないで!」

ナターシャが叫ぶ。


その手には、淡い光をまとう魔法陣。


加速アクセル──強化ブースト!」


光がヒロキの体に流れ込み、筋肉が震え、視界が鋭くなる。


ケネスの眉がわずかに動いた。


「魔法か……面白い。」




ケネスは生まれつきの戦闘感覚と、暗殺者としての経験でヒロキを仕留めようとする。

その一撃一撃を、強化されたヒロキの身体がギリギリで受け止めていく。

ヒロキは電動ノコギリをつかみ、スイッチを入れた。

ガッ!


ヒロキのチェーンソーがケネスの腕をかすめ、血が飛ぶ。


ケネスは微笑む。


「やるじゃねぇか、小僧……」

それでもケネスは闘い続け、ヒロキに幾度も重い一撃を叩き込んだ。

しかしその瞬間、ヒロキは踏み込み、渾身の力でチェーンソーを男の胸に突き立てた。


ドシュッ!!


ケネスの身体が大きく揺れ、崩れ落ちていく。



血の中で、ケネスは息を荒くしながら笑った。


「……おい、ガキ……アレクサンドロスって、どんな奴だ?」


ヒロキは息を呑む。


ケネスは続けた。


「俺は…まだ一度も顔を見たことがねぇ。

本名も知らねぇ。

ただ……金をくれる。

“崇高な大義”なんざ信じちゃいねぇ。

どうせ全部…間違いに決まってる。」


途切れ途切れの言葉。

だが、その奥にはかすかな熱があった。


「けどな……本当は……自分の目で確かめたかったんだ。

俺が仕えるって決めた男の……“思想”ってやつを……」


ケネスの手が、力なく床へ落ちた。


静寂。


ナターシャがそっとヒロキに近づく。

ヒロキはチェーンソーを握りしめたまま、ただじっと、倒れた男を見つめていた。


「……アレクサンドロス……

おまえは……一体、何者なんだ……」


その夜、ヒロキの胸に新たな恐怖と疑念が宿った。

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