表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

偉大な皇帝の生まれ変わり

これは私が作っているもう一つの物語です。皆さんが楽しんでくれることを願っています。

アレクサンドロスは、死の床にあった。


病に侵され、意識が遠のいていく中、彼の脳裏に浮かんだのは、忘れがたき過去の記憶だった。


母は、裏切り者アーバトスの謀略により命を落とした。

父・フィリッポス二世はその報復として、アーバトスを鉄でできた玉座に縛りつけ、生きたまま焼き殺した。


アレクサンドロスには二人の兄がいた。ヘラフィニオスとアキマネス。

二人は知恵にも力にも優れ、弟である彼を常に圧倒していた。


このままでは、自分は忘れ去られた王子に過ぎなくなる。

そう悟ったアレクサンドロスは、若き日の戦に乗じて、己の手で兄たちを闇に葬った。


誰もその真実を知らず、人々は兄たちが戦場で名誉の死を遂げたと信じていた。


王位を手にするため、彼の手は血に染まった。


――そしてその時が来た。

最後の呼吸を終えた瞬間、意識は暗闇に沈んだ。


だが、次の瞬間――彼は目を覚ました。


見知らぬ空間。

彼の姿は変わっていた。白、赤、青の奇妙な鎧を身にまとっているようだった。彼は気づいていなかったが、メカロボットアニメをモチーフにしたおもちゃの体に転生していたのだ。

身体は動かず、視界には奇妙な物体が立ち並んでいる。


その中の一つ、道化師のような姿をした玩具が、彼に声をかけた。


「おい、どうしたんだい?」


アレクサンドロスは戸惑いながら口を開いた。


「……ここはどこだ?」


その瞬間、彼の脳裏に、数分前まで死に瀕していた自分の姿がよみがえった。


「ここは……冥界ハーデースか?」


道化師の玩具は、くすくすと笑いながら言った。


「ハーデース? なんだいそれ。ここは“トモちゃん”の部屋だよ」


アレクサンドロスは、「トモちゃん」という名を、異国の魔術師か神の名前だと誤解した。

この奇妙な部屋に彼を閉じ込めた張本人に違いない――そう思ったのだった。


ほどなくして、部屋の扉が開き、一人の少年が入ってきた。

彼こそが、トモであった。


トモはランドセルを置くと、テレビをつけて、歴史ドキュメンタリーを見始めた。


アレクサンドロスは、それを「魔法の鏡」か「賢者の知恵が詰まった神託装置」と見なした。

しかしそれ以上に、彼の目は、映像に吸い込まれるように釘付けになった。


そこには、自分の死後に続く人類の歴史が描かれていた。

古代ギリシャ、ローマ帝国、ビザンティン帝国、カロリング帝国――そして近代。


さらに、彼と肩を並べるほどの英雄たちの偉業が語られていた。


アレクサンドロスは悟った。

自分は未来の世界に転生したのだ、と。


この地が「日本ニホン」と呼ばれる国であることも知った。


やがてトモが眠りに落ちると、道化師の玩具――名をワラウキという――が再び語りかけた。


「他の仲間たちに会いに行こう」


アレクサンドロスは静かに頷き、ワラウキと共に部屋を抜け出した。


「“ニホン”とは、どういう意味だ?」

そう問うアレクサンドロスに、ワラウキは答えた。


「“日の出ずる国”って意味さ」


アレクサンドロスは天を見上げ、微笑んだ。


「ならば、私はこの国を“再び昇る太陽の国”と呼ぼう」


神々は、自分にもう一度世界を征服する機会を与えたのだ――そう確信していた。


彼の新たなる征服は、ここから始まる。

皆さんがこの最初のエピソードを楽しんでいただければ幸いです。次のエピソードをすぐにアップロードします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ