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無意味な文章

作者: 四谷入り

 人生をどう生きればいいのか、私にはすっかり分からない。

 いつか死ぬために今を生きる私達にとって、大事なのは目的よりも方法である。生きるための方法。生きるための目標なんて叶いっこないし、些細なことで輝きを失うものなのだ。

 目標も理由も意味も必要ない。生きていく方法が分かれば、私という人間は生きていける。

 私には死ぬ価値も理由もないのだ。死にたいと思ったことはないが、生きたいと思ったこともないような人生を送ってきた。


 随分と哲学的な話になってしまったが、私はそんな話がしたい訳ではない。厨二病だと思われたら嫌だから補足しておくと、先程までの話は全てプロローグであり一例なのだ。

 私が今回論じたいのは、『分からない』ものについてだ。物質でも概念でも哲学でも勉学でも何でもいいが、私達の世界には『分からない』ものが多すぎる。そう思わないか――なんて誰かに問いかける真似はしない。私がそう思っているならそれでいいのだ。他人がどう思っているかなんて、それこそ『分からない』のだから。

 いや、それは私だけなのかもしれない。もしかしたら私以外の全員には人の心が読めるのかもしれないし、表情や仕草で人の心理等を読むと自称する人間も実際に存在する。

 でもそれは私のことじゃない。だから、それも結局は『分からない』ことなのだ。


 知らないことは知ることが出来る。でも、知って尚も分からないものだったり、知る以前にあるかどうかも分からなかったり。

 不明で透明。不明確で不確実で予想も想像も妄想も出来ない――そんなものが、この世には無限と溢れている。かどうかも分からないかもしれないが。

 その中から一例として、こんな問題を出してみよう。


 この文章は、果たして小説なのだろうか。

 小説の定義が曖昧なので、とりま定義しておこう。小説とは、随筆文でない、物語性のあるもの――ということにしておこう。

 この文章は、誰が感じ誰によって作られたものなのだろうか。もしかしたら、これはキャラクターの独白なのかもしれないし、作者の無意味で無価値な散文なのかもしれない。

 何か文章を書きたくなった人がパソコンで暇つぶしに打ったものかもしれないし、もしくは他人に描かれたキャラクターがその物語の中でパソコンに暇つぶしとして打った文章なのかもしれない。可能性は無限大で、無限というのは要するに『分からない』ものなので、これは『分からない』という問題の一例に該当する。

 もしくはゲームかもしれない。誰かが小説投稿サイトに投稿したものかもしれない。誰もその正体を知らない。誰も隠していないのに。

 ノンフィクションかもしれないし、誰かの文章をパクったものかもしれないし、もしくは何らかの暗号なのかもしれない。それとも、室町時代後期に作られた詩なのかもしれない。

 まぁでも、推測ぐらいは出来るだろう。

 こんなの、穀潰しの中卒素人が暇つぶしに自己満足として自由で自分勝手に打った文章であるに決まっているのだ。

 目標も、テーマも一貫性もオリジナリティも芯も自信も自身も当然のように欠損して欠落して棚上げした、そんな身勝手なものに決まっているのだ。

 もしくは練習なのかもしれないが。しかし、執筆が上手くいかなかったからって投稿サイトに投稿した後の後書きに『これは練習だ』とか書いてあったらソイツはクソだ。


 なんてね。

 相手が一個人じゃなくたって、貶す行為は減点ものだ。

 吐いては尻ごみんなら下って――という訳である。


 にしても、随分と長話をしてしまった気がする。

 正直なところ、分からないことをどれだけ論じても分からないものは分からないので、これは完全に無意味なことだ。

 誰々が、どこどこが、はう、どんな議論をした所で、不明が有名になることはない。しかし、それを理解出来ないような馬鹿は一定数いる。

 人に訊けば分かると思っているような、ネットで調べれば分かると思っているような、そんな愚か者は必ずいる。

 分かることはあれど、何もかもが分かる訳じゃない――そんなことを知らないような馬鹿が、この先世界の、日本の、○○都道府県、○○市町村の運命を背負っていくのだ。

 とんだ笑い話だ。


「『え』?」

 無意味な文章を書く時間は有意義でした。

 一応リポグラムのつもりでした。

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